- << 群馬大学病院事件から学ぶこと
- HOME
- 医療・介護の方向性 >>
このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
血糖値スパイクが危ない
2016年10月26日(水)
産経新聞・糖尿病シリーズ第7話 健診の落とし穴
血糖値スパイクが危ない
個人的な話で恐縮ですが、たまたま朝食を摂らずに出勤して血糖値を測ってみると90と正常値で安心しました。そこでコンビニで買ったおにぎりを2ケ食べた1時間後にも測ってみると、なんと185もあり驚きました。ちなみに2時間後は162と200以下だったのでなんとか糖尿病ではありません。実は、私のように空腹時血糖が100以下の正常であっても、食後1時間の血糖値が急上昇して140を超える動きは“血糖値スパイク”と呼ばれています。スパイクというのは数値の変動が針のように尖がっているという意味です。健康診断や人間ドックでは空腹での血糖を測定しますからそれが「正常」と判定された人でも、1時間後を調べてみると血糖値スパイクが隠れていることは決して稀ではありません。ある研究では健康診断で正常血糖値と判定された人の3分の1に血糖値スパイクを認めたそうです。また別の研究では20代のやせ型の女性を調べるとなんと20%もの人に血糖値スパイクを認めました。そして驚くことに小学生などの子供においても血糖値スパイクが少なからず認められます。
食べた物は小腸から吸収されて血液中のぶどう糖の値が上がります。それを感知した膵臓のβ細胞から慌ててインスリンが出て血糖値を下げます。しかし短時間に血糖値が急上昇と急降下を繰り返すこと自体が動脈硬化を引き起こします。血糖値の急変動は血管の内側の膜の活性酸素を増やして炎症や壊死を引き起こします。その傷を再生すべくそこに免疫細胞が集まった結果が動脈硬化であり多発します。血糖値スパイクこそが動脈の内側の細胞には大きなストレスになるのです。だからスパイクの頻度と高さを減らす方法を考えないといけません。
この血糖値スパイクこそが実は動脈硬化の犯人です。糖尿病の前段階というよりもこれ自体が病気であるという考え方になっています。いまだ糖尿病では無くても血糖値スパイクを繰り返している人に脳梗塞や心筋梗塞が引き起こされます。健康診断や人間ドックで糖尿病を指摘されていなくても重大な血管障害が起きる理由はここにあったのです。健康診断や人間ドックでは空腹時の血糖しか測らないので血糖値スパイクの有無はまったく分かりません。実際に食後1時間時点の血糖値を調べる以外に知る方法はありません。
インスリン注射をしている人はたいてい血糖簡易測定器を買うか健康保険で貸与されています。指先を細い針で突いて出る1滴の血液で血糖値が簡単に測れます。血糖簡易測定器は大きな薬局に行けば1万円前後で買えますし測定代は1回あたり100円程度。しかし血糖値スパイク食事の内容、順番、そして食直後の運動では大きく変わります。従って食事のたびに食前と食後1時間の血糖を測る日があってもいいでしょう。自分自身の血管の中で血糖値スパイクが1日に何度も起きているのか、いないのかを知っておくことは大切なこと。もし血糖値スパイクが起きている人はなんらかの対策を講じないといけません。しかしそのためにはその都度、血糖値を測る以外に方法がありません。一家に一台、腕で測る血圧計がある時代ですが、今後は一家に一台の血糖簡易測定器という時代になりそうです。
キーワード 血糖簡易測定器
さまざまな機種が発売されていて大型薬局やネット通販で簡単に入手できる。機種によりサイズや痛みやランニングコストや測定時間などが異なる。ちなみに最速の機種は5秒である。
血糖値スパイクが危ない
個人的な話で恐縮ですが、たまたま朝食を摂らずに出勤して血糖値を測ってみると90と正常値で安心しました。そこでコンビニで買ったおにぎりを2ケ食べた1時間後にも測ってみると、なんと185もあり驚きました。ちなみに2時間後は162と200以下だったのでなんとか糖尿病ではありません。実は、私のように空腹時血糖が100以下の正常であっても、食後1時間の血糖値が急上昇して140を超える動きは“血糖値スパイク”と呼ばれています。スパイクというのは数値の変動が針のように尖がっているという意味です。健康診断や人間ドックでは空腹での血糖を測定しますからそれが「正常」と判定された人でも、1時間後を調べてみると血糖値スパイクが隠れていることは決して稀ではありません。ある研究では健康診断で正常血糖値と判定された人の3分の1に血糖値スパイクを認めたそうです。また別の研究では20代のやせ型の女性を調べるとなんと20%もの人に血糖値スパイクを認めました。そして驚くことに小学生などの子供においても血糖値スパイクが少なからず認められます。
