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がん専門医とかかりつけ医の併診
2015年11月18日(水)
産経新聞・がんの基礎知識シリーズ第12回 病院と開業医の併診
がん専門医とかかりつけ医
インフルエンザの予防接種の季節になりました。今年のワクチンは例年と少し異なるため自己負担が値上がりしたところが多いようです。しかし高齢者やがんなどの糖尿病をお持ちの方はそろそろ打たれた方がいいでしょう。
さて今日は、がん専門医とかかりつけ医の関係についてお話しましょう。がん専門病院で手術や抗がん剤や放射線などのがん医療を受けておられる方が沢山おられます。がん治療中の方が風邪を引いた時にどうされていますか?あるいは抗がん剤の副作用でご飯が食べられなくなった時にがん専門病院を受診されますか?できれば、近くのかかりつけ医に対応してもらった方が便利なことが多いです。別の医者にかかると「浮気した」と思われるのを嫌い遠くの病院までタクシーや救急車で行かれる方がよくおられますが、合理的ではありません。風邪や食欲不振ならば、近くのかかりつけ医にお願いしましょう。またワクチンの接種や要介護意見書の依頼も同様です。病院と開業医の併診は問題ありません。
がん専門医とかかりつけ医は患者さんが想像する以上に普段から情報交換をしています。大きな病院と開業医の合同勉強会が随時開催されて相互理解を深めています。心臓病や肝臓病や糖尿病では、「連携パス」という共通の連絡帳を用いて情報を共有しようというシステムが年々盛んになっています。あるいはインターネットを用いた連携もあちこちで進められています。がんに関しても「がん連携パス」というものがあります。経口抗がん剤を服用中の患者さんの副作用チェックを近所の診療所で行う、というケースが年々増えています。大病院は手術や診療などで多忙です。もし軽微な症状と思われるのであれば、まずは近くの「かかりつけ医」で診てもらった方がお得だと思います。
一方、がん療養中の方が痛みに悩まされる場合があります。開業医にはモルヒネの知識など無いだろうと思っている方が多いようですが、国の指導もありがん診療に携わる開業医には緩和医療に関する重厚な講習会が定期的に開催されています。がんの痛みは日々刻々、変化するものです。大病院だと次回の受診日が1ケ月先なんてこともあります。そんな場合は、緩和医療に熱心な近くのかかりつけ医を受診して下さい。よく分からない場合は、かかりつけ医に直接、「先生はモルヒネの処方ができますか?」と聞いてみてください。モルヒネを処方するには麻薬処方の免許が必要です。持っている開業医と持っていない開業医がいて医者なら誰でも処方できる訳ではありません。がんの痛みは我慢してはいけません。またがんの痛みかどうか分らない時もかかりつけ医にまず相談してください。さらに、かなり状態が悪い人なら、往診もしてくれる近所の開業医をかかりつけ医にしておいたほうが便利な時でしょう。
よく「どうすればいいかかりつけ医が見つかるのか?」という質問を頂きます。まずは家から近いことです。そして「かかりつけ医になってくれますか?」「痛みの治療もしてもらえますか?」と直接聞いて下さい。その医師と相性が合うと思うなら、その瞬間からあなたのかかりつけ医です。かかりつけ医はがん治療の主治医と同様に貴方が選ぶものです。
キーワード 緩和医療
痛みには4種類ある。肉体的痛み、精神的痛み、社会的痛み、そして魂の痛み(スピリチュアルペイン)。これらをまとめてトータルペインと呼ばれるが、薬剤や薬剤以外の方法で和らげる医療をいう。
がん専門医とかかりつけ医
インフルエンザの予防接種の季節になりました。今年のワクチンは例年と少し異なるため自己負担が値上がりしたところが多いようです。しかし高齢者やがんなどの糖尿病をお持ちの方はそろそろ打たれた方がいいでしょう。
