超高齢化で「多死社会」を迎えつつある中、終末期医療について話し合ったり意思表示したりする機会を持ってもらおうと、厚生労働省は延命治療の種類や療養場所などの情報を盛り込んだ市民向け啓発パンフレットのひな型を作成する。
国が終末期医療に関する啓発資料を作るのは初めて。早ければ今夏に有識者検討会を立ち上げ、内容を議論する。来年春に完成させ、全国の自治体に提供。地域の事情に合わせて情報を加えるなどして、住民に配布してもらう考えだ。
「自然に逝きたい」と希望する人は増えているが、意思表示や家族との話し合いをしていなかったために延命治療がなされ、周囲が後悔するといったケースが相次いでいる。2015年に約129万人だった年間死者数は、40年には約168万人まで増える見通しだが、終末期の話題を避ける雰囲気は依然強いため、考えるきっかけを提供するのが狙い。
ただ、生死の問題に国が介入すると「医療費削減が目的だ」といった批判を招きかねないため、一定の方向に誘導していると受け取られないよう、中立的な内容にする方針だ。
啓発資料では、口からチューブを入れる気管挿管による人工呼吸器の使用や、胃に直接栄養を送り込む胃ろうなどの処置について説明し、医師や家族らとの話し合いや意思表示を促す。既に同様の啓発パンフレットを自前で作り、配布している自治体もあるため、参考にする。
厚労省は検討会での議論を経て、終末期医療に関する5年に1度の国民意識調査も来年3月ごろに実施する予定。
※終末期医療
病気や事故、老衰などで回復が見込めない患者への医療。2006年に発覚した射水市民病院(富山県)の人工呼吸器取り外し問題を受け、厚生労働省は07年に「本人の意思決定を基本に、多職種から成る医療・ケアチームで治療方針を決める」との指針を策定した。「終末期」という語感が冷たいとの指摘もあり、厚労省は近年「人生の最終段階における医療」との表現を使う。16年度からは患者や家族の相談に乗る医師、看護師らのチームを育成する事業を実施している。
この記事へのコメント
先日、病院から退院されて 1週間おうちで過ごし病院へ戻ってお亡くなりになられた方がいました
末期がんの若い女性の方です
おうちでは 「死ぬなら 家がいい」と叫んでいました
でも 介護休暇を取って 介護していたご主人がギブアップしてしまい 病院へ戻る方法でしか支えることができなくなってしまいました
さて ここからです
病院へ戻った彼女は 「気管挿管してでも生きていたい」と言ったそうです
緩和ケア病棟へのエントリーも取り消し 病院では倫理委員会を開催したと聞いています
彼女が生きたいと強く願ったわけは…
身ごもだった娘さんを暗示、病気のことを隠し 電話で いつも元気な母を演じていたようです
彼女が病院へ戻ったことを機に 娘さんは 生後1ヶ月の赤ちゃんを連れて 病院にきたところで 初めて
死が近いことを知ったようです
何がいいのか…
悪いのか…
ほんとに わからなくて 苦しい、苦しい事例でした
Posted by 宮ちゃん at 2019年03月30日 02:55 | 返信
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