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「医療タイムス」が抗認知症薬の少量投与容認を一面報道

2016年09月06日(火)

「医療タイムス」が抗認知症薬の少量投与容認容認を一面で報じている。
大きな扱いなので驚いたが、読みごたえのあるいい記事になっている。→こちら
「適量処方」はまだ第一歩を踏み出したばかりだが、膿をしっかり出していく。

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6月1日の事務連絡を、信濃毎日新聞は一面で報じた。
他の地方紙も大きく報じた。

しかし大手メデイアはどこも報じない。
6月3日に私が記者会見をしても、それでも報じない。

なぜか。

スポンサーが製薬会社だからだ。
読者よりスポンサーの顔色のほうが大切なのが大手メデイア。

ちなみに、今日発売のの週刊現代の「読者の反応」の中にも
「アリセプトを中止して嘘のように元気になった、ありがとう」という記事があった。

こうした家族の声を「抗認知症薬の適量処方を実現する会」が代弁してきた。
それが少しずつ、周知されつつあることは収穫であり嬉しい。

ちなみに、この活動はすべて理事の手弁当である。
私も多くの出資をして、完全自前で活動している。

さらに、厚労省から連絡が追加された。→

当会は
・レセプトのコメント欄にいいわけなど書かなくてもいいように
・そしてドネペジル1mg錠も実現させたい。

@@@@@@@@@@@@@@

ところで・・・・

老年精神医学雑誌(最新版、27巻8号、871ページ)で本間昭氏が、
1年間に登録されたアルツハイマー型認知症
全国443施設3023例の最長2年間観察の論文を発表している。→こちら
 
その結論とは、

・メマリーは20mgにしなければいはいけない。
・20mg長期飲ませたから改善率が上がった、という治験報告をしている。

中止率は45.1%なのに、有害事象によるものは17.2%ととても少ない(笑)。
MMSEスコアは2年間で低下したが進行抑制効果があったと。(この記述は意味不明)

主治医の有効性評価が87.6%と高かった、とのこと。


@@@@@@@@@@@@@@@@@@@


ついつい、笑ってしまった!

まだ、こんなことやっている・・・

恥ずかしくないのかなあ。

当分、この論文をしっかり洗ってみたい。
半数が脱落しても「すごく有効」となる理由とはなんなのか。

しかも、執筆者は本間氏以外、全員メマリーのメイカーさんばかりじゃあーりませんか。
自作自演の内容を、最後に「利益相反はありません」とわざわざ書いているのが泣かせる。

自分のメーカーの商品を社員が「素晴らしい」と言いながら、利益相反は無い、とは何事か。
こんな論文を平気で載せている日本老年精神医学会のレベルとはみなさん分かりますか?

そう、言うまでもないだろうが、こんな禁じ手はもはや医学論文として完全に論外だ。
20年前ならいざ知らす、現代のこの大切な時期にこんな論文を堂々と載せる感性は意味不明。

同じ医師として恥ずかしい。
本当の医学会ならこれだけ意味不明な論文は却下だが、認知症ムラは治外法権。


大学の進級試験を想像してほしい。

成績の悪い半分を退学にさせてから、残り半分以上の学生に試験をしたら、
優しい担任の先生は、9割に「よくできました!」という欄に丸をしてくれたと。

ちなみに浜六郎氏は、メマリーをほぼ全否定している。→ こちら

一方、本間氏は、手放しで賛美している。


どちらが真実なのか?

どんな手口でこのようなことができるのか、
あらためてこのブログでご紹介したい。

市民のみなさま、そして医師のみなさま。
くれぐれも騙されて、泣かないで(泣かさないで)くださいね。

こんな論分で洗脳される程度のお医者にはかからないでね。
気が付いている医師と、まったく気が付いていない医師がいる。


詳しくは、コウノメソッドの河野和彦先生の渾身の2時間半の講演を聞きにきてください。
9月25日の午後の神戸においでやす。

但し、事前申し込みは終わったので、当日受付のみになりますが。→ こちら


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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

とりあえず、世間に大きく取り上げられるようになったこと「おめでとうございます。」
だがそもそも、医療行為には医者の裁量権があったはず。
医療不信(医者不信)の時期と重なったにせよ、増量規定によって売上規模の拡大が想定された。
添付文書への記載を認めさせ、自治体によってはレセプトカットの対応(への根回しをしたか?)。
コウノメソッドが脚光を浴びる程、治験データの信頼性は???

それでも、製薬会社は社会に与えた損害の責任は追及されないし
     役所・役人も(今このタイミングであれば)責任を取ることもなく
     医者も添付文書とおり処方しただけ

『大きな成果』は「実現する会」側にとってだけなのか?
製薬会社にとっても厚生労働省にとってもレセプトカットした自治体にとっても
誰も罰せられない「大きな成果」によって流れを変えることが出来た。
とりあえずこの問題では、枕を高くして寝れるな!

 警察だけではないな!

Posted by 通りすがり at 2016年09月06日 09:27 | 返信

>6月1日の事務連絡を、信濃毎日新聞は一面で報じた。
と、ホントに大きな一面記事でした。講義会場で配られたコピーを頂きました。
信州・信濃路の新聞ですから、在宅医療の草分けであり、市民が主役の医療を牽引する地域は
長野県であると自ずと知らしめた結果になったかのようです。医療の芯(へそ)は長野県でしょう。
これからも、人が主体であるという本来の医療=本質 を示していって頂きたいと願っています。
作物・食・様々な手作りを含む生活・ライフワークバランス など、個人が主体の生活設計が
ある地域です。移住した知人が別々に、二家族もいます。生活を満喫していて、第二の人生を
謳歌しています。東京への交通も便利ですしね。

Posted by もも at 2016年09月06日 08:08 | 返信

素人にとって、薬については何を信じたらいいのか、誰を信じたらいいのか、よくわかりませんね。

Posted by 社会福祉士河本健二 at 2016年09月06日 08:34 | 返信

取り敢えず
よかった、です。
しかし

ふ、し、ぎ
な 文章
なぜ
大量 を
少量 に
変える
だけ
理由
明確 に
せず、官僚 お役人

いかにも
お手本
に、なる
文章
な、ん、だ、か、
おかしい。

おぎようこおこらんど
墨あそび詩あそび土あ

Posted by おこ at 2016年09月08日 03:44 | 返信

いつも興味深くblog拝見しております。
メマリーの文献について気になったので僭越ながらコメントさせていただきます。

>MMSEスコアは2年間で低下したが進行抑制効果があった
論文中に記載がありますが、既報のMMSE自然経過との比較で24カ月で-1.1点は一定の進行抑制効果があると考えられるというだけですので、さほどおかしくはないと思います。
これが十分な効果かは別の問題ですが。

>利益相反
ご存知の通り、この報告は特定使用成績調査の結果ですのでメーカーが関与しているのは当然です。
文献最後の利益相反委員会の承認というのは、利益相反がないことを意味しているのではないと思います。
利益相反はあるかどうかが問題ではなく、あるならあることを明示することが需要なので、メーカースポンサーの特定使用成績調査結果の文献報告としては至極普通ではないでしょうか。
治験であっても著者の先生方は皆さん、メーカーのアドバイザーなりされている方々ですので、それと大差ないと思います。

企業スポンサーの試験と医師主導の試験はわけて考えるべきではないでしょうか。

Posted by はじめまして at 2016年09月23日 04:25 | 返信

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