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不整脈治療update
2016年07月03日(日)
不整脈治療も年々進化している。
今日は心房細動への凍結凝固式アブレーションと
ブルダガ症候群の最新の考え方について学んだ。
今日は心房細動への凍結凝固式アブレーションと
ブルダガ症候群の最新の考え方について学んだ。
アブレーションがたった1時間でできる嘘のような話。
そしてあれほど恐れられた「ブルガダ心電図」は、失神の既往がない限り
そこまでお恐れなくてもよさそうだという話に少し安心した。
以下、私のメモ。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
関西労災病院での不整脈update
不整脈科 増田正晴先生
【心房細動治療update】
薬物療法(DOAC)かアブレーションか
アブレーションは、左房の肺静脈周囲を焼却
冷凍凝固アブレーション 60分で終了
成功率85%=ファーストラインになりつつある
肺静脈を介して焼く
横隔神経障害という合併症あり
脳梗塞や心タンポナーゼのリスクは、焼却と同等
肺静脈狭窄は、0.2%
関西労災では本年2月から(阪神間では唯一)施行している
FIRE & ICE ICEのほうが手技が簡単で患者負担が少ない
超解像度3Dマッピングの発展による
1年未満は80%の成功率だが、5年以上経過した人の成功率はやや悪い
持続性心房細動が
弁膜症合併は手術へ
昨年度は445例
発作性心房細動が一番の適応
【ペースメーカー治療update】
遠隔モニタリングへ
デイバイスを埋め込んだ患者さんが2m以内に近づくと
自動的にデータが送信されるようになっている
患者情報は、医師がWEBで確認可能
緊急時はアラートメールが入るシステムになっている
これにより、イベントの早期検出ができる
また外来回数を減らすことができる
8月からは新規症例(交換を含む)は、全例遠隔モニタリングとなる
電池の寿命には変わりない
【ブルガダ症候群とは?時代とともに変わる診方・考え方】
国立循環器病センター 相庭武司先生
●遺伝性不整脈疾患
・先天性QT延長症候群 1995年から遺伝子研究が発展 遺伝子検査は保険適応
・後天性QT延長症候群
・CPVT(カテコラミン誘発性多形性心室頻拍)
・ブルガダ症候群 遺伝子異常は2割しか見つからない
・家族性SSS
・QT短縮症候群、など
イオンチャンネル(K電流、Na電流)の向きから分類される
J波症候群、早期細分曲症候群
●ブルガダ症候群=心電図の病気
昔、「ポックリ病」と言われたもの
ブルガダ3兄弟が発見した(1992年)
アジア人に多い(白人には少ない、ケタが2~3少ない)
遺伝的なバックグラウンドはまだ未解明
日本人では男性に圧倒的に多い、
メタボではなく筋肉質も少しやせ型が多い
検診で偶然みつかることが多い
20~60歳代
家族歴は少ない
失神の既往あり
VFのリスクは、0.1~0.5%
99%以上の人は何も起こらない
しかし1回でもイベントが起きると再発リスクは10%(100倍違い)
リスク階層化が今後の課題
・無症候群
・失神群
・VF/心蘇生群
現在は、タイプ1(コーブド)のみをブルガダと言う!
薬物負荷でタイプ1になったものも含む
タイプ2(サドルバック)は、淳ブルガダとして扱う
ただし、右脚ブロックと間違えないこと
疑わしい時は、肋間を1~2上げて(第3か第2肋間)
心電図を記録することが大切
自然発生なタイプ1は、悪い
運動直後にSTが再上昇することが大切
電気生理学的な誘発試験は有用か?
前向き試験ではどうか=一次予防レベルでは差が無かった
ICDを植え込んだ人で作動する人は30歳台が多い。
働き盛りの病気で、70歳を超えたら大丈夫!?
VFリスクを予想できるか?
夜間や安静時の失神は、ブルガダが疑われている
再分極異常派と 脱分極異常派がいる
日内変動がある、自律神経変動に弱い
カテーテルアブレーションで、ブルガダが治ったという報告がある
右室流出路の脂肪沈着がある?
そもそも遺伝するのか?
