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睡眠と歩行
2016年12月14日(水)
産経新聞・歩行シリーズ第6回 不眠と睡眠薬
依存症→認知症の悪循環を歩行で断つ
芸能人が違法薬物使用で逮捕されるという報道をいつも複雑な思いで見ています。「薬物依存症」という病気の克服は簡単ではありません。世の中には多くの依存症があります。ニコチン依存症、アルコール依存症、ギャンブル依存症、そして睡眠薬依存症など様々な「依存症」に陥る可能性がある時代に生きています。「依存症」とは、ある特定に薬物や行為が脳内でドーパミンという快感ホルモンを出させるという報酬系回路が形成されることです。それが無いと快感を得ることができないために、なんとしてもそれを得ようと、時には何度でも法を犯してしまうという立派な「病気」なのです。
さて日本人は不眠症が多く、20人に1人が睡眠薬を飲んでいます。30日以上の処方はできない決まりですが、「無くした」とか「落とした」と言ってなんとか多くの薬を手に入れようと来られる人がいます。効果が低いと自己判断して飲み過ぎてしまったのかもしれません。日本では特にベンゾジアゼピン系(BZ系)の睡眠薬が多く使われてきました。
「BZ系の睡眠薬を続けて飲むと認知症になり易い」と言われますが本当でしょうか?多くの論文を総合的に解析した結果、1998年以降の10の研究のうち8つの研究が「BZ系睡眠薬の服用は認知症リスクを高める」という結果でした。さらにBZ系睡眠薬で認知症になる理由に関しては、BZ系薬剤の長年の蓄積が脳細胞を痛めるのではなく、前回述べた脳内での神経新生や普段使用されていない神経細胞(予備軍細胞)に機能的な損害を与えることが分かっています。たしかに長年BZ系睡眠薬を飲んでいる人の脳の画像を調べると萎縮しています。
BZ系睡眠薬の長期服用で認知症リスクが高まるのであれば、現在服用中の人は「なんとしても止めたい」と思うはずです。しかしすでに「依存症」になっている人が多く、現実には中止は並大抵ではありません。いきなり中止しても失敗します。反跳性不眠で苦しみます。そこで減薬という方法があります。少しづつ減らすという方法や一時的に依存性が少ない非BZ系睡眠薬に置き換えながら減らす方法です。もちろん「依存症からの離脱」は大仕事ですから主治医とよく相談しながら根気よく目的を達成するしかありません。
今回強調したいのは、バタンキュー作戦です。眠れないことが不安だから夜7時から寝床に入ってなんとかして寝ようと頑張っている人がおられます。涙ぐましい努力をされてみ、まだ眠くないのに寝床に入ってもなかなか眠れないのは当たり前です。眠くなるまで、自然の眠気の波がやってくるまで「待つ」ことが大切で、そのタイミングが来れば、体の自然の欲求に従うことだけです。その自然な睡魔の波には大小があります。大きい波にするためには昼間に計6000~8000歩くらい歩くことです。朝一番に30分歩いて、午後にもう30分歩いてください。毎日、これを実行すれば必ず夜に睡魔が襲って来るはず。間違っても長い昼寝はしないでください。必ず30分にとどめてください。1時間以上の昼寝は認知症のリスクを高めることが分かっているからです。不眠はよくある症状ですが、「依存症」と「認知症」の観点からは睡眠薬ではなく、歩行習慣によるバタンキューを目指してください。
キーワード ベンゾジアゼピン系睡眠薬
日本では20人に1人が睡眠薬を使っており従来からベンゾジアゼピン系が多用されてきた。商品名としてハルシオン、レンドルミン、サイレース、デパスなどが知られている。
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この記事へのコメント
昼間は後見事務、夜は介護の夜勤。睡魔は、くるけど眠る暇はない。ゆっくり眠れるのは、心臓が止まった時かな。そんなことを思いつつ、今日も夜勤に励みます。
Posted by 社会福祉士河本健二 at 2016年12月15日 04:24 | 返信
12月も半ばの声を聞くと、流石に年の瀬を感じます。身の回りであるとか、業務に於いても
締めくくり・総括を、否が応でも意識する時期になりました。
歩行について、職場内で浸透しつつあるのか、管理者も「歩くこと」を勧めているのか、
障害を持つ当事者(以前とは別な方)が、一日何キロを歩く、歩いて帰ることを実践していると、
最近になって聞きました。締まった顔つきで痩せて見えたので、体調が悪いのかと心配してみたら、
歩いて痩せたと聞きました。ある症状について気になる方には、減薬を(話して)試みているようです。
紆余曲折とはよく言ったものです。声に出して言ってみる、言った甲斐があったというものです。
Posted by もも at 2016年12月17日 11:01 | 返信
としよりは、朝が早い。
暗いうちから、道路ゴミをせっせと集めている人が、何人もいる。
ひとりは、ちょうど、こどもたちの通学路あたりが終点だ。
その通学路を、こどもを見守りながら歩いている、80近い男性もいる。
そこへ、警察官と同じ服装をしている若い男性がやって来た。
職質らしい。
「なまえと電話番号をおしえて。」
「なんで?」
二人がやりあっている。
「おはようございます」。じいさんにあいさつして、小学生が通り過ぎていく。
二人を避けて、こどもの列が道いっぱいに広がる。
あっ、車がやって来た。
歩道はない。
職質が、まだ続いている。
遠いトルコでは、銃をもった男が叫んでいる。
「アレッポをわすれるな。シリアをわすれるな。」
22歳のテロリスト警察官だという。
Posted by 匿名でごめん at 2016年12月20日 08:05 | 返信
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