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明日、河野和彦先生が尼崎に

2015年09月29日(火)

明日、コウノメソッドの河野和彦先生が尼崎で講演される。
なかなか無い機会なので、興味のある方は是非是非ご参加を。→こちら
ちなみに、私は明日は講演しません。河野先生だけです。(時間の都合上)

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私の舌足らずの書き込みに、何人かの人に反応して頂いて感謝申し上げる。
以下に転記した医師のお考え(3つ)が、私が言いたかったこと。

このブログは、私よりずっと優秀な医師にも読んで頂いているようだ。
医師らしい素晴らしいコメントを書きこんでもらえるので私も勉強になる。

市民のみなさまは、以下のコメントをよく読んで欲しい。
これが真実だと思う。

私は多剤投与に反対しているが、河野医師は“カクテル療法”というコンセプトを発明された。
河野先生の考えが正しく、私の多剤投与という表現が粗雑なだけ。

カクテル療法といえば、漢方薬が好例。
河野先生は、西洋薬のカクテル療法というべきか。

まあ、私のことなどどうでもいい。

明日は、河野先生のお話をしっかり聞いて欲しい。

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私も個人的には小林文夫氏の所感には同意的です。
長尾先生のご意見はときどきどう解釈していいのか苦悩させられる点は多々みられます。以前の別の人の書き込みにもそれが表れてました。
個人的解釈で薬物療法について言うと1)認知症そのものを改善する、進行を止めるという点では幻想(4種の抗認知症薬の能書には進行を止める作用はないと書いてある)2)認知症の行動心理症状(アパシー・意欲低下・興奮・幻覚など)を改善する効果は60~70%程度あるが100%ではない。
河野先生は2)を強調し「薬物療法は少量多剤併用使用で不可欠」と考えておられるが、長尾先生はどちらかと言うと「薬物療法は幻想、多剤併用は問題」と考えておられます。ですから第3者的にみれば対極的な方向性に見えます。薬物少量投与と家族天秤(家族に薬の裁量権をもたせる)という事を初めて提案したのは河野先生の偉業ですが、抗精神薬の処方を正当化するかについては賛否があります。河野先生の提唱する介護者保護主義が患者中心主義(患者を危険に曝してはいかん)の学会関係者には受け入れ難いようです。一部では抗精神薬処方をする場合は訴訟対策で書面でサインをさせるべきだという意見もあるくらいです。その一方で、患者中心主義として振る舞う学会関係者の御仁達が、抗精神薬だけを悪者扱いする一方で抗認知症薬は何の根拠もなく、危険性にも一切言及せずとにかく安全なので増量しろ、行動心理症状対策でメマンチンを併用しろと連呼している事に強い違和感を感じます。
ぜひ11月23日には抗精神薬と抗認知症薬の是非について討論してほしいと願います。

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認知症治療に関わり始めて、30年近くになります。
私が認知症に関わって数年して、それまで認知症に関心がない神経内科医や精神科医が、DSMの診断基準を掲げて認知症治療に殴りこんできました。曰く日本でもアルツハイマーが80%・アルツハイマー型老年○○とアルツハイマー病(弱遠征アルツハイマー)は、同じ病気。
アメリカのデータをそのまま日本にも適応できる。と主張していました。この時、そんなにアルツハイマーの患者をでっち上げないと行けないのか?と強い疑問を抱いたのを覚えています。
当時静死か病棟で、認知症に対応していましたが、アルツハイマーは若年性の二人を除くと、ほとんど記憶が有りません。6年で数十名の認知症患者に対応しましたが、多くはピックを合併したレビーだったと思います。一部進行が非常に早いケースも居り、悪性DLBやMMSAなどではなかったかと考えています。
当時の治療薬でも3ヶ月有れば特別養護老人ホームでも対応可能な状態に出来たケースが多かった記憶が有ります。
現在の認知症治療は、アルツハイマーに関する検証が不十分なまま推し進められています。病理学的な診断に基づく確定診断としては、九州の久山町のデータが最大級かつ唯一のエビデンスだと思います。この九州久山町の病理学的な診断を、きちんと学会の診断基準に当てはめると、レビー小体型認知症が約0%・アルツハイマーは約25%程度しかいません。最近の厚労省のデータでは、アルツハイマーが依然70%程度とされています。非常にお高い誤診率といえると思います。この誤診に基づいた知見により診断治療がされている現状は、認知症治療は夜明け前と行っても良い状態だと、私は思います。
現在訪問診療を中心仕事をしています。訪問診療開始前に認知症と診断されている方の中に、純粋なアルツハイマーは。グループホームに1施設当たり2~3名いるだけです。残りは、レビーやLPCです(アルツハイマーを合併しているケースもいますが)。
あとアルツハイマーのケースは、介護者の中に見られることがたまにありますが・・・。