=それは、YESでもあり、NOでもある。
無症状における突然死の家族歴は予後と関係ない
遺伝子診断は必須ではない
=遺伝子型と表現型は一致しない
=ひとつだけの遺伝子では説明がつかず、網羅的に調べないと説明がつかない
我が国におけるICDの適応
・心停止蘇生例
・ブルガダっぽい失神
・コーブド型
将来的には、ブルガダもアブレーション治療が試されるかもしれない
無症状の心電図のみでは比較的良好である
失神直後の心電図が正常のことがある
1回でもブルガダがあれば、ブルガダとなる
心電図がダイナミックに変化するのが特徴
既往が無い検診で偶然発見されるブルガダは定期受診でフォローする
女性はほとんど関係ない病気
そしてあれほど恐れられた「ブルガダ心電図」は、失神の既往がない限り
そこまでお恐れなくてもよさそうだという話に少し安心した。
以下、私のメモ。
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関西労災病院での不整脈update
不整脈科 増田正晴先生
【心房細動治療update】
薬物療法(DOAC)かアブレーションか
アブレーションは、左房の肺静脈周囲を焼却
冷凍凝固アブレーション 60分で終了
成功率85%=ファーストラインになりつつある
肺静脈を介して焼く
横隔神経障害という合併症あり
脳梗塞や心タンポナーゼのリスクは、焼却と同等
肺静脈狭窄は、0.2%
関西労災では本年2月から(阪神間では唯一)施行している
FIRE & ICE ICEのほうが手技が簡単で患者負担が少ない
超解像度3Dマッピングの発展による
1年未満は80%の成功率だが、5年以上経過した人の成功率はやや悪い
持続性心房細動が
弁膜症合併は手術へ
昨年度は445例
発作性心房細動が一番の適応
【ペースメーカー治療update】
遠隔モニタリングへ
デイバイスを埋め込んだ患者さんが2m以内に近づくと
自動的にデータが送信されるようになっている
患者情報は、医師がWEBで確認可能
緊急時はアラートメールが入るシステムになっている
これにより、イベントの早期検出ができる
また外来回数を減らすことができる
8月からは新規症例(交換を含む)は、全例遠隔モニタリングとなる
電池の寿命には変わりない
【ブルガダ症候群とは?時代とともに変わる診方・考え方】
国立循環器病センター 相庭武司先生
●遺伝性不整脈疾患
・先天性QT延長症候群 1995年から遺伝子研究が発展 遺伝子検査は保険適応
・後天性QT延長症候群
・CPVT(カテコラミン誘発性多形性心室頻拍)
・ブルガダ症候群 遺伝子異常は2割しか見つからない
・家族性SSS
・QT短縮症候群、など
イオンチャンネル(K電流、Na電流)の向きから分類される
J波症候群、早期細分曲症候群
●ブルガダ症候群=心電図の病気
昔、「ポックリ病」と言われたもの
ブルガダ3兄弟が発見した(1992年)
アジア人に多い(白人には少ない、ケタが2~3少ない)
遺伝的なバックグラウンドはまだ未解明
日本人では男性に圧倒的に多い、
メタボではなく筋肉質も少しやせ型が多い
検診で偶然みつかることが多い
20~60歳代
家族歴は少ない
失神の既往あり
VFのリスクは、0.1~0.5%
99%以上の人は何も起こらない
しかし1回でもイベントが起きると再発リスクは10%(100倍違い)
リスク階層化が今後の課題
・無症候群
・失神群
・VF/心蘇生群
現在は、タイプ1(コーブド)のみをブルガダと言う!
薬物負荷でタイプ1になったものも含む
タイプ2(サドルバック)は、淳ブルガダとして扱う
ただし、右脚ブロックと間違えないこと
疑わしい時は、肋間を1~2上げて(第3か第2肋間)
心電図を記録することが大切
自然発生なタイプ1は、悪い
運動直後にSTが再上昇することが大切
電気生理学的な誘発試験は有用か?
前向き試験ではどうか=一次予防レベルでは差が無かった
ICDを植え込んだ人で作動する人は30歳台が多い。
働き盛りの病気で、70歳を超えたら大丈夫!?
VFリスクを予想できるか?
夜間や安静時の失神は、ブルガダが疑われている
再分極異常派と 脱分極異常派がいる
日内変動がある、自律神経変動に弱い
カテーテルアブレーションで、ブルガダが治ったという報告がある
右室流出路の脂肪沈着がある?
そもそも遺伝するのか?
