このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com

猛威をふるうノロウイルスの対処法

2016年12月29日(木)

猛威をふるうノロウイルスへの対処法に関して佐々木淳先生の在宅医療カレッジの
Face Bookでの戸谷剛先生の書き込みから、以下、転載させて頂きます。
介護施設での集団感染を防ぐためには介護スタッフにも知って欲しい知識です。

2つの応援
クリックお願いします!
   →   人気ブログランキングへ    →   にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ
 
 


ノロウィルスシリーズ③ by佐々木先生

戸谷先生のフィードからシェアさせていただきました。

昨日の朝、J-Waveのヘッドラインニュースで、ノロウィルスの流行と、
厚生労働省が手洗いとアルコール消毒を勧めている、という話があって、
ちょっとどうなんだろう、と思っていましたが・・・

手洗いは重要ですが、アルコール消毒(速乾性消毒薬)はノロウィルス対策としては
効果がない、ということをもう一度確認したいです。

ちなみに、ノロウイルスの検査法ですが、
多くの方は、この時期、下痢をすると念のために調べてほしいとおっしゃいますが、
この資料によれば、検査キットの検出率は3~4割とのこと。

施設内大流行などの場合には有用(誰かは陽性で出る)ですが、単発のケースでは、
この検査がその後の状況判断や指導に大きな影響を及ぼすことはなさそうですね。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@


ノロウイルスの大流行で過去にまとめられた対策のレポートを見つけました。
簡単にまとめると、
ウイルス対策緊急タスクフォースのまとめ

(1) 集団感染事例の疫学的解析
2006-2007↑↑ 2008-2009↓
幼稚園、保育園↑↑

(2) 遺伝子解析からみたノロウイルスの推移
まとめると新しい遺伝子型が出現すると感染拡大し大流行する傾向あり。
成人の施設流行は新しいGII/4の遺伝子型、小児の施設流行はGII/3 、GII/6、GII/4 の遺伝子型と多彩

(3) おう吐物を介した感染経路
一歳のお子さんの立位の高さに近い80cm で起こると、3 時間後に 160cm の高さに舞い上がり飛散粒子が、1 時間後の空気中からも検出
おう吐物が乾燥し付着したカーペットの上を歩行したり靴についている場合、ウイルスが舞い上がり、手や足 に付着

(4) 手洗いの効果とおう吐した箇所の消毒方法
✖️速乾性消毒剤による擦式消毒とウェットティッシュは効果なし
○石けん類による泡立 てと流水すすぎを組み合わせた手洗い→ウイルス除去効果高い
✖︎熱湯加熱消毒は実際は、消毒に必要な効果(表面温度 85°C、1 分以上維持)を得ることが困難
✖︎スチームアイロンは一箇所2 分加熱必要で実際的でない
✖︎家庭用布団乾燥機はダメ
◎0.1%次亜塩素酸ナトリウム溶液→10 分 後でも消毒に十分な量の塩素濃度あり

(5) ノロウイルスの検査法
・市販の検査用キット
△抗原検出法キット検出率→31~42%
多発する場合サーベイランスとして安価で有用〔誰からは陽性となる〕
○核酸増幅法検査キット検出率→73-87%
感染源の調査に有用

(6) 感染拡大を防止するためのポイント
おう吐物の消毒処理
◎次亜塩素酸ナトリウム溶液による、速やかに確実、広範囲の消毒
接触による感染防止
◎汚物処理における手袋・マスク・ガウンの着用
◎部屋への立入り 制限
◎十分な手洗い
空気を介した感染防止
◎十分な換気

比較的シンプルにまとまっているのが良いです。
シェアします。
#Norovirus
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/…/…/noro_task/final_report.pdf

2つのランキングに参加しています。両方クリックお願い致します。皆様の応援が日々ブログを書く原動力になっています。

お一人、一日一票有効です。

人気ブログランキングへ ← 応援クリックお願い致します!

(ブログランキング)

にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ ← こちらもぜひ応援クリックお願い致します!

(日本ブログ村)

※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

感染症対策で大切なことは、実は簡単で単純で普通で基本的なことが多いような、そんな風に思います。何事も基本が大切ですね。

Posted by 社会福祉士河本健二 at 2016年12月29日 09:29 | 返信

私も2~3回罹患しました。何故感染したのか不明です。
免疫ができないなあと思いました。
10年前父が病院で死にかけている時に1~2日寝込んでしまいました。
最近は罹からないのですけど、油断はできません。
手指ばかり洗ってしまって、ガサガサです。
母方の叔父は、脳梗塞で、言葉が出にくかっただけなのに「アルツハイマー」と診断されて、先妻の息子や後妻によって、神奈川県のケアポート田谷という巨大老健に入れられて、そこでノロウイルスによる吐しゃ物で誤嚥性肺炎になって、鎌倉の鈴木病院(日露戦争に従軍した軍医さんの開業した療養型病床のある病院)で死にました。

Posted by 匿名 at 2016年12月30日 10:00 | 返信

コメントする

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com


過去の日記一覧

ひとりも、死なせへん

安楽死特区

糖尿病と膵臓がん

病気の9割は歩くだけで治るPART2

男の孤独死

痛い在宅医

歩き方で人生が変わる

薬のやめどき

痛くない死に方

医者通いせずに90歳まで元気で生きる人の7つの習慣

認知症は歩くだけで良くなる

がんは人生を二度生きられる

親の老いを受け入れる

認知症の薬をやめると認知症がよくなる人がいるって本当ですか?

病気の9割は歩くだけで治る!

その医者のかかり方は損です

長尾先生、近藤誠理論のどこが間違っているのですか

家族よ、ボケと闘うな!

ばあちゃん、介護施設を間違えたらもっとボケるで!

抗がん剤 10の「やめどき」

「平穏死」10の条件

胃ろうという選択、しない選択

  • にほんブログ村 病気ブログ 医療・医者へ