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「私ってがん家系?」
2015年09月29日(火)
産経新聞がんの基礎知識シリーズ第5回 「私ってがん家系? 」
がんは生活習慣で予防できる!
よく「私はがん家系だから心配になって・・・」と駆け込んで来る人(50~60歳代)がおられます。よく聴くと、80歳の父親が胃がんで、85歳の母方の祖母が大腸がんで亡くなったとのこと。でも冷静に考えて欲しい。日本人の2人に1人はがんになるので、両親のどちらかががんになります。また4人いる祖父母のうち2人ががんになります。ですから両親と両祖父母の計6人のうち、3人ががんになり、2人ががんで死ぬ計算になります。従って相談に来られた方は日本人の平均的な家族であり、決してがん家系ではありません。ちなみにその方にもし兄弟が1人いれば、2人のうちどちらかがんになります。
がんは自分の細胞の遺伝子に傷がついて起こる病気ですが、遺伝子と遺伝は別物と考えてください。遺伝とは親から子供に引き継がれるもの。「がんという病気が遺伝で起きる」確率は、実はがん全体の1%程度と考えられています。もし50歳以下でがんになった血縁が2人以上いればいわゆる「がん家系」かもしれません。
遺伝性のがんのほとんどは、がん抑制遺伝子の異常が原因です。人間の細胞には父親と母親の2つの遺伝子が入っています。この2つのがん抑制遺伝子を自転車の前輪と後輪のブレーキだと思ってください。通常は2つのブレーキが正常な状態で生まれてきます。2つのうち1つが壊れても残り1つのブレーキさえ正常であれば、その細胞はがんになりません。しかしもう1つのブレーキも悪い生活習慣で壊れると、2つのブレーキとも壊れて細胞はがん化します。一方「遺伝性のがん」とは、生まれつき1つのブレーキが壊れて生まれて来た人が、もう一つの遺伝子が壊れただけでがん化しやすい状態のことと理解して下さい。遺伝性のがんとしてよく知られているのは、大腸がん、乳がん、卵巣がん、皮膚がん、眼のがん、骨肉腫などです。特に大腸がんや乳がんでは遺伝性・家族性のがんがよく知られていますが、若い年齢での発症と何度もがんが生じることが特徴です。心配な方は、大病院の遺伝外来で相談してください。最近、自己判断で遺伝子検査を申し込む人がいますが、無用な不安に悩むことがよくあるので、遺伝子カウンセラーの助言の元に行うことをお勧めします。
がんという病気に占める遺伝の割合はたった1%に過ぎす、大半はウイルス感染や生活習慣が原因です。つまり「遺伝によるがん」は稀であり、大半のがんは気をつければ予防できることを知り、無用に遺伝を気にしないで下さい。ただし純粋に加齢に伴う発がん確率の増加の予防はさすがに困難です。国立がん予防・検診センターが掲げる根拠のある8つの予防法とは、1 禁煙、2 過度の飲酒を避ける、3 野菜と果物をしっかり摂る、4 塩分を控える、5 適度な運動、6 肥満を避ける、7 熱い食べ物を避ける 8 肝炎ウイルスの予防・治療です。「私はがん家系だから」と悩む前に、がんの大半は日々の「養生」の積み重ねで予防できることを知ってください。一方、本当にがん家系が疑われる人は、働き盛りのうちは定期的にがん検診を受けて、早期発見・早期治療を心がけてください。遺伝性のがんも生活習慣によるがんも、治療法は同じです。
キーワード がん抑制遺伝子
がんの発生を抑制する働きを持つタンパク質(がん抑制タンパク質)をコードする遺伝子で約30種類が知られている。P53、BRCA1、RB遺伝子などが有名である。
がんは生活習慣で予防できる!
