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日本緩和医療学会に将来はあるのか?

2016年03月05日(土)

私は常々「日本緩和医療学会に将来はあるのか?」と思っている。
私の目指す方向性と学会が目指す方向性があまりにも違うからだ。
そんな中、私が世話人を拝命している勉強会で理事長先生の講演があった。
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理事長は、細川豊史先生という。

京都府立医大の緩和ケア科の教授で
日本緩和医療学会理事長と
日本ペインクリニック学会の代表理事である。

私は末端の町医者なのでそんな肩書きなどどうでもいいのだが、緩和医療に
従事する端くれなので、我がリーダーがどんな人か講演を聴きにいった。

・持続性のフェンタニル系は、血中濃度の個人差が大きいこと。

・慢性疼痛への、即効性のフェンタニル製剤は依存性を造り易い。
 特に、がんの痛み痛み以外の、がん治療に由来する痛みや
 腰痛などがんと関連しない痛みに安易に投与してはいけないことなど
 を大変分かりやすく警鐘を鳴らされた。

・日本は緩和ケア後進国である、といいうプロパガンダは間違っている。
 欧米のオピオイド依存性だらけの現状に比較すれば日本は一番まし。


要は、正しい緩和ケア技術の啓発を謳われたが、まったく同感であった。

懇親会では、緩和ケアに関する普段の疑問を全部ぶつけてみたが
丁寧に教えて頂き、とても気が合うように思った。(勝手な感想だが)

日本緩和ケア学会にはもう二度と行かないぞと、昨年の横浜の時に思った。
学会自体も辞めようかなあ、と思っていた。

しかし昨夜、細川先生の講演を聞いて少し気が変わった。

理事長先生がこれだけモノが分っている人であれば、学会を続けよう。
もう少し、ここでの勉強を続けてみようと、思い直した。

調子に乗って在宅緩和ケアにももう少し目を向けて欲しいことや、
多剤投与をなんとかして欲しいことなどもお願い申し上げた。

蛇足だが、先日のNHKの鎮静報道に関しても意見交換したが
私と同じような感性で俯瞰しておられることを知り少し安堵した。

この先生がおらる限り、日本緩和医療学会には将来がある、と思った。


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