食べた物は小腸から吸収されて血液中のぶどう糖の値が上がります。それを感知した膵臓のβ細胞から慌ててインスリンが出て血糖値を下げます。しかし短時間に血糖値が急上昇と急降下を繰り返すこと自体が動脈硬化を引き起こします。血糖値の急変動は血管の内側の膜の活性酸素を増やして炎症や壊死を引き起こします。その傷を再生すべくそこに免疫細胞が集まった結果が動脈硬化であり多発します。血糖値スパイクこそが動脈の内側の細胞には大きなストレスになるのです。だからスパイクの頻度と高さを減らす方法を考えないといけません。
この血糖値スパイクこそが実は動脈硬化の犯人です。糖尿病の前段階というよりもこれ自体が病気であるという考え方になっています。いまだ糖尿病では無くても血糖値スパイクを繰り返している人に脳梗塞や心筋梗塞が引き起こされます。健康診断や人間ドックで糖尿病を指摘されていなくても重大な血管障害が起きる理由はここにあったのです。健康診断や人間ドックでは空腹時の血糖しか測らないので血糖値スパイクの有無はまったく分かりません。実際に食後1時間時点の血糖値を調べる以外に知る方法はありません。
インスリン注射をしている人はたいてい血糖簡易測定器を買うか健康保険で貸与されています。指先を細い針で突いて出る1滴の血液で血糖値が簡単に測れます。血糖簡易測定器は大きな薬局に行けば1万円前後で買えますし測定代は1回あたり100円程度。しかし血糖値スパイク食事の内容、順番、そして食直後の運動では大きく変わります。従って食事のたびに食前と食後1時間の血糖を測る日があってもいいでしょう。自分自身の血管の中で血糖値スパイクが1日に何度も起きているのか、いないのかを知っておくことは大切なこと。もし血糖値スパイクが起きている人はなんらかの対策を講じないといけません。しかしそのためにはその都度、血糖値を測る以外に方法がありません。一家に一台、腕で測る血圧計がある時代ですが、今後は一家に一台の血糖簡易測定器という時代になりそうです。
キーワード 血糖簡易測定器
さまざまな機種が発売されていて大型薬局やネット通販で簡単に入手できる。機種によりサイズや痛みやランニングコストや測定時間などが異なる。ちなみに最速の機種は5秒である。
- << 群馬大学病院事件から学ぶこと
- HOME
- 医療・介護の方向性 >>
このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
この記事へのコメント
健診では異常ないので、また家系的にも糖尿病はいないので、針で刺して血液を自分で検査・・・は、今はやらなくてもいいかな、と思いつつやせ型糖尿病ってのもあるって聞くと少々気がかりでもあり、「高血糖の症状」と「血糖値が高い時に出る症状」などネットで調べてみると、
•ふだんよりも空腹感や、のどの渇きを覚える
•夜間は特に尿の回数が増えた
•皮膚が乾燥する、またはかゆい
•疲労感があり、眠い
•目がかすむ
•かぜなどの感染症にかかりやすい
•切り傷やただれなどの治りが遅い
食後に眠いってのは、寝不足で腹ペコでがつがつ食べると誰でも眠くなると思うから、あまり重要ではないのかもしれない。
あと、甘いものが無性に食べたくなる、というのもありました。
私、2日に一度はあずき菓子を食べてます。スーパーで売ってるおはぎとか。あまり甘くはないけど・・・
ま、アルコール飲料も甘いペット飲料も飲まないからいいか・・・
たばこもやめたし、コーヒー紅茶ココアも砂糖入れないし、
ストレスも血糖値上げるとのこと、気にし過ぎも血糖値上げる原因らしい。
Posted by 匿名 at 2016年10月26日 02:15 | 返信
血糖値
スパイク
激しい
変化
しているんですね。
(^-^)
(^O^)
まぁー
食事
大切
なんですね、
学び
ました。
おぎようこ
墨あそび詩あそび土あそび
Posted by おこ at 2016年10月26日 04:32 | 返信
コメントする
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL: