このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com

患者申し出制度とは

2016年04月16日(土)

患者申し出療養制度という制度が4月から始まった。
しかし非常にわかりにくい。(わざとそうしているのか?
この複雑な制度は「治療格差」を生む可能性がある。
2つの応援
クリックお願いします!
   →   人気ブログランキングへ    →   にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ
 
 
混合診療とどこが違うのか?
患者さんにどう説明すればいいのか。

新しい制度は、広報が大切だ。
しかし国は、診療報酬改訂同様、広報しない。

だから様々な混乱が起きる。
理解できない医療・介護制度が多すぎる。

そろそろ皆保険制度も限界なのか。
そうであればそうと、広報するべきでは。

なんとなく、粛々と、よく分からない制度が増えるのが文明の宿命か。
ああ、もっと単純な世界で医療・介護ができればいいのに・・・

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@


患者申し出療養制度 保険診療と併用でスタート 費用・複雑な制度課題 「治
療格差」生じる懸念行政・政治 2016年4月6日 (水)配信毎日新聞社
 
 
患者申し出療養制度:保険診療と併用でスタート 費用・複雑な制度課題 「治
療格差」生じる懸念
 
 抗がん剤など国内では承認されていない薬を、保険診療と併せて受けられる
「患者申し出療養制度」が今月1日、始まった。厚生労働省は「患者の選択肢
が広がる」としているが、自由診療(保険適用外)の費用が1カ月100万円
を超える例もありそうだ。患者団体からは費用に加え「制度が複雑」との指摘
もあり、相談体制の充実が課題となっている。(News Word参照)
 
 患者申し出療養制度は、2013年に第2次安倍政権が設置した規制改革会
議の議論を経て生まれた。国内では未承認の薬、または承認済みの薬を別の病
気で試す「適応外使用」が迅速に行えるよう、保険外併用療養費制度(混合診
療)に新たに位置づけられた。
 
 混合診療は原則禁止されているが、保険適用を前提とする先進医療と同様、
例外として認められた。先進医療が医療機関の申し出を受け、国が一定の安全
性や有効性を審査するのに対し、患者申し出療養制度は患者自身が申し出の主
体となっている点が大きな違いだ。
 
 とはいえ、患者が十分な情報を得たうえで申し出ができるのかどうかは心も
とない。
 
 厚生労働省の患者向けのチラシによると、患者申し出療養として初めての治
療実施を望む場合、患者は、かかりつけ医などに相談する。その上で、国際水
準の臨床研究などを行う国立がん研究センター中央病院など、全国八つの臨床
研究中核病院などを通じて、国に未承認の薬や適応外の使用を申し出ることに
なっている。
 
 だが実際には、かかりつけ医に相談後、患者がすぐに臨床研究中核病院に申
し出をすることは想定しにくい。そこで大学病院などには、患者申し出療養制
度のための相談窓口が設けられる予定で、患者から相談を受けたかかりつけ医
は、大学病院などと連携し、保険外の治療がその患者に適しているかや、「治
験」が実施されているかなどの情報収集を行うとされる。
 
 しかし、全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長は「患者の話を聞きなが
ら、きちんと適切な機関につなげるかが重要」と指摘する。その上で「患者の
求めている治療に、科学的根拠がありそうかどうかは専門的な知識がないと判
断できない。相談窓口があるだけでは機能は果たせない」と話す。
 
 患者の負担については、先進医療と同様の課題を抱える。入院費など保険診
療の部分は1~3割の自己負担ですむが、自由診療の部分は全額自己負担。最
近海外で承認された抗がん剤の7割以上は月額100万円以上かかるといわれ
る。保険診療ですべてできれば、高額療養費制度が使えるので一定程度、上限
額を抑えられるが、自由診療だと患者負担は青天井になる。
 
 昨年9月、全がん連と日本難病・疾病団体協議会は共同アピールを発表。患
者申し出療養制度の導入で混合診療がさらに広がり、保険外負担が一般化され、
安全性と有効性が示された治療薬の薬事承認と保険適用が進まなくなることに
懸念を示した。保険適用が遅れるほど、患者や家族の経済力によって、受けら
れる治療に格差が生じる恐れがある。【有田浩子】


@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@



医療維新患者申出療養、かかりつけ医が成功のカギ厚労省の評価会議、制度設
計の詳細を議論レポート 2016年4月14日 (木)配信橋本佳子(m3.com編集長)
 
 
 厚生労働省の「患者申出療養評価会議」の第1回会議が4月14日に開催され、
座長には、聖路加国際病院院長の福井次矢氏、座長代理には国立成育医療研究
センター理事長の五十嵐隆氏がそれぞれ選任された(資料は、厚労省のホーム
ページ)。
 
