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入浴死に注意
2016年01月09日(土)
この年末年始、入浴死に関する話を直接・関接合わせて数件耳にした。
考えようによってはピンピンコロリではあるが家族には悔いが残ることも。
特に警察が入り、検死や事情聴取となった場合は、トラウマになり得る。
考えようによってはピンピンコロリではあるが家族には悔いが残ることも。
特に警察が入り、検死や事情聴取となった場合は、トラウマになり得る。
2000日連続で1日も休まずに朝日新聞の記事を書くという修行を終えた今年は、
朝日新聞さんには、2週間毎に記事を提供することに決めた。(隔週土曜日)
今年の一発目は、入浴死について書いた。
朝日新聞の記事はここで読める。 → こちら
引き続きよろしくお願いします。
ちなみに、産経新聞の朝刊にも6年間、毎週書いている。(毎週火曜日)
こちらもよろしくお願いします。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
「入浴死」に注意
今年の年末年始は昨年とは違い暖冬でした。
楽しいお正月を過されたかと思います。
しかし在宅医療に従事する町医者や訪問看護師には休みは全くありませんでした。
むしろ普段よりずっと忙しく大晦日も元旦も看取りや緊急往診に明け暮れていました。
年末年始は、どの患者さんも普段とは違うことをする分、急変が多かったようです。
今年はお餅を喉に詰めた人はいませんでした。
しかし入浴中の事故が目立ちました。
入浴死や溺れかけなど浴室内での急変が連日絶えません。
温度差が大きいと血圧の変動も大きくなり、致死性の不整脈が生じやすくなるのです。
ある程度衰弱した人で死期が近いと判断されていた人なら、楽な最期という考え方も
あるかもしれませんが、発見が遅れた家族は大きな後悔を抱えることもあり複雑です。
浴槽内に浮いていた“おひとりさま“の家の前にパトカーが並んだ話を2、3聞きました。
警察による“検死”が行われ、“死体検案書”が発行されたそうです。
その場合、発見した家族やお隣さんも“事情聴取”となり、大騒ぎになります。
せっかくのお正月なのに、それでショックを受けたという話も耳に入りました。
もし、かかりつけの在宅医がいる場合は、浴室内で急変された場合、電話で連絡をすれば
医師か訪問看護師が駆けつけることになっています。
主治医が事件性が無く自然死であると判断した場合、死亡診断書を書きます。
明らかに亡くなっている場合は慌てて救急車を呼ばず主治医に電話することがポイントです。
死後数時間が経過してすでに死後硬直がきている場合でも、主治医が事件性が無いと
判断すれば“死亡診断書”を書くことができますし、私はいつもそうしています。
11月28日に近畿地方の在宅医療関係者が新神戸オリエンタルホテルで演劇をしました。
「ピンピンコロリなんか、無理って知っとう!?」という80分間の芝居です。
短縮版とノーカット版がありますが、時間がある時に是非一度は観ておいてください。
① 全編 1時間23分
https://youtu.be/f37TOwt-2YM
② 短縮版 26分
https://youtu.be/AqaGrqQc9_A
印刷用ページ(QRコードあり)は
http://www.drnagao.com/img/zaitakuYouTube_URL.pdf
実はこの演劇と全く同じことが翌日に起こり家族が救急車を呼び警察が入り、“事件”になりました。
また、この年末年始も同じことが起きましたが、家族はこのビデオを観ていたので私が呼ばれました。
私の耳に入っただけでも、数件の入浴中のトラブルがあったので世の中全体では
きっと多くの人が入浴中にトラブルがあったのではないかと想像しています。
65年間もお風呂屋さんの番台に座っている人に年末年始の様子を聞いてみましたが、
やはりこの数年、年末年始は、急変して救急搬送される人が多いそうです。
というのも、公衆浴場に足を運ぶ人たちがかなり高齢化しているそうです。
杖をついてヨチヨチ歩きなのに、年末年始だからと一生懸命に風呂に入るために来られる。
本来なら誰かが付き添うとか、訪問入浴となるはずの人でもそれを拒否される高齢者もいると。
医者にもかからず、介護保険のお世話にも絶対にならない、という強い意思の持ち主が多いと。
年末年始は特に念入りに長湯をした結果、のぼせて倒れる人も多いそうです。
また普段公衆浴場に来ない一見さんが現れて倒れるのも年末年始の特徴です。
中には浴槽内で亡くなる人もいるそうで、なんとも言えない話をいくつか聞きました。
立派といえば立派かもしれませんが、やはり少し可哀そうな気もしました。
介護保険のお世話にならずに頑張っている人のためにもし「公的ヘルパー」のような人
がいて、公衆浴場を巡回したならば、いい保健指導ができるだろうな、とも思いました。
いずれにせよ、冬の入浴は命がけです。
“入浴死”とならぬよう、“警察のお世話”にならぬようくれぐれも気をつけてください。
そしてご家族は、万一、衰弱した人がお風呂場ですでに事切れていた場合は、まずは