今後、認知症の教科書は、一から作りなおさないとダメではないかと思います。

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小林さん
小林さんが疑問に思われるのも無理はないのですが、まず専門医については本当に幻想です。専門医を受診すると、長谷川式、MMSE、その他の心理テスト、脳CT、MRI、SPECTなど様々な検査を行われます。この検査自体がストレスとなり認知症進行の原因となります。そして、そこまで負荷をかけて検査を行ったにもかかわらず、診断はできない、アリセプトを処方するだけ、というとても無駄なことが行われています。
認知症は本来、本人の様子や介護者から話を聞くなどである程度診断可能です。そして、患者さんに合わせた薬を選び、用量を選ぶことが大事になります(薬を処方しないこともあります)。つまり、専門医に受診することは体力的に経済的にも無駄使いということです。私自身も認知症サポーター医の誘いがありましたが、そもそも認知症専門医でよくならない患者さんを見ているので、サポーター医になる意味はないため断りました。
次の病気という幻想ですが、認知症が病気であることは間違いありません(問題となる認知症のほとんどは脳変性疾患です)。しかし、病気としてとらえると、一番目の専門医という幻想にはまってしまいます。根治療法がない現在では、病気というより個性ととらえ、周囲が対応していく必要があるということです。認知症は周囲の環境により進行度合いが変わってきます。
早期発見については、必要と考えます。早目に発見し、介入することにより、本人が住み慣れた場所での生活をより長く送ることができるようになります。ただし、早期発見ばかりにこだわると、やはり最初の専門医という幻想にはまってしまい、泥沼に陥ってしまいます。
結局、専門医という幻想から、そのほかの幻想もきているのではないかと思います。病気も人も診る、認知症をしっかりと勉強したかかりつけ医が増えてくれば、認知症専門医など存在価値はなくなると思います。
訪問診療の世界でも。K先生あたりが牛耳っているうちは無理と思いますが(K先生はコウノメソッドの河野先生のことではありません)。


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うっとりするような書き込みに感謝感激! 長尾拝



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この記事へのコメント

千葉県でケアマネをしています。実践医の先生と毎月、勉強会や講演会を開催していますが、地域の認知症の認知度は関西にくらべ、3年くらい遅れている感があります。地域包括支援センターの職員さんも、認知症の病型などあまりご存知ありません。
もっともっとたくさんの方に知っていただける様に、来月はリレーマラソンにもアピールTシャツを着て出場する予定です!一般人もお手伝いしたいと思っています!

Posted by 西條由理 at 2015年09月30日 09:52 | 返信

こん治療法は、生活習慣病であるガンも含めて、「高インスリン血症(糖尿病ではなく)」の早期発見と対応ではないでしょうか?

Posted by 中島一人 at 2015年09月30日 08:21 | 返信

ご講演ありがとうございます。ご講演が終わり初対面の方と午前二時過ぎまで話し込みました、

Posted by 薬剤師井澤康夫 at 2015年10月01日 02:15 | 返信

“認知症セミナーin尼崎”〔9/30【水】〕に参加して、
河野和彦医師による『認知症はここまでよくなる
~ コウノメソッドの挑戦 ~ 』を聴いてきました。


平日夕方の“認知症講演会”なのに、主催者発表で
399名が聴講するという大盛会。

時代の移り変わりを感じました。


今回の河野医師のご講演を聴いて・・・・・・、
“ある実践医さん”が、アップしていたコメントの
真意をやっと理解することが出来たように思います。


1)家族天秤:2週間に1度15分程患者の様子を
診る医師に代わって、1日24時間患者を見て
いる家族に薬の匙加減を委ねれば、より現実を
見た対応が出来る! という説明でした。


