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集団的個別指導

2015年10月30日(金)

病院や診療所の保険医療機関は厚労省の管轄下で保険料と税金で医業を営む。
それは保険者との契約であり、そこには細かくて厳しい規則に縛られている。
昨日は集団的個別指導の呼び出しを受けたので1時間半の講習を受けに行った。

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集団的個別指導を受けた。
1時間半の講義。

高点数=悪ではなく、保険診療を見直す場にしたい、と冒頭に役員さんが述べられた。
しかしそれがなんとなく怖い、怖すぎる。

上位8%に入ると集団的個別指導の対象。
しかし受講すると翌年、翌々年は集団的個別指導の対象から免除される。

ただし翌年に4%以内に入れば個別指導になる、と言われた。

やっぱり、高点数=悪じゃないかと思うが、質問は禁止。
耳を澄まして聞いたが実にいいお話だった。

上位8%の3年毎だから、全医療機関の24%(8x3)、つまり4分の1の
医療機関は3年に1回、この講習会を受けないといけない。

もし出席しなければ、保険医停止となるので、運転免許の更新と似ている。
しかし200~300人の受講者はまるで受刑者のように誰も言葉を交わさない。

知っている人ばかり。
医師会の偉いさんもお構い無しに呼び出されているので公平そのもの。

このなんとも言えない雰囲気は、交通違反で3ケ月免停を食らったが、
講習を受ければ1週間に短縮してあげます、という講習会場に似ている。


医師は医師法、健康保険法など300件もの法律に関わっている。
なんて恥ずかしながら、今日、知った。

医者は自ら宣言して保険医になる、という。
現在、診療行為はガラス張り。

今の世の中、悪いことをする医者はすぐにバレる。
個別指導に至るのは内部告発が多いとのこと。

集団的個別指導=機械的に選定される義務のようなもの。
しかし、個別指導=犯罪捜査のような取り調べ。

両者は似ているようで、天と地くらい違う。
集団的個別指導はなんともないが、個別指導は絶対に避けたい。


一方、医療現場は毎日、杓子定規に割り切れないことばかり。
患者さんの懇願に折れたら、あとでそれが仇となって帰って来る非情な世界。

冷たい町医者はいただけない。
しかし、なんでもウンウンの町医者も下手をすれば保険医停止をくらう。

とかくこの世は診療しにくい。
しかしそれが国民皆保険性に従い護る保険医の義務。

1時間半の講義は拷問かもしれない。
しかし私はそう思わなかった。

いちいち書かないが新しい発見がいっぱいあった。
一番後ろの席だったが、講師の先生の善意の心の中が見えた気がした。

我が診療所に足りないところ、見直すべきところがいくつか見えた。
さっそくクリニック職員たちに講習内容を伝授して、いろんな指示を出した。


今日の召集令状のため、全ての予定をキャンセルした。
それは仕方がない。

その犠牲以上の収穫があった。
国民皆保険制度を死守したい、という気になった。


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この記事へのコメント

ごくろうさまです

Posted by 尾崎 友宏 at 2015年10月31日 01:13 | 返信

「高得点」とか「上位4%」とか「8%」とか、意味が分かりません。
分からなくても、なんとなく推察できますけどね。
保険診療は、複雑そうですね。

Posted by 匿名 at 2015年10月31日 05:54 | 返信

集団的個別指導 ・・・・・・ を読んで


私は、“国民皆保険制度”が、とても有難い
素晴らしい制度と思っていて、例の “TPP”
交渉の行方と効果で、 “国民皆保険制度” が
棄損されることを心配していました。


そんな折、今回のブログで、長尾先生が “国民
皆保険制度を死守したい、という気になった”
と書かれているのを拝見して、国内的にも “国
民皆保険制度” が危機に瀕していることを初めて
知りました。


“国民皆保険制度” の死守方、 ・・・・・・ よろしく
お願いいたします。

Posted by 小林 文夫 at 2015年10月31日 08:08 | 返信

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