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糖尿病とがんの関係

2016年07月01日(金)

糖尿病があると、がんになり易いし、認知症になり易い。
昔は糖尿病は心筋梗塞や脳梗塞、腎不全になると言われてきた。
しかしこれからは、がんと認知症に注意
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これは私がいつも講演で言っていること。
しかし医師の間でもあまだ当たり前ではないようだ。

誕生日の夜、糖尿病とがんの関係に関する講演を2つ拝聴した。

糖尿病があるとがんになりやすい。
しかしその理由はよくわかっていない。
また糖尿病薬によるがんのリスクは現時点では、あるとは言えない。


以下、私のメモ。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

【糖尿病学会とがんの危険な関係】
by 国立がん研究センター中央病院 大橋健先生
 
糖尿病学会には「糖尿病とがんに関する委員会」が2013年にできた。
 
糖尿病は4人に1人
がんは2人に一人
 
共通のリスク因子
両方とも
男性に多い
加齢
遺伝子型
不節制がベースなど、共通因子が多すぎて因果関係分析は難しい。
 
●糖尿病の死因の変化
糖尿病は1990年代からがんで死ぬのが第一位になった 40%を占める
一方、血管障害は14%にすぎず第三位に転落
ちなみに第二位は感染症
 
今後は糖尿病のがんか感染症で看取る時代へ
 
糖尿病があるとがんのリスクが高まる
 
肝臓、2.5倍
子宮体  2,1
膵臓癌  1.86
大腸がん
しかし前立腺がんは0.84 ひとつだけ減るがんがある
ちなみに乳がんは1.03
 
男性も女性も糖尿病があると、がんのリスクは1.2倍高まる 
タバコは1.6倍  
タバコのほうが大きい タバコを吸わない人とは4.6倍違う
=禁煙治療は最優先
 
インスリンは細胞増殖因子であることが
古くから知られているが詳細は不明である。
 
●インスリン抵抗性?
●高血糖(酸化ストレス、AGE)? FBSとリスクは関係する
●慢性炎症?
●アデイポサイトカイン? アデイポネクチン減少など
●腸内細菌? 特に肝臓がんでは
 
 
血中Cペプチドと大腸がんリスク相関。
男性では3倍高い(女性では高まらない)
 
厳格な血糖コントトールでがんリスクは減るのか
(UKPDS VADT研究など) 
差が無かった。しかし遺産効果があるかもしれない。
インスリンで、5~10年では、がんは増えない
運動で、がんのリスクは半減する=生活習慣で改善する
 
●糖尿病治療薬とがんの話題
インスリン
2009年にランタスと発がんの関係(特に乳がん)が2009年、
欧州で4本(ドイツ、英国など)の論文が続いて出た
 
検証試験 ORIGIN試験
6000例を6年間(その後8年間)まで追跡したが、リスク増加は否定された。
 
ヒトインスリンはどうか?
後ろ向き研究の結果は両方あり、まだ結論が出ていない
 
●アクトスと膀胱がんの関係
フランスでアクトス回収の報道があった
1.2~1.4倍膀胱がんのリスクが多いという結果が出た
 
FDAでは現在膀胱がんのある人や既往のある人にはアクトスは使わない
 
日本でも患者さんへの情報提供が必要
1年以上使用するとリスク増加の可能性がある
 
10年経過すると、膀胱がんでは増えないが
前立腺がんと膵臓癌が増えるという結果がある
一方、アクトスは台湾からは、肝臓がんを予防しているという報告も
 
●インクレチン関連薬 DPP4阻害薬とがんの関係
膵臓癌が3倍に増えるという報告もあった。
しかし副作用データベースは、リスクを過大評価する
2年間の観察では、膵炎や膵がんの増加は無い。
前向き研究が必要。
 
 
●メトホルミンはがんのリスクを減らす!?
p53の活性化? mTOR経路などが理由。
 
肝臓も腎臓も問題ない人がメトホルミンを飲んでいるから?
そしてインスリンはその逆?
ランダム化するとメトホルミンにはリスク差が無かった!
 
