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「枯れる」が穏やかな最期の条件

2015年12月19日(土)

ちょっと早いが、深夜にワインをコップで飲みながら今年を振り返っている。
猿回しの猿のように行ったり来たりだけ、さしたる進歩も無かった1年。
また一つ歳を取っただけだが、元気で生きていること自体が不思議だ。
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生来、アホの気真面目が、50後半になっても真面目にやっている。
凄いな~、なんて自分をおちょくっている。

産経新聞のがんの基礎知識シリーズは第16回でとりあえず終了。
8回か16回と決めている。

毎回、毎回、思いついたことを書いているだけなので話題は
あっちへ行ったり、こっちへ行ったりでチグハグである。

最終回(12月15日)は、「枯れる」ことで締めた、つもり。→こちら
自分自身も年々枯れている。

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産経新聞・がんの基礎知識シリーズ第16回  緩和医療の恩恵
                      「枯れる」ことが穏やかな最期の条件
 
 がんの基礎知識シリーズも最終回。今日は、がんで徐々に衰弱して残念ながら最期が近いと誰もが感じる時の話をします。どんな人でもイザ終わりが迫ると気力が衰えます。たとえ本人が死を悟っていても、家族は諦めすに大慌てで必死に生き延びる道を模索します。最期の最期まで、ありとあらゆる延命治療や代替医療を試みる人がほとんどです。その結果、管だらけになって死んでゆくのですが、後悔は終わってからするもの。私はこの3年間、誰もが願う“穏やかな最期”に関する活動を行ってきました。今年は12冊の書籍が世に出ましたが、ほとんどが“穏やかな最期”に関連した内容です。しかし大きな病院では管だらけになって最期を迎える人がほとんどで多くの医療者はそれに疑問を持ちません。

 そんな中、今年のトピックスは「老衰」に光が当たったことです。これだけ長生きする時代なのに老衰とは?と疑問に思う人もいるでしょうが、現代医学は老衰を否定してきました。研究もほとんどありません。私も若いころ先輩に、「死亡診断書に老衰と書いてはいけない」と教わりました。しかしこの世に、老衰としか呼べない最期は確かに存在します。今の私が書く死亡診断書の半分は、「老衰」です。一昔前は、老衰と書くと怒る家族がいましたが、今はそんな家族はいません。老衰死は大往生、平穏死、尊厳死と同じ意味でイメージが変わりました。そんな時代になってきましたが、絶対に老衰と書かない大きな病院の医師もまだいます。

 さて、老衰とはどんな最期でしょうか。私はひとことで言うと「枯れる」ことだと思っています。そして「枯れる」というキーワードは、なにも老衰に限らすがんの最期にも共通する姿なのです。がんの最期にはいろんなことが起こり得ます。誰でも徐々に食が細り痩せてきます。女優の川島なお美さんの亡くなる3週間前の笑顔のインタビュー姿を思い出して下さい。あの枯れた姿を見た時に、医者の行動は2つに分かれます。「食べられないと体力が無くなるので点滴だ、それも高カロリー輸液でないとダメだ」という医師。反対に「自然に任せよう。緩和医療はしっかりやりながら、枯れる姿を静かに見守ろう」という医師。実は、両者は正反対を向いているので結果も正反対になります。管だらけの苦しい最期か、管が一本も無い苦しまない最期。

 貧血への対応も同様です。輸血をするとまた出血して貧血になります。血圧の低下、尿量の低下も同様。変化に対処すればするほど苦痛を増大させて命を縮めるのですが、どこからそうなるのかが明確に線引きができないという理由で、日本の終末期医療の議論は停滞しています。いずれにせよ、がんで枯れていく過程には麻薬等による緩和医療が不可欠です。そして体の痛みだけでなく心の痛み、魂の痛みに寄り添ってくれるのは看護師さんです。平穏死には、枯れることと緩和医療が両輪であることを忘れないでください。最近書いた医学書「犯人は私だった!」(日本医事新報社)や看護学書「高齢者の望む平穏死を支える医療と看護」(メデイカ出版)は、一般のみなさまにもお勧めです。次回からまた認知症の話です。インフルのワクチン接種希望の方はそろそろ済ませてください。
 
 
キーワード 緩和医療
がんやエイズ、そして最近ではすべての病気に伴う苦痛を和らげる医療が発展し注目されている。痛みは身体的、肉体的、社会的、そして魂の痛みの4つに分けて論じられるがこれらを合わせてトータルペインと呼ぶ。

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この記事へのコメント

「枯れる」が穏やかな最期の条件 ・・・・・・ を読んで


俗に言う“スパゲティ症候群”:輸液ルート、同尿バルン、
気道チューブ、動脈ライン、サチュレーションモニタ等など、
身体中にチューブやセンサーが取りつけられた状態から復活
(回復)出来る人は何%位いいるのでしょうか?

復活(回復)出来る人が、5%以下、殆どいないのであれば、
これらの処置は“延命治療”と呼ぶべきなのでしょうか?
 
“治療”と名がつくと、一般の我々はどうしても回復して、
退院して行けることを想像(期待)してしまいます。

“スパゲティ症候群”から回復して行ける人が殆どいない
のが現実であれば・・・・・・、それらの処置は医療関係者や
周囲の家族の自己満足でしかないと思います。


いたずらに死期を延ばすだけで回復を望めない処置であるな
らば ・・・・・ それを“(延命)治療”と呼ぶことを止めた方が
良いと私は思っています。


どうなのでしょう!? 医療関係者の皆さん、“スパゲティ症
候群”から回復して行かれる患者さんの比率はどの程度なので
しょうか?

実態(実情)を教えて戴ければ、ありがたいと思います。 
よろしくお願いいたします。

Posted by 小林 文夫 at 2015年12月19日 09:14 | 返信

枯れるように…って
在宅看取りを経験していない医療人は わかりません

私も わからない一人でした

最期は 病院で モニターをつけて 酸素をつけて 点滴して…
それが 当たり前のことだと何も疑わずにいた

在宅看護に携わり
長尾先生の書物を読みあさり…

自然が一番ということがわかります

みんな!!
なんでわからんのだぁ〜と大声で叫びたいです

Posted by 訪問看護師 宮ちゃん at 2015年12月20日 11:50 | 返信

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