かかりつけ医や在宅医に連絡し、指示を仰いだほうがいいことを覚えておいてください。
また上記のQRコードを知り会いに拡散して頂ければ、警察や消防やお坊さんの格好で
熱演して頂いた現役バリバリの在宅医や訪問看護師の努力も報われることと思います。
新年そうそう物騒な話題で恐縮ですが、町医者の立場から1~2週間毎に発信する予定です。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
朝日新聞さんには、2週間毎に記事を提供することに決めた。(隔週土曜日)
今年の一発目は、入浴死について書いた。
朝日新聞の記事はここで読める。 → こちら
引き続きよろしくお願いします。
ちなみに、産経新聞の朝刊にも6年間、毎週書いている。(毎週火曜日)
こちらもよろしくお願いします。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
「入浴死」に注意
今年の年末年始は昨年とは違い暖冬でした。
楽しいお正月を過されたかと思います。
しかし在宅医療に従事する町医者や訪問看護師には休みは全くありませんでした。
むしろ普段よりずっと忙しく大晦日も元旦も看取りや緊急往診に明け暮れていました。
年末年始は、どの患者さんも普段とは違うことをする分、急変が多かったようです。
今年はお餅を喉に詰めた人はいませんでした。
しかし入浴中の事故が目立ちました。
入浴死や溺れかけなど浴室内での急変が連日絶えません。
温度差が大きいと血圧の変動も大きくなり、致死性の不整脈が生じやすくなるのです。
ある程度衰弱した人で死期が近いと判断されていた人なら、楽な最期という考え方も
あるかもしれませんが、発見が遅れた家族は大きな後悔を抱えることもあり複雑です。
浴槽内に浮いていた“おひとりさま“の家の前にパトカーが並んだ話を2、3聞きました。
警察による“検死”が行われ、“死体検案書”が発行されたそうです。
その場合、発見した家族やお隣さんも“事情聴取”となり、大騒ぎになります。
せっかくのお正月なのに、それでショックを受けたという話も耳に入りました。
もし、かかりつけの在宅医がいる場合は、浴室内で急変された場合、電話で連絡をすれば
医師か訪問看護師が駆けつけることになっています。
主治医が事件性が無く自然死であると判断した場合、死亡診断書を書きます。
明らかに亡くなっている場合は慌てて救急車を呼ばず主治医に電話することがポイントです。
死後数時間が経過してすでに死後硬直がきている場合でも、主治医が事件性が無いと
判断すれば“死亡診断書”を書くことができますし、私はいつもそうしています。
11月28日に近畿地方の在宅医療関係者が新神戸オリエンタルホテルで演劇をしました。
「ピンピンコロリなんか、無理って知っとう!?」という80分間の芝居です。
短縮版とノーカット版がありますが、時間がある時に是非一度は観ておいてください。
① 全編 1時間23分
https://youtu.be/f37TOwt-2YM
② 短縮版 26分
https://youtu.be/AqaGrqQc9_A
印刷用ページ(QRコードあり)は
http://www.drnagao.com/img/zaitakuYouTube_URL.pdf
実はこの演劇と全く同じことが翌日に起こり家族が救急車を呼び警察が入り、“事件”になりました。
また、この年末年始も同じことが起きましたが、家族はこのビデオを観ていたので私が呼ばれました。
私の耳に入っただけでも、数件の入浴中のトラブルがあったので世の中全体では
きっと多くの人が入浴中にトラブルがあったのではないかと想像しています。
65年間もお風呂屋さんの番台に座っている人に年末年始の様子を聞いてみましたが、
やはりこの数年、年末年始は、急変して救急搬送される人が多いそうです。
というのも、公衆浴場に足を運ぶ人たちがかなり高齢化しているそうです。
杖をついてヨチヨチ歩きなのに、年末年始だからと一生懸命に風呂に入るために来られる。
本来なら誰かが付き添うとか、訪問入浴となるはずの人でもそれを拒否される高齢者もいると。
医者にもかからず、介護保険のお世話にも絶対にならない、という強い意思の持ち主が多いと。
年末年始は特に念入りに長湯をした結果、のぼせて倒れる人も多いそうです。
また普段公衆浴場に来ない一見さんが現れて倒れるのも年末年始の特徴です。
中には浴槽内で亡くなる人もいるそうで、なんとも言えない話をいくつか聞きました。
立派といえば立派かもしれませんが、やはり少し可哀そうな気もしました。
介護保険のお世話にならずに頑張っている人のためにもし「公的ヘルパー」のような人
がいて、公衆浴場を巡回したならば、いい保健指導ができるだろうな、とも思いました。
いずれにせよ、冬の入浴は命がけです。
“入浴死”とならぬよう、“警察のお世話”にならぬようくれぐれも気をつけてください。
そしてご家族は、万一、衰弱した人がお風呂場ですでに事切れていた場合は、まずは
かかりつけ医や在宅医に連絡し、指示を仰いだほうがいいことを覚えておいてください。
また上記のQRコードを知り会いに拡散して頂ければ、警察や消防やお坊さんの格好で