さて今日は、がん専門医とかかりつけ医の関係についてお話しましょう。がん専門病院で手術や抗がん剤や放射線などのがん医療を受けておられる方が沢山おられます。がん治療中の方が風邪を引いた時にどうされていますか?あるいは抗がん剤の副作用でご飯が食べられなくなった時にがん専門病院を受診されますか?できれば、近くのかかりつけ医に対応してもらった方が便利なことが多いです。別の医者にかかると「浮気した」と思われるのを嫌い遠くの病院までタクシーや救急車で行かれる方がよくおられますが、合理的ではありません。風邪や食欲不振ならば、近くのかかりつけ医にお願いしましょう。またワクチンの接種や要介護意見書の依頼も同様です。病院と開業医の併診は問題ありません。
がん専門医とかかりつけ医は患者さんが想像する以上に普段から情報交換をしています。大きな病院と開業医の合同勉強会が随時開催されて相互理解を深めています。心臓病や肝臓病や糖尿病では、「連携パス」という共通の連絡帳を用いて情報を共有しようというシステムが年々盛んになっています。あるいはインターネットを用いた連携もあちこちで進められています。がんに関しても「がん連携パス」というものがあります。経口抗がん剤を服用中の患者さんの副作用チェックを近所の診療所で行う、というケースが年々増えています。大病院は手術や診療などで多忙です。もし軽微な症状と思われるのであれば、まずは近くの「かかりつけ医」で診てもらった方がお得だと思います。
一方、がん療養中の方が痛みに悩まされる場合があります。開業医にはモルヒネの知識など無いだろうと思っている方が多いようですが、国の指導もありがん診療に携わる開業医には緩和医療に関する重厚な講習会が定期的に開催されています。がんの痛みは日々刻々、変化するものです。大病院だと次回の受診日が1ケ月先なんてこともあります。そんな場合は、緩和医療に熱心な近くのかかりつけ医を受診して下さい。よく分からない場合は、かかりつけ医に直接、「先生はモルヒネの処方ができますか?」と聞いてみてください。モルヒネを処方するには麻薬処方の免許が必要です。持っている開業医と持っていない開業医がいて医者なら誰でも処方できる訳ではありません。がんの痛みは我慢してはいけません。またがんの痛みかどうか分らない時もかかりつけ医にまず相談してください。さらに、かなり状態が悪い人なら、往診もしてくれる近所の開業医をかかりつけ医にしておいたほうが便利な時でしょう。
よく「どうすればいいかかりつけ医が見つかるのか?」という質問を頂きます。まずは家から近いことです。そして「かかりつけ医になってくれますか?」「痛みの治療もしてもらえますか?」と直接聞いて下さい。その医師と相性が合うと思うなら、その瞬間からあなたのかかりつけ医です。かかりつけ医はがん治療の主治医と同様に貴方が選ぶものです。
キーワード 緩和医療
痛みには4種類ある。肉体的痛み、精神的痛み、社会的痛み、そして魂の痛み(スピリチュアルペイン)。これらをまとめてトータルペインと呼ばれるが、薬剤や薬剤以外の方法で和らげる医療をいう。
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この記事へのコメント
先日主任ケアマネ研修を受けていて、先生の『平穏死10の条件』がテキストに参考資料として記載がありました。研修の2日め、ターミナルケアの講義でした。 その講義の中でも、がんの治療の病院とは別に かかりつけ医を早い段階から選ぼう、と言うことをおっしゃっていました。これまでは、かかりつけ医に移行する段階=もう治療がない、と言うイメージを持たれていた利用者さまも納得されていました。早い段階から かかりつけ医との信頼関係を構築する時間を持てたことは とても良かったと思います。
Posted by 植田典子 at 2015年11月18日 11:54 | 返信
長尾先生のおっしゃる通り 併診できると 本当に いいと思います
残念ながら
私の住んでるこの地域では なかなか 併診が進みません
がん専門医というのか…
某総合病院は なかなか かかりつけ医と連携していこうという体制が整いません
患者さんの 意思決定の支援が あまりにも極端な選択で 主治医は 一人という風潮が 医師自身にも拭えません
悲しくなってしまいます
Posted by 訪問看護師 宮ちゃん at 2015年11月19日 12:38 | 返信
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