“抗認知症薬”のように頭(脳)や神経に直接
作用する薬の場合、人により効き方が最大で100
倍も違うことがあると認識しています。 そうで
あれば、薬を減じる〔ブレーキをかける〕ことは
出来るかもしれませんが、薬を増加させる〔アク
セルを踏み込む〕ことを家族に任せることは大丈夫
なのか? と心配になりました。


やはり、“抗認知症薬”の匙加減については、微量
投与を可能とすることを含めて、ライセンスを持っ
た医師に任せることが安心と思います。


正に、先日発足した『「抗認知症薬の適量処方を実
現する会』の活動が期待されるところです。


家族天秤も大切ですが・・・・・、医師天秤が有効に機能
することがより大切と感じました。


2)患者中心主義:これはパーソンセンタードケアを意味
しているのかと感じましたが、実際は患者の様子を良
く知る、介護家族の関与を排除する意味合いが強いこ
とを今回の講演で知ることが出来ました。


現実を見ない、“医療界の上から目線”に強い違和感を
感じました。


3)“抗精神薬”も“抗認知症薬”も共に、頭(脳)や神経
に直接作用する薬と認識しています。 そうであるなら
ば、“抗精神薬”も“抗認知症薬”その匙加減には同等の
注意を払う必要を感じます。 その取り扱いに差異がある
ことに合点が行きません。


ある実践医さんの書かれていた“強い違和感”の意味が
やっと分りました。


今回の河野先生の講演内容は、“抗認知症薬”の匙加減に
注目したものでしたが、大変有意義で勉強となる講演会でした。


来年〔2016年〕の1月10日【日】には、“医療”面に留ま
らず、“患者(本人)”・“介護者(家族)”・“地域包括ケア”
をカバーする、認知症の実態に迫る一大イベント:“〔西宮〕
かいご楽快”が着々と準備を進めているようです。


今回同様、認知症を理解するイベントとして、楽しみにした
いと思います。

Posted by 小林 文夫 at 2015年10月01日 02:24 | 返信

いまのところ少量カクテル処方はレセプト審査の壁に阻まれて完全に邪道扱いです。
また認知症という病名で抗認知症薬を処方している患者に抗精神薬処方したら切られます。少量投与も作用と副作用が相反する薬剤カクテル(例えばレボドパ+抗精神薬同時処方など)も調剤薬局には理解が得られないので院内処方で理解のある薬剤師でも雇ってカクテル作ってもらわないとムリです。
11月23日は以上のような壁をぶち壊す足がかりになればいいと期待していますが、マスメディアまでも沈黙させてしまう強大企業軍団をバックにした認知症関連学会(K先生も幹部の1人)を覆すのは並大抵ではない。やはり現状、企業や学会の完全支配下に甘んじている患者団体(主として患者家族)が本当の真実に気がついて集団行動を起こすムーブメントを起こして反旗を翻さないとダメだと思います。

Posted by ある実践医 at 2015年10月01日 10:06 | 返信

ある実践医先生コメントから発想して、書き込みます。
福祉は現在、大雑把に、障がい者福祉と高齢者福祉と分類されていますが、似ているようであり
現況は大いに異なります。障がい者福祉の歴史的発端時期は明言できませんが、事の起こりが、
家族会のようなところからが、事始めと聞いています。身内からの悲鳴や訴えが行動に移されて
行政をも動かしたという、結局は当事者や家族が本気で動く事による情熱が、何かを揺さぶり
影響し、事の次第を変えていくのである、と歴史が語っていると思います。
現実に、職業的に "行政と戦い、医師と戦う" 立場な方が活躍しておられます。
高齢者福祉から障がい者福祉へと、職業的立場を転じてみて、それを肌身で感じます。
高齢者福祉は行政が、手探りな時期に ”まずは箱物から” と始動してしまった、その出発点に
誤りがあるのです。当事者(市民)主導か行政主導か、の違いによって、影響力が甚だ異なるのです。

Posted by もも at 2015年10月01日 06:15 | 返信

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