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家に訪問できない在宅患者

2016年05月18日(水)

在宅患者さんといえば家に居る患者さんだと思っている人が多いだろう。
しかし現実には、在宅患者さんは様々なサービスで家に居ないことがある。
デイサービスだけでなく、ショートステイ、ロングショート、お泊まりデイなど。
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在宅患者さんの訪問日を決めるのに困ることが増えた。
・デイ
・ショート
・ロングショート
・お泊まりデイ
・小規模多機能・・・
などで、ほとんど家に居る時間が無い患者さんが増えた。


そして家に帰る時間帯でも
・5時半~6時に帰って来る人が多い。
早い人でも4時くらいか。

日本医師会は「午後から在宅」と銘打って、昼休みに在宅患者さんを
回ることを推奨しているが、現実には「夜から在宅」という人が多い。

曜日も、「月~金までオールデイ」という人も多く、訪問は
土日だけという人もいる。

一方、厚労省は、デイ先、ショート先などへの訪問を禁じている。
小規模多機能への訪問も1ケ月程度と聞いている。

在宅患者さんなので訪問診療が必要だが、訪問ができない人が急増していう。
それでいて、滞在先に訪問すると規則違反と言われる可能性があるという。

医療より介護側のほうが優先しているのが現実。
ケアマネが勝手に療養先を決める場合がある。

要介護5の患者さんを療養費用の観点から見ると
介護が35万円で医療は数万円なので、力関係から言うと数倍介護が強い。

ケアマネや介護に振り回される医療。
それを嫌がる医療者も多いのだが、市民も国も知らない。

ともあれ、「家に訪問できない在宅患者」が徐々に増えている。
そんな状況のなか、なにかあれば主治医に全責任がある。

在宅医療が医師の間に浸透しないのは、ある意味、当然かもしれない。

はっきり言うと、国は「医療と介護の連携!」と言うが、
国が、連携できない仕組みをどんどん増殖させているのだ。


厚労省は究極の縦割り。
本来、連携すべきは、制度を造る厚労省のほうが先ではないか。

国民は在宅に参加しない開業医が悪いという。
しかし在宅をしたくても、患者は居ない、制度が分からない、と告白する開業医もいる。

厚労省を管轄するのは政治家であるが、現場を知る政治家は少ない。
ここまでやっているのに、実に残念な政策である。







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この記事へのコメント

本当に難しい問題です

まさに今日も…
そうしたらいいの?っていう状態です
利用者さまは お一人暮しです
食事 入浴 交流を考えると ケアマネさんは 当然 ディサービスのプランを立てるでしょう
でも
座っている時間が長いことから仙骨部に深い褥創ができてしまいました
ディサービスに行かない日に 訪問診療と訪問看護が入っていますが
本日、定期訪問診療ではない日にちに訪問診療に伺いたいと医師から連絡があったが
ディサービスに行っているから予定が合わず…
ケアマネさんからは
「ディサービスに 往診に来て下さればいいのに…」と言われました
本当にその通りだと思います
結局 ディサービスを1日 お休みをして 訪問診療に来てくださる方法をとりました

昨年のお話ですが…
末期がんの方が ディサービスが好きだから 最期までディサービスに行きたいと…
「あんたたち(訪問看護師)は 死んだら ディに来てくれるか?」と言われました
なんせ 死亡確認ができないので 私たち訪問看護師ではどうにもできません
そこで この方の在宅医に相談したら
うちの訪問看護が行くなら 行くよと返答してくださいました

ぶっちゃけ 医療請求できないよね…と思いながら
事なき経て ご自宅で穏やかにお亡くなりになりました

やっぱり
何かあったら病院!
亡くなる場所は 病院でしょ!という考えが まだまだ 根強いですね

おかしな制度…
なんとかしたい
なんとしようよ
どこに訴えでたらいいでしょうか

Posted by 訪問看護師 宮ちゃん at 2016年05月18日 09:43 | 返信

分かる気がします。
営利活動が、介護者組織側の目先にあるので、お客様化した被介護者となっている現実でしょう。
本来の医療とは程遠いところで管理されている老人たち。
けれども彼らは、行政に護られて介護されている日常であると信じているのでしょう。
目先の日常を送ることに一喜一憂する高齢者。

Posted by もも at 2016年05月18日 10:15 | 返信

私の母は、10年前に、A神経内科で「あんたはアルツハイマーや!」と頭ごなしに診断されました。
その頃から、尿漏れ、足元のふらつき、少し記憶力減退があったので、「正常圧水頭症ではないかな」と思いましたけど、検索しても、東京地区の慈恵医大とか大病院しかなくて、10年近く経ってしまって、在るときケアマネジャー仲間から「西宮協立病院に正常圧水頭症の、よいお医者さんが居て、そこへ受診したお年寄りは皆手術して治って帰って来ている」とアドバイスしてもらいました。ちょっと「正常圧水頭症」に関して勉強したり検索しないうちに、情勢がガラッと変わっているので勉強不足を痛感しました。
でも母は西宮まで行くことや、知り合いにその病院に行った人がいないことから、躊躇しました。結局去年の春にやっと西宮協立病院に診て頂きました。母が自分の誕生日を言えた事と、その日の日付けを言えたことから、「Alzheimerでは無いわな」と仰って頂けました。でも「もう91歳だから、シャント手術をしても、症状は改善されないかもしれませんよ」と言われたので、母は「私はもう年寄りだから、もうすぐ死ぬから、MRI写真を撮ったり、手術をしたりするのは嫌だ」と言ったので、MRI写真の予約も取りやめました。半年前に他の脳神経外科で「心室頻脈があるから、気を付けなさい」と言われていたからです。
その後、正常圧水頭症の兆候は、ますますひどくなり、尿漏れや便秘もありましたし、トイレにも歩いて行けなくなりましたし、何か声も出せなくなって、食事の時も、お箸を持って口に運ぶのが困難になりました。食事時はスプーンやフォークも用意してそれで食べることができました。
一月27日に一人でいる時に、トイレに行こうとして、大動脈解離で亡くなりました。その後、横浜の「認知症治療研究会」でCBSやPSPS(進行性核上性麻痺症候群)のお話を聞いて、死ぬ間際の母の症状とそっくりだなあと思いました。進行性核上製麻痺症候群で検索しますと、背景に色々な病気があるらしいんですけど、正常圧水頭症や、ピック病もありました。母はアリセプトとメマリーを服用して、譫妄状態になりました。ピック病であったかどうかは不明ですけれど、理科系の人間ですので、女性としては変わった母親だなあとは思っていました(笑)。
母を看護して思うのは、正確な医療と介護を、受けることができたら良かったなあと思いました。
私がケアマネジャーとして働いたクリニックは、お兄さんが元絵描きで鍼灸師のケアマネジャーで、弟さんが信州大学卒で阪大大学院卒で、仲の良い兄弟だったので、医療と介護の狭間に問題があるとは思っても見ませんでした。母の晩年はケアマネジャーの研修会にも参加を怠けていますので、介護保険をめぐる状況にはさっぱりわかりません。ウラシマ太郎状態です。
間に合うかどうか分かりませんが、今年は頑張って勉強したいと思います。

Posted by 大谷佳子 at 2016年05月19日 12:19 | 返信

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