よく「私はがん家系だから心配になって・・・」と駆け込んで来る人(50~60歳代)がおられます。よく聴くと、80歳の父親が胃がんで、85歳の母方の祖母が大腸がんで亡くなったとのこと。でも冷静に考えて欲しい。日本人の2人に1人はがんになるので、両親のどちらかががんになります。また4人いる祖父母のうち2人ががんになります。ですから両親と両祖父母の計6人のうち、3人ががんになり、2人ががんで死ぬ計算になります。従って相談に来られた方は日本人の平均的な家族であり、決してがん家系ではありません。ちなみにその方にもし兄弟が1人いれば、2人のうちどちらかがんになります。
がんは自分の細胞の遺伝子に傷がついて起こる病気ですが、遺伝子と遺伝は別物と考えてください。遺伝とは親から子供に引き継がれるもの。「がんという病気が遺伝で起きる」確率は、実はがん全体の1%程度と考えられています。もし50歳以下でがんになった血縁が2人以上いればいわゆる「がん家系」かもしれません。
遺伝性のがんのほとんどは、がん抑制遺伝子の異常が原因です。人間の細胞には父親と母親の2つの遺伝子が入っています。この2つのがん抑制遺伝子を自転車の前輪と後輪のブレーキだと思ってください。通常は2つのブレーキが正常な状態で生まれてきます。2つのうち1つが壊れても残り1つのブレーキさえ正常であれば、その細胞はがんになりません。しかしもう1つのブレーキも悪い生活習慣で壊れると、2つのブレーキとも壊れて細胞はがん化します。一方「遺伝性のがん」とは、生まれつき1つのブレーキが壊れて生まれて来た人が、もう一つの遺伝子が壊れただけでがん化しやすい状態のことと理解して下さい。遺伝性のがんとしてよく知られているのは、大腸がん、乳がん、卵巣がん、皮膚がん、眼のがん、骨肉腫などです。特に大腸がんや乳がんでは遺伝性・家族性のがんがよく知られていますが、若い年齢での発症と何度もがんが生じることが特徴です。心配な方は、大病院の遺伝外来で相談してください。最近、自己判断で遺伝子検査を申し込む人がいますが、無用な不安に悩むことがよくあるので、遺伝子カウンセラーの助言の元に行うことをお勧めします。
がんという病気に占める遺伝の割合はたった1%に過ぎす、大半はウイルス感染や生活習慣が原因です。つまり「遺伝によるがん」は稀であり、大半のがんは気をつければ予防できることを知り、無用に遺伝を気にしないで下さい。ただし純粋に加齢に伴う発がん確率の増加の予防はさすがに困難です。国立がん予防・検診センターが掲げる根拠のある8つの予防法とは、1 禁煙、2 過度の飲酒を避ける、3 野菜と果物をしっかり摂る、4 塩分を控える、5 適度な運動、6 肥満を避ける、7 熱い食べ物を避ける 8 肝炎ウイルスの予防・治療です。「私はがん家系だから」と悩む前に、がんの大半は日々の「養生」の積み重ねで予防できることを知ってください。一方、本当にがん家系が疑われる人は、働き盛りのうちは定期的にがん検診を受けて、早期発見・早期治療を心がけてください。遺伝性のがんも生活習慣によるがんも、治療法は同じです。
キーワード がん抑制遺伝子
がんの発生を抑制する働きを持つタンパク質(がん抑制タンパク質)をコードする遺伝子で約30種類が知られている。P53、BRCA1、RB遺伝子などが有名である。
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この記事へのコメント
遺伝外来、遺伝子カウンセラー、なる言葉を初めて知りました。
そんなにまでして生きなければ、と思うのか。
そこまで ”生” を追及して、果たしてそれだけ実のある日々を生きているのだろうか。
足元の藻には無頓着で、虚構でしかないかも知れない未来に執着しているのか?
我が身可愛さ、ばかりを追求しても、廃れた世の中の行く末に思い及ばなければ、
泥道、泥沼、泥縄でしかないと思う。
Posted by もも at 2015年09月29日 11:03 | 返信
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