欧米では乳がんの治療薬としての臨床治験が始まっている
 
中島先生(横浜市大)による大腸がんの化学予防の研究
1日250mgのメトホルミンで40%の抑制的効果があった。
現在のところ、良好な血糖コントロールによるベネフィットを優先すべき
 
糖尿病医はがんのゲートキーパーになるべき
 
●膵がんと糖尿病の関係
 
膵臓癌は男性の5位、女性の4位 全体では4位
毎年3万人が膵臓癌になり3万人が死ぬ
 
 
奈良医大外科の赤堀先生によると
・随伴性膵炎 インスリン分泌の低下
・がんがインスリン分泌を悪くする未知因子(IAPP S-100A8)などの
を出している?
実際、膵臓癌を切除すると糖尿病が治る人がいる
 
●痩せたのに体重が落ちてきた症例では
膵臓癌によって糖尿がんになる人がいる
説明できない血糖悪化(仮面膵臓癌)がある
 
「膵臓癌による糖尿病」を見逃さないことが大切
・やせている
・家族にいない
・去年まではDMなし
・体重減少 
・膵臓癌の家族歴無し、なのに血糖が急速に悪化した時
 
がん患者の糖尿病管理
・周術期
・化学療法
・経管栄養
・IVH
・胃全滴後・・・
 
 
●がん治療中の糖尿病といえば
昔 デカドロンによる血糖上昇
今 がん治療薬による劇症1型糖尿病(ニボルマムなど) 
1週間以内にケトアシドーシスになる。
 
気がつかないと医療訴訟になることもあるので、注意喚起中
年内にも、ペングロニズマムも認可される予定
免疫チェックポイント阻害薬は間質性肺炎、自己免疫性肝炎などを引きおこす
 
400例に1例の頻度で起きる
 
(1型糖尿病は1万人に一人)
 
 
糖尿病管理はがんの管理。
 
糖尿病の人は、がん検診をしっかり受けることが大切
 
高血糖は、がんのイニシエーションよりも
サバイブやプロポーションや転移に関与しているのではないか
 
肥満手術でがんが減るという事実
 
SGLT2阻害薬は、がん細胞がブドウ糖を取り込むことを
阻害する可能性がある

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この記事へのコメント

ウィキによると糖尿病は、
血糖値(血液中のグルコース(ブドウ糖)濃度)が病的に高い状態をさす病名
と書いてあります。
空腹時血糖値もHbA1cなんとかも、血液検査結果は正常値ですが、
めちゃくちゃ腹ペコなのになかなかメシ食う時間なくて、ようやく全部片付けてどっかり座って、たらふく食べると急激に眠くなって、実際に横になって眠ってしまったり、そういった経験を何度かしていて、
こういうのも糖尿病の原因になるのだろうな、と、その都度反省しています。
規則正しい時間に食事するって、公務員でもない限り、結構たいへんなのです。
あんまり腹ペコになる以前に、ちょっとだけでも牛乳を飲むとか卵だけでも焼いて食べるとか、すれば良いはずなのですが、なかなか実行できない、でも、やろうと思います。

Posted by 匿名 at 2016年07月01日 07:24 | 返信

地元にある糖尿病専門のクリニックは、通り掛ると、いつも混雑しています。
若い頃から、お酒を浴びるように飲んできた御年配方も多いようです。
糖尿病予備軍・プチ糖尿病・ガッツリ糖尿病、様々ですけどトータルしたら
かなりの割合で、あちらこちらに居るようです。
癌との関係性をもっと公に啓発して頂き、糖尿病の自己管理や成人病予防を
もっと意識していくことが世のため人のためになりそうです。
>糖尿病管理はがんの管理。
>糖尿病の人は、がん検診をしっかり受けることが大切。
>肥満手術でがんが減るという事実。
認知症予防と並行して、意識付けしていけたら、と思います。

Posted by もも at 2016年07月01日 11:42 | 返信

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