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増加する徘徊裁判と誤嚥裁判
2016年09月15日(木)
デイサービス中の76歳が非常口から抜け出して徘徊し、3日後に1.5km離れた畑で
亡くなっていた事故の裁判で、福岡地裁は2870万円の賠償命令を出した。→こちら
このような徘徊裁判や誤嚥裁判が、全国的に増加し、防衛策に拍車がかかっている。
亡くなっていた事故の裁判で、福岡地裁は2870万円の賠償命令を出した。→こちら
このような徘徊裁判や誤嚥裁判が、全国的に増加し、防衛策に拍車がかかっている。
弁護士さんの闘いの場が、医療現場から介護現場に移りつつある。
病院や施設で勝手に食べて誤嚥して亡くなれば、1000万単位のお金になる。
一方、家で誤嚥して亡くなってもタダ。
病院や施設から抜け出して亡くなれば、3000万円ものお金になる。
一方、家から抜け出して亡くなればタダか、お金を払う羽目になる。
その結果、どんな介護になるのか。
徘徊防止→3重鍵で閉じ込める牢屋型介護
誤嚥防止→早期の胃ろう造設で、食べさせない
となるのは当然の自衛策だろう。
もはや責めることもできない現状。
「そんな介護にしたのは誰だ!」と怒っても
「それはそんな家族や弁護士や裁判官がそうしたのだ!」としか言いようがない。
大変な時代になってきた。
しかし・・・・
総理は、そんなことには目もくれず呑気に
「介護離職ゼロ」を謳っているが、問題外。
医療もお先真っ暗で、逃げ出す人もいるが、
介護もお先が曇ってきたので、少し出てきた。
もっと根元を診ないといけないのだが、
診たくない、診れない、診ようとしない、のが日本人の国民性でもある。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
入院中食事詰まらせ死亡 遺族が病院機構提訴 :河北新報
国立病院機構盛岡病院(盛岡市)に入院していた女性=当時(69)=が死亡したのは、病院側が食事を喉に詰まらせないようにする注意義務を怠ったためとして、盛岡、滝沢両市の遺族が23日までに、病院を運営する独立行政法人国立病院機構(東京)に2200万円の損害賠償を求める訴えを盛岡地裁に起こした。
訴えによると、女性は2014年1月22日、肺炎のため入院。同26日に病院が用意した昼食を喉に詰まらせて心肺停止状態に陥り、同2月2日、低酸素脳症で死亡したとされる。
遺族は「アルツハイマー型認知症で早食いする癖があったにもかかわらず、病院は食事の介助や付き添いを怠った上、食材を細かく刻むなど誤嚥(ごえん)を防止する配慮をしなかった」と主張している。
機構側は「係争中のためコメントは差し控えたい」としている。
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この記事へのコメント
在宅で徘徊する親を看て、鉄道事故でも起これば、賠償金を、請求されかねない。ところが施設に預けた親が施設を脱走して徘徊して亡くなれば、3000万円の慰謝料が、貰えるとは驚きです。
いつ亡くなってもおかしくない老人に3000万円であるとしたら、施設も預からなくなるのでは。
誤嚥性肺炎も、起きてはならない事故ですけど、脳梗塞や鉄欠乏性貧血でも、咽喉に食べ物が詰まるとNHKで言っていました。子供が咽喉の物を詰まらせたのなら、逆さにして背中を叩けば出てくることがありますけど、太った老人を逆さ吊りにするのはできませんからね。先日長尾先生の介護学会でも脳梗塞の方の食塊は難しいとのお話でした。国立盛岡病院の場合は69歳の女性ですから未だ若いですね。元々何の病気で入院なさったのでしょう。2200万円の損害賠償で訴えて出るのですかね。
こうなると胃瘻になりますね。
Posted by 匿名 at 2016年09月15日 09:15 | 返信
長尾先生の医療裁判の記事って、まるで賠償金目当てで裁判を起こしている、と非難なさっているような印象を受けます。
長尾先生の真意がどこにあるのか測りかねますが、
訴訟を起こした遺族は、賠償金目当てではないと思いますよ。
民事で争うしか、問題を表ざたにする手段が無い、というのも理由の一つだと思います。
お金目当てでないのであれば、たとえば100万の賠償金であってもいいわけですが、弁護士が入るとやはり商売になるから金額が吊り上がる。
たとえば、訴訟を起こしても賠償金は弁護士費用だけ、だが同時に、今後の改善策を主要新聞に掲載し各テレビ局のニュースで理事長が謝罪して今後の改善策を明言する、という判決が可能ならステキですね。しかしこちらの方が、医療サイドや施設側は困るのではないでしょうか。
なぜなら、完璧に予防するためには、それこそ拘束するか胃婁しか手段が無い、改善するためにはもっとたくさん介護看護要員を増やさなければならない、しかしその予算が無い・・・訴訟用の保険に入っているから保険で賠償金を払ったほうが楽だということになる・・・結局、悪循環。