熱演して頂いた現役バリバリの在宅医や訪問看護師の努力も報われることと思います。
新年そうそう物騒な話題で恐縮ですが、町医者の立場から1~2週間毎に発信する予定です。
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この記事へのコメント
入浴死に注意 ・・・・・・・ を読んで
昨年の交通事故死者が全国で4117名、その4倍以上
もの人が入浴時に心肺停止していることを考えると、
入浴時の危険性と注意事項の啓蒙はもっとなされて
良いと思います。
お風呂だけではなく、階段やトイレはもちろん、居間
のジュータンやカーペットのヘリの盛り上がりに足を
取られて 転倒 → 骨折 → 入院 → 寝たきり or 認知
症発症といった事故も思った以上に多いと聞いたこと
を思い出しています。
お風呂やトイレでは、温度差や血圧の大きな変動が要因
となることが多いので、暖房など温度管理が重要、階段
や居間の ジュータン ・ カーペットなどの対策としては、
手摺をつけたり、凸 凹 を減らすバリアフリー対策を進め
ることが推奨されますが、日野原先生は“バリアアリー
(バリア在り)”の健康法をあちこちで展開されています。
日野原先生の主張は、家の中をいくらバリアフリーに
しても、一歩外に出ればバリアだらけの世の中なので、
バリアに対する耐性をつける意味でも、そしてバリア
を越えて行くことで足腰の筋力が日頃から鍛えらること
も大切なので、バリアフリーには反対! との立ち位置
のようです。
安全に快適に日々を過ごすために、私たちは何が出来、
何をすべきなんでしょう?
情報発信する人によって推奨される事柄は一定ではなく、
混乱することがあります。
いよいよ明日〔1/10【日】〕に迫った“(西宮)かいご
楽快”。
健康寿命を延ばす方法、様々な危険を回避する方法、地域
での助け合い〔地域包括ケア〕の方法や在宅医療・在宅介護
の正しい? 受け方 等など、実践的で明日から実行出来る
ような話が沢山聞けることを期待したいと思います。
長尾先生のびっくりワンマンショーも楽しみです。
Posted by 小林 文夫 at 2016年01月09日 08:54 | 返信
日本人には、お風呂文化がありますから、一言では片付けられない "一長一短" があると思います。
「お風呂で死ねたら本望」と思う人も居るような気もします。けれども「デイサービスや介護施設での
入浴は嫌い」という人も割合に多かったりもします。
また逆の立場である介助者側にしてみれば、それもまた命掛けであったりする訳で、お風呂問題も
語り合えば、かなり奥の深い問題がたくさんあると思います。施設内業務としての入浴介助であっても
介助者がのぼせたような状態に陥りながら、水分補給もままならず、その上に力仕事のような場合も
あったりするので、お風呂問題もオープンに語り合う必要性があるかも知れません。
Posted by もも at 2016年01月09日 08:24 | 返信
お風呂で亡くなるの多いのですね。そう言えば、何人も知っています。ご自分のお父様がお風呂で亡くなられたので、高気密・高断熱で温度差のない家をと願って、そのような家を考えて造っている工務店の社長さんの本を読みました。うちもそこにお願いしたので、温度差は殆どありません。
来週の日曜日、新宿で、先生の抗認知症薬の講演があるのですね。うちの母も、??と思うことが増えてきたので、本を買って、講演を聞いて参考にさせていただきたいです。予約が取れたので、拝聴させていただきます。よろしくお願いいたします。
Posted by 井上典子(貴美子) at 2016年01月10日 05:02 | 返信
風呂などに入れなければ生き延びたのにとトラウマになる遺族がおかしいと思うのは、おかしいのでしょうか?
Posted by 中島一人 at 2016年01月11日 12:12 | 返信
先週末、うちのケアマネが、お一人暮らしの利用者さま宅に訪問したら、鍵が開かない…
業者にドアをこじ開けたら 浴槽で亡くなっていました。
救急車を呼んだ。病院へ運んでくれなかった。警察が来た。
その前日に、ケアマネと同行訪問してたんですよね。
在宅医に繋げたかった。繋がっていれば、警察沙汰にならなかったのに…悔やまれます。
第一発見者のうちのケアマネは夕方まで、帰ってこれなかった。
この亡くなり方は 遺されたものは辛いです
Posted by 宮ちゃん at 2021年02月07日 06:08 | 返信
先週末、うちのケアマネが、お一人暮らしの利用者さま宅に訪問したら、鍵が開かない…
業者にドアをこじ開けたら 浴槽で亡くなっていました。
救急車を呼んだ。病院へ運んでくれなかった。警察が来た。
その前日に、ケアマネと同行訪問してたんですよね。
在宅医に繋げたかった。繋がっていれば、警察沙汰にならなかったのに…悔やまれます。
第一発見者のうちのケアマネは夕方まで、帰ってこれなかった。
この亡くなり方は 遺されたものは辛いです
Posted by 宮ちゃん at 2021年02月07日 09:01 | 返信
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