 委員は、医学や薬学、生物統計、臨床研究などの専門家、患者代表など、計
18人で構成。患者から申出があった医療技術について、必要に応じて評価会議
の下に、主にがん等に関する技術評価を行う第1分科会、主に難病等に関する
技術評価を行う第2分科会をそれぞれ設置して検討する。
 
 第1回会議では、治験や「先進医療」など既存の制度との関係を整理したほ
か、委員から患者申出療養に対する要望や意見が出た。「患者申出療養評価会
議」での審査は、「患者申出」があってから原則6週間以内とされ、最低3カ月
程度かかる「先進医療」の審査よりもスピード感を持って進めることを狙うが、
その前段階、特に「患者申出」に至る「入口」までの時間についての懸念だ。
なお、14日時点で、同会議に「患者申出」があった事例はまだない。
 
 スムーズな「患者申出」につなげるカギの一つとなるのが、かかりつけ医の
役割。制度上、「かかりつけ医を含む患者に身近な医療機関においては、例え
ば、専門的内容の分かりやすい説明や、患者の症状等を踏まえた助言を行う」
こととされている。
 
 「かかりつけ医が本当に対応できるのか」との問いに対し、日本医師会常任
理事の石川正己氏は、患者申出療養に関する正確な情報を医師会として発信し
ていくと説明。厚労省に対しても、患者が迷わずに申請できるよう、説明書な
どをかかりつけ医で配布できるようにするなど、対応を求めた。「患者申出療
養評価会議」は次回は5月に開催予定。
 「患者の申出」が起点、国への申請も患者
 
 患者申出療養は、2016年度から新たに開始する制度。保険外併用療養費制度
を活用し、例えば治験の対象外の患者、国内未承認薬や国内承認の適応外薬な
どによる治療を希望する患者のニーズに応えるのが狙い(『患者申出療養、制
度設計が完了』を参照)。
 
 現行の「先進医療」と同様に、将来の保険収載を目指す点では同じだが、「先
進医療」とは異なり、「患者申出」を起点とするのが特徴。患者がかかりつけ
医などに相談、臨床研究中核病院、もしくは「患者申出療養」に対応する相談
窓口を持つ特定機能病院につなぎ、これらの病院もしくは患者の身近な医療機
関で、患者から申出があった医療技術を受けられるようにする仕組みだ。
 
 患者は、臨床研究中核病院の開設者の意見書(実施計画など)をはじめ、必
要な書類を揃え、国に対して申し出る。患者申出療養としては「新規」の場合
は、「患者申出療養評価会議」は申出を受け付けてから、原則6週間以内に実
施の可否を審査。「前例」がある場合には臨床研究中核病院が実施医療機関を
個別に審査し、迅速な実施につなげる。
 治験や先進医療との整理が必要
 
 制度の骨格は中医協で決定している。厚労省は、第1回会議で、(1)申出が
予想される技術、(2)実施医療機関の追加、(3)他制度との連携、(4)「実
施計画対象外」の考え方、(5)臨床研究以外で実施する場合、(6)その他―
―に分け、具体的な制度設計案を提示。昨年来、厚労省は臨床研究中核病院や
特定機能病院と話し合いの場を持っており、治験や「先進医療」など、既存の
制度との関係が分かりにくいとの声があったことから、「患者にとって、どの
程度が一番アクセスしやすいのか、という観点から整理した」(厚労省事務局)。
 
 全国がん患者団体連合会理事長の天野慎介氏は、「先進医療や拡大治験など
の除外基準に該当する患者が、この制度に大きな期待を持っていると聞いてい
る」と述べ、患者申出療養の運用の在り方などを確認。国立病院機構名古屋医
療センター院長の直江知樹氏、国立がん研究センター社会と健康研究センター
生命倫理研究室長の田代志門氏らも、治験や先進医療などとの関係を質問した。
 
 「他の既存の評価療養(先進医療A、Bなど)を利用できる場合には、その活
用を十分に考慮すべき」が基本。その前提で、厚労省は、「先進医療」につい
ては(1)先進医療として開始され、実施途中の場合、(2)既に先進医療が終
了している場合、治験については(3)治験を計画中の場合、(4)治験として
開始、実施途中である場合――という場合分けして、フローチャートなどで各
制度の関係を説明。
 
 例えば、(1)の場合、「まずは先進医療の申請医療機関等での実施を考慮
すべき」としたが、患者がそれ以外の身近な医療機関での実施を希望し、先進
医療の計画変更等でもなお対応ができない場合に、患者申出療養の対象になる。
 