=それは、YESでもあり、NOでもある。
無症状における突然死の家族歴は予後と関係ない
遺伝子診断は必須ではない
=遺伝子型と表現型は一致しない
=ひとつだけの遺伝子では説明がつかず、網羅的に調べないと説明がつかない
我が国におけるICDの適応
・心停止蘇生例
・ブルガダっぽい失神
・コーブド型
将来的には、ブルガダもアブレーション治療が試されるかもしれない
無症状の心電図のみでは比較的良好である
失神直後の心電図が正常のことがある
1回でもブルガダがあれば、ブルガダとなる
心電図がダイナミックに変化するのが特徴
既往が無い検診で偶然発見されるブルガダは定期受診でフォローする
女性はほとんど関係ない病気
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この記事へのコメント
私の母は、長年不整脈に悩まされていました。
初めて、不整脈が現れたのは、23歳で結婚して子供も生まれて、東山町の実家で暮らしていた時、伊勢町に住む舅姑が、自宅の風呂が壊れたので、母の実家の風呂に入らせてくれと言ってきた時の事です。始めに舅が入って、次に姑が入っている時、既に呆けてきていた舅が、海の近くの自宅を目指して一目散に歩き出したのです。「あつ子さん、追いかけて!」と姑が叫んで、母が舅の後を、追いかけたのですけど、舅の足が速く、ドンドン歩いて、ちゃんと伊勢町の自宅に帰ってきました。その時母に、不整脈が出て来て、一生付きまとう事になりました。
二度めに不整脈が出て来たのは、更年期になってからです。宝塚に引っ越してから、父が伯父から定年退職してくれと言われて、会社を辞めて家にいるようになってから、何かと小言を言うようになり、母の小さな心臓に大きな負担を強いる事になりました。
京都の高木誠先生とか伊丹の近畿中央病院とか渡り歩きました。
ある朝は、シャッターを開けた途端気絶してひっくり返っていたそうです。母は本を読んで「私はWPW症候群ではないだろうか?」と言っていました。でもどこの病院でも「そんな重大な病気ではない。10代で、肺門リンパ腺に罹患しているので、心臓が右に引き攣れている」といわれました。近畿中央病院で「甲状腺機能亢進があるけれど、うちには良い薬が無い」と言われて、花隈の隈病院で甲状腺のお薬を貰いました。2年くらい服用して「甲状腺は治った」と言われましたけれど、不整脈は止まりませんでした。
父が88歳で死んだ時は、母は80歳でした。ストレスの素の父が死んだから、不整脈は治まるだろうと思っていましたけれど、少しはましになったようでしたけれど、時々出ていたようです。その頃から、ちょっと最近の事をわすれるようになったり、少し尿漏れがあったり、足元が段々、ふらついたりしたので、正常圧水頭症ではないか思って内科の紹介でとN脳神経外科を受診したところ「あんたは、アルツハイマーや!!」と頭ごなしに怒鳴られて、母もおびえました。内科の先生は「では、アリセプト3mを飲んでください。暫くしたら、5mも飲んで貰います」と仰ったのですけど、母が胃が痛いと言うので薬は貰っても、飲まないようにしました。
徐々に母の正常圧水頭症の症状はひどくなりました。他人に聞いて市内の別の脳神経外科を受診しましたけれど「10年も前に、Nクリニックでアルツハイマーと言われたのに今頃正常圧水頭症かどうか調べて欲しいと言われても困る。僕がお母さんに言ってあげられるのは心電図に(室上性頻脈)が出ているから、突然死の危険があるから注意してあげてということぐらいだ」と言われました。
それで去年2015年5月に、西宮協立病院脳神経外科の三宅先生のところを受診しました。母は自分の生年月日も言えましたし、その日が一日前の11日である事も言えたので、三宅先生が「アルツハイマーではないわね」と言って下さいました。せっかくMRI検査を予約して帰ったのに母は「私はもう直ぐ死ぬから、もう検査や手術は嫌だ」と言って、二度と西宮の病院には、行きませんでした。
今年のお正月もおせち料理を美味しそうに食べて、27日も朝ごはんのパンとチーズと野菜炒めを食べてました。夕方帰って来たら、亡くなっていました。CTスキャンで(大動脈解離による心タンポナーデ)と死亡診断されました。
なんともぶざまな介護記録ですけど、何かの参考になればと思って投稿しました。
Posted by 匿名 at 2016年07月03日 07:09 | 返信
おつかれさまです
Posted by 尾崎 友宏 at 2016年07月04日 02:02 | 返信
以前、鍼灸院を営業していた時、近所の70代の主婦が来院しました。
かって私が研究科に在籍していた鍼灸学校の付属診療所に通院していたが、遠いので、私の鍼灸院を紹介してもらったと言います。
夜寝ている時、夜明け前に心臓がきゅっと痛くなると言う。
まあとにかく鍼灸治療をしてみようと思いました。
初診の治療は軽くしたので、なんとも無かったけれど、二回目の治療の後、夜明け前に心臓の痛みが出たと言う。
一体鍼灸学校の誰が私の鍼灸院を紹介したのかと聞いたけれど、はっきりしません。
娘さんが来て「母の心臓の痛みは、心の病だと思います。父が同業者の集まりで、近所のスナックに、飲みに行ったら、そのスナックのママがセクハラ行為をしたと暴力団を通じて脅しに来た。それ以来母の心臓の痛みがでるのです」と言う。
弟子入りした先生が鍼灸学校の教師だったので、鍼灸の研究会の為に鍼灸学校に行った時、内緒で付属診療所の事務所に入って、患者さんのカルテを見た。すると、「ST波上昇」と書かれていました。
その後も安静時痛が出るので、「いっぺん循環器科のある大きなクリニックで心臓の検査をしてみて欲しい」と頼みました。
すると大阪医科大で検査したところ、「更年期の女性に特有の病状で、心臓血管の中でも微小血管が詰まっていたことが分かった」とのことで、今後は大阪医科大で治療します」とのことでした。
NHKの試してガッテンで、やはり同じ症状「更年期の女性に特有の心臓の微小血管のつまりからくる安静時狭心症が多い」と放映していました。
鍼灸でも、著効例の発表は2~3例あるのですけれど、著効例は全症例が「ST波低下」の症例でした。
Posted by 匿名 at 2016年07月04日 06:21 | 返信
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