Posted by 匿名 at 2016年09月16日 03:30 | 返信
まあ我が国の場合、抗認知症薬とか抗精神病薬の誤った処方による、薬剤誘発性の徘徊や誤嚥のケースが非常に多いと思いますので、そういう処方薬による有害事象の案件も医者を訴える裁判が増えれば、医者は怖がってそういう薬を安易に処方しなくなるでしょう。その結果、誰も認知症の治療に手を出さなくなり、徘徊とか問題行動(世間がそう認識する)のあるケースは精神病院へ入院。精神病院でのみ薬物治療が行われ
開業医、一般内科医は認知症にはノータッチ。これまで以上に君子危うきには近寄らずとなるでしょう。
何か問題が起これば集団ヒステリーのように当事者(現場の人間)を叩けばいいという風潮。日本人から寛容さが失われている気がします。早食いするようなキャラの認知症は閉じ込めようとすれば、益々暴れるだろうし、胃瘻も自分で引っこ抜いて、食べさせろと言って暴れるはず。胃瘻ですべて解決するほど甘くないと思います。
Posted by マッドネス at 2016年09月16日 05:20 | 返信
介護もお先が曇ってきた…。だからこそワクワクハラハラドキドキ明るく前向きに。
Posted by 社会福祉士河本健二 at 2016年09月16日 06:46 | 返信
昨年の10月から医療過誤調査制度が始まり、
責任追及ではなく医療技術の向上を目的としてますが、
今回のブログを読むと、
司法判断についても 司法過誤調査制度がいるな…と。
制度としてはあるんだろうな~
地裁⇒高裁⇒最高裁で正される…という。
でも、時間的に介護現場で起こるリスク回避を考えると…
「地裁の判断、マスコミ報道、社会の対応」での社会的損失を今後発生させないためには???
という制度がいるな。
社会がこの問題にうとすぎると、介護サボタージュとか言われる現象でも起こさないと
判らない国民がいっぱいいる。でも、それで不利益を被るのは介護弱者である被介護者。
国民の理解力(現状認識力)の影響を被介護者が受けねばならないのか?
国立病院を訴えたってことは、損害賠償判断が下されれば税金で賠償
⇒訴えた者に攻撃がいくことになってしまうよね。必要なのは教育か?
一番の問題はモラルハザード⇒介護は施設に入れればミスが起これば3000万円もらえるかも!!!
福岡地裁の裁判官にはよくよく考えていただきたい。
Posted by トクメイ at 2016年09月16日 12:16 | 返信
こんなのを見つけました。
診療報酬不正請求の人物が西宮市医師会会長とは驚き!
http://shinseikiunion.blog104.fc2.com/blog-entry-1998.html
被告上ヶ原病院の証人尋問は自滅劇だった!
http://shinseikiunion.blog104.fc2.com/blog-entry-2100.html#comment830
Posted by 西宮市医師会長が裁判沙汰に at 2016年09月17日 03:19 | 返信
私の勤め先のグループホームにいわゆる徘徊癖の男性が入居されて10ヶ月くらい経ちます。
日中、一時間おきくらいに玄関や裏口から出て行きます。
夜間は防犯のために施錠しますが、普通の家の建具と同じなので、簡単に開けれます。初期の認知症の人なら開けれます。
その人、初日くらいに施設裏の高速道路に進入し、警察に保護されました。
紹介元のケアマネがいわゆる徘徊癖を伏せて紹介してきたのでした。
で、ケアマネが徘徊癖を伏せた理由は入居を断られるから。
断ってばかりいると行政から指導は入りますが、グレーゾーンです。
私の勤め先は、先着予約で入れてますが、同時に二人は無理なので、次の人は離棟癖を隠していなかったのですが、断りました。
自治体で離棟癖等、困難事例を把握し、施設の確保や割り当てをしないと、厚労省の目論見通り、困難事例は在宅任せで、事故の責任は家族なんてことになりかねません。
無論、政治家への働きかけはしてますが・・・
Posted by 藤本九一郎 at 2016年09月19日 01:37 | 返信
藤本九一郎さま、「ケアマネジャーが、俳諧癖を伏せて紹介して来た」と言うのは困りますね。
でも「離棟癖を隠していなかったから、断った」というのでは、「徘徊癖のある認知症患者さん」はどうすればよいのでしょう。
徘徊癖、離棟癖があるとかその為に事故が起きたということで賠償金が出たり貰ったりするのはやめて欲しいものですね。
「徘徊癖のある人を、拘束してはいけない」などとは言ってられないのが、現実ですね。
Posted by 匿名 at 2016年09月20日 08:04 | 返信
介護職は、利用者が転倒しないようにするとか、怪我しないようにするとか、病気しないようにするとか、死なないようにするとか、出ていかないようにするとか、そんなこと出来ないんですけどね。
どうも、病院や施設に入れたら、怪我しないし、病気しないし、死なないと思っている人が多いのでしょうか?
鉄道事故の最高裁判決により、本当に病院や施設は窮地に立たされていると思います。あの判決では近くで介護している介護者に監督義務があり。として、離れて暮らす息子には義務がないとしました。そして、一緒に暮らしていた妻は要介護だという事で、義務なしになりました。が、それは裏を返せば、妻が若く元気な人であれば責任を取らせる。という事であり、施設や病院であれば、責任を取らせるという事ですよね。
離れて暮らして、よく本人の状態を理解していなかったら責任なしになるなら、もう、親が認知症かな?と思ったら、知らんふりするのが一番良いという事になりかねないです。
だから、施設や病院としては徘徊する人は厳重に閉じ込めるか、受け入れないかのどちらかになっていく危険性が高いですね。家族は認知症になったら知らんふりする人が増えるのではないでしょうか。とても残念なことです。無責任社会の到来ですね。
認知症の人が加害者になった場合、刑事責任はなしにしても、民事(損害賠償)だけは本人の財産から支払う。という事にしてほしいと思います。鉄道事故の本人もたくさん財産をもっておられたという情報もネットにありましたし。(本当かどうかわかりませんが、なければJRも初めから訴えなかったと考えられます)
介護職はお年寄りが亡くなるまで、その人らしく暮らすことを目指して介護しているだけなのに。こけないようにとか、命を伸ばすようにとか、医療的なことが入ってきて、それに支配されるとおかしなことになっていくように思います。 そして、転倒したり、出て行ってしまったり、病気になったりしたら家族に謝りまくって、まるで、介護職が悪いかのような印象を社会に与えてしまい。ますます無理難題を抱えることになっていくように思います。
もっと自然な形で、医療も介護もできたら良いのに。と思う毎日です。
Posted by みるく at 2016年09月20日 11:14 | 返信
長尾先生の著作のひとつのキャッチフレーズに「地鶏介護」というのがあったと記憶してますが、「地鶏」であっても飼われている鶏であって野生ではないからなんらかの「囲い」がある中で生きている。その「囲い」の中では自由に動ける。町という面積でその「囲い」を作って、町そのものをいわば「認知症共生の郷」みたいにしよう、という発想なのだと推測しています。
やはり、「囲い」は必要ということですかね。
ただその「囲い」が町のように広いのか施設のように狭いか、その「囲い」の中にいる人が施設のように患者と介護看護医療職員だけなのか、「町」のように患者と介護看護医療職員プラス一般市民なのか、の違い、なのかしら?
認知症患者が自由に徘徊できる「認知症ゲットー」
やはり、事故も事件もものすごく多いような気がするけど。
そういう認知症村に住みたいひとは、ゲットーの中で商売をやりたい人だけだと思うけど。
でも、そういうのもアリなのかしらね。
「認知症ゲットー」内のスーパーマーケット、焼肉屋さん、ラーメン屋さん、クリーニング店、etc.
なんかやはり、南アフリカの白人居住区とかナチスのユダヤ人隔離区域とか連想してしまう。
Posted by 匿名 at 2016年09月21日 03:21 | 返信
誤嚥
徘徊
が、
裁判
どんどん
ふえる と
高齢者
の
病院
も 施設 も
なくなる。
と
指摘
されていた、
人、
本当 だ と、
想う。
お
おこらんど
墨あそび詩あそび土あそび
Posted by おこ at 2016年09月27日 10:29 | 返信
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