 また治験実施中の場合、当該治験、あるいは人道的治験(拡大治験:治験の
参加基準に満たない患者に対して人道的見地から未承認薬等を提供する制度)
につなげることになる。人道的治験での実施が難しい場合でも、その理由によ
っては患者申出療養として実施する場合があり得る。そのほか、患者申出療養
を実施中に、治験が開始する場合は、「速やかな薬事承認を目指す必要から、
患者申出療養における新規患者の組み入れをいったん停止」するものの、「治
験の対象外」の患者については引き続き、患者申出療養の対象とする。
 患者が的確に相談できる「入口」重要
 
 「患者申出」の「入口」については、(1)治験も含め、先進的な医療に関
する情報を患者がいかに入手するか、(2)患者の第一の窓口となる、かかり
つけ医などがいかに対応するか、(3)患者やかかりつけ医からの相談を受け
付ける、臨床研究中核病院や特定機能病院における窓口をどのように充実する
か、(4)患者申出療養の実施計画をいかに迅速に立案するか――などが懸念
点となる。
 
 天野氏は、「そもそも申請できるかどうか悩んでいる患者は、どんな申請が
挙がっているのかを知りたいと考える」と述べ、今の治験は情報がバラバラで
あることから、患者申出療養では、分かりやすい情報提供をするよう要望。日
本難病・疾病団体協議会理事の原田久生氏は、「患者自身が正しい情報を持っ
て、相談窓口に行けるかが疑問」と指摘、相談の応需体制の充実を求めた。
 
 厚労省は、(1)については、同省のホームページで、臨床研究中核病院か
ら挙がってきた患者申出療養の実施医療機関、実績、エビデンスが不十分で実
施に至らなかった医療などについて掲載する方針。(3)の相談窓口について
は、特定機能病院における設置状況を、4月下旬までに報告を求めているほか、
臨床研究中核病院や特定機能病院が受けた相談例について、相互に情報共有す
るほか、「患者申出療養評価会議」に報告するとした。
 「実施計画作成に半年から1年」との意見も
 
 (4)に要する期間についての質問に、厚労省事務局は「エビデンスの収集、
患者の同意の確認、実施計画の作成、倫理委員会の審査などもあり、相当時間
がかかるだろう。しかし、具体的に何カ月になるかの相場観を持っているわけ
ではない。今後、事例を積み重ねて行く中で、ここで時間がかかるのであれば、
フィードバックし、改善していく」と説明。
 
 東京大学医学部附属病院臨床研究支援センターのセンター長の山崎力氏は、
「個人の意見」と断りつつ、「1日も早くという思いはあるが、どうしても時
間がかかるのが現状。半年から1年かかるというのが実感」と述べた。「相応
の時間がかかることは承知しているが、短縮できるところがあれば、少しでも
短縮してもらいたい」との天野氏の問いかけに、厚労省事務局は「モデルとな
るようなプロトコルがあれば、少しでも早く計画作成が可能になる」という視
点からその作成を進めていくと答えた。

2つのランキングに参加しています。両方クリックお願い致します。皆様の応援が日々ブログを書く原動力になっています。

お一人、一日一票有効です。

人気ブログランキングへ ← 応援クリックお願い致します!

(ブログランキング)

にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ ← こちらもぜひ応援クリックお願い致します!

(日本ブログ村)

※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

・・・・・
厚労省事務局は「モデルとな
るようなプロトコルがあれば、少しでも早く計画作成が可能になる」
・・・・・
闘病中にある金持ちの患者さんに「高いけれど、いい薬(治療)があります。患者申し出療養制度
モデルになって試してみませんか?」とサジェストして既成事実(ルート)を作ってみる..とかの
意味でしょうか。

Posted by もも at 2016年04月16日 11:10 | 返信

先進医療や混合診療を正確に把握している患者がどれだけいるのか?
医療の選択肢を患者側から申し出られることを、このような制度を制定した行政も含む医療者は「プロフェッショナル」をどう考える(た)のか?

Posted by 中島一人 at 2016年04月16日 01:43 | 返信

コメントする

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com


過去の日記一覧

ひとりも、死なせへん

安楽死特区

糖尿病と膵臓がん

病気の9割は歩くだけで治るPART2

男の孤独死

痛い在宅医

歩き方で人生が変わる

薬のやめどき

痛くない死に方

医者通いせずに90歳まで元気で生きる人の7つの習慣

認知症は歩くだけで良くなる

がんは人生を二度生きられる

親の老いを受け入れる

認知症の薬をやめると認知症がよくなる人がいるって本当ですか?

病気の9割は歩くだけで治る!

その医者のかかり方は損です

長尾先生、近藤誠理論のどこが間違っているのですか

家族よ、ボケと闘うな!

ばあちゃん、介護施設を間違えたらもっとボケるで!

抗がん剤 10の「やめどき」

「平穏死」10の条件

胃ろうという選択、しない選択

  • にほんブログ村 病気ブログ 医療・医者へ