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安楽死の許可書がなかったら私はとっくに自殺していただろう
2016年09月17日(土)
「安楽死の許可書がなかったら私はとっくに自殺していただろう」
これは先日、このブログで紹介したパラリンピックの選手の言葉。
日本に来たいとのことだが、是非とも尼崎に遊びに来て欲しい。
これは先日、このブログで紹介したパラリンピックの選手の言葉。
日本に来たいとのことだが、是非とも尼崎に遊びに来て欲しい。
「すぐ安楽死選ばない」
「日本の大ファン。日本に行きたい」…
女性銀メダリスト「安楽死」公表の要旨→こちら
いつでも死ねると思うと,、今度はなかなか死なないものだ。安楽死が認められている国では医師から死ぬ薬を処方される。
しかし半数以上が、結局、その薬を飲まないという。
そんなものだろ。
死ぬほど苦しいことがあり、他に方法が無さそうだと思った時、人は死を選ぶ。
しかしそれがいつでも叶うと分かれば、もう少し頑張ってみようかと思うもの。
逃れられない苦しみから人はどう逃れたらいいのか。
ひとつの答えはアドラーにある。
大ベストセラー「嫌われる勇気」の著者、岸見一郎先生の講演は1週間後だ。→こちら
あるいは、エンドオブライフケア協会が主催する、最初の
私と小澤竹俊先生のダブル講演(11月23日)にヒントがあるかも。→こちら
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この記事へのコメント
長尾先生が予てから発信なさっている、様々な『やめ時』を考える場合と似ているような
気がしました。安楽死に賛成している、という趣旨では断じてありませんが、何かを
やめる・中断する、という決断を下すには、かなり主体的な意思が必要とされ、それは
何かを "始める" という決断・決定よりも遥かに労力を要することと想像できます。
メダリストであったり、難病と闘い続ける方々の苦労や努力は計り知れませんが、平凡な
人生であっても、目的意識を当たり前に持ち合わせて過ごす生き方を信条としていると
"未来が見えない" という事態の不安定さが、どれだけ苦しい状態であるかを想像します。
スポーツは毎日の "練習" が、積み重なった集大成です。日にち単位、週単位、月単位、
で、向上していく過程を目標に念頭に置いて歩んでいくもの。そのような日々を生きている
と、避けては通れない終末期を考えた時に、自分の意思決定で幕を閉じる、という選択肢が
必要なのかも知れません。それは、本人の意識下にあるものなので、人によっては後ろ向き
な状態の意思決定である場合(人)も、あるのかも知れませんが、少なくとも今回の方は
前を向いて、自分の将来を見据えて生き過ごしたい、という意思表示でいらっしゃると
印象を受けました。
ブログ文中にある
> ひとつの答えはアドラーにある。
という文章、「アドラー = 目的意識」を考えた時に、先の思いに行きつきました。
そのような考えを、思い巡らせた時に「尊厳死」の本質が見えてくるのかも知れません。
Posted by もも at 2016年09月17日 12:06 | 返信
ほんとうに自分自身で熟考したうえで、やはり死を望む人は、いつでも死ねる社会になれば良いと思う者の一人です。
でも、なぜ死にたいのか、が問題。
理由が、耐えがたい肉体の苦痛・・・であれば、尼崎の長尾クリニックに行けば解消されるかも。
理由が、耐えがたい精神の苦痛・・・であれば、・・・これは難問。
事故やけがで肉体の一部を損傷して自由に動けなくて介護されるのが苦痛・・・
脳梗塞や癌治療の後遺症が残っていて麻痺や内臓機能に衰えがある・・・
いずれも、介護を受ける対象であり介護を受けることが可能だが、本人は
「イヤだ」「人の世話になりたくない」。
老化による自殺願望もこの部類。
目が見えにくい、耳が聞こえにくい、反応が鈍い、理解できないことがいっぱいある、歩くと足が痛い、いつも自分のそばに居ていつも自分の言うことを聞いてくれた妻が死んだ、独りぼっちだ、何をしても楽しくない、つまらない・・・
生きていてもしょうがないから死にたい・・・
肉体的な痛みはさほどでないが、精神的な痛みが強い、こんな状態で生きていたくない・・・これって、安楽死の対象・・・?
こういう時、日本では、というか、日本に住んでいる私の関知する範囲では、
「ご家族の愛情が大切なのです」って言われる。
ご家族の愛情が本人の心の傷を癒す
=本人の心の傷を癒せないのは家族の愛情が足りない
=本人が死にたいのは家族が冷たいからだ
=・・・実際に自殺に至ると・・・「本人が死んだのは家族に責任がある」
日本はこういう社会なので、自殺者を出した家族はそれを隠し通し肩身の狭い思いをして、まるで自分が犯罪者であるかのような「負い目」を持ちつつ生きています。
死にたい人は死ねばいいと思います。
でも、その死を、家族の責任にしないでほしい。
安楽死が認められれば、「家族の自死」を、その家族に責任転嫁する社会が変わるのだろうか?
ちなみに、零細企業経営者は自分の会社を倒産させる時、精神科受診してうつ病なり何らかの精神病の病名をもらってから自殺するそうです。
自分の保険金によって会社を清算するわけですが、その時、精神病の病名がついていれば、家族の責任は薄くな
Posted by 匿名 at 2016年09月17日 04:39 | 返信
2016年09月17日 04:39 の匿名です。
ちょん切れ、失礼しました。マウスではなく指パットを使っているので、手が滑って送信になってしまいました。
・・・家族の責任は薄くな・・・るので、自殺するなら病名をつけておくのは、家族へのせめてもの思いやりだという話です。
(うつ病の薬は副作用で自傷他害を引き起こすので本末転倒です。また、加入後何年か経過すれば自殺でも死亡保険金が出るという保険制度も、倒産清算に利用されることを前提としているのかも。)
何を言いたいのかと。
「死ぬほど苦しいことがあり、他に方法が無さそうだと思った時、人は死を選ぶ。」のでありますが、それを本人の問題として本人の意思として尊重する、リスペクトする土壌が現代日本社会にはありません。
周囲の人間は何をしていたのか、死ぬほど苦しんでいるのになぜ放っておいたのか、と、周囲の人間、その筆頭である「家族」に責任をかぶせることによって、本人を追い込んだ政治社会体制の欠陥から目をそらすのが日本人の国民性です。どんなに苦しくてもつらくても家族の愛情があれば生きていけるはずだ、という家族依存。(・・・依存される家族の方が先に死んじゃうわけですが。)
安楽死を論じることは、日本人にとってかなりハードルが高いですが、「死」というものを正面からまともに学び議論する必要があります。
長尾先生の「死学」に期待しています。
Posted by 匿名 at 2016年09月18日 02:27 | 返信
私は、高校時代言いがかりを付けられて留年させられたので、「自殺したい」と言う気持ちがありました。大学へ行って自殺願望はなくなりました。それからも、時々「自殺願望」はありました。
20代で、従兄が、仕事のいき詰まりや失恋問題から、自殺した時は「私と似てるけれど、私は助かった」と思いました。でもこの先年を取って経済問題に行き詰まったら「老人性鬱病」になって自殺せざるをえないかもしれません。年金もアベチャンが、せっせと減らしてくれていますし。
Posted by 匿名 at 2016年09月18日 05:48 | 返信
神田橋條治先生の本に書いてあったことを思い出しました。うまく書けませんが、ちょっと紹介します。
「医学部講義」の本には、症状は病気と自然治癒力が混ざっている。という話がよく出てきます。例えば風で熱が出るとします。熱は病気だから出るわけですが、同時にウイルスと戦っているために出るもので自然治癒力の一つでもあります。そのように、症状は病気と自然治癒力が混ざっている。だから、悪いもののように見える症状でも、もしかしたらプラスの要素があるかもしれない。と医学部の学生に講義します。
うつ病の人が自殺を決意すると明るくなる。そのような人を何人も見ていると、もしかしたら自殺を決意することにプラスの要素があるのかもしれない。と先生は考えて、「ちょっと死んでみる」という養生法を考えられました。これは「精神科養生のコツ」という本に詳しく紹介されていますが、寝転んで「あー死んだ。死んだ」と言って目をつむり、自分が死んで自分の肉が腐って地に落ちて骨だけになる。風が吹いて骨も崩れる。と、想像するのです。すると、良くなる。安らぐんですね。
安らぐ経験ができたら、「自分は死にたい死にたいと言っていたけど、実は死にたいんじゃなくて安らぎたかったんだな。」とわかる。安らぐことの究極が死ぬことだから、死にたいと言っていたんだけど、本当は安らぎたかったんだな。と。すると、死なずに安らぐにはどうすれば良いのか?という方向に向かう。
こんな感じのお話しです。うまく説明できないですが。。。
このアスリートの方の場合、安楽死の許可書が、「ちょっと死んでみる」と同じ効果があって、安らぎを感じられるものなのかもしれませんね。そして、それによってなんとか生きていられるのかもしれません。
身体が痛くて苦しくて安らげない。のであれば、痛みを取って安らげれば死ななくても良いのではないでしょうか。
Posted by みるく at 2016年09月18日 04:41 | 返信
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