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在宅医療の原点 永井友二郎先生の言葉

2017年05月20日(土)

在宅医療の先駆者である永井友二郎先生が亡くなられた。
その永井先生が残された言葉を、今こそ、かみしめたい。
医療の原点やどの方向に進めばいいのか分かる気がする。

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 永井先生が残した心に沁みるメッセージ

これからの日本の医療は、かかりつけ医の在宅医療を柱として進めることが大事です。
医学の切り売りでなく病人の身になっての医療が中心でなくてはいけないと思います。
 
 1、同じ町に住み、かかりつけ医として家族全員の診療、相談をつづける。
 2、いつも、時間外でも、深夜でも、診療し、往診する
 3、対話や相談にはいつも時間を惜しまない。どんな質問にも、納得がいくまでこ
   たえる。
 4、よい診診、病診連携がある。
 
以上のことは、大学病院や多くの病院の医師たちの、決まった時間だけの、
また 日によって人がかわる診療とは本質的に違います。

私は以前、日本医事新報、4218号、平成17年2月号に「往診の途中で死んだ
二人の医者」という小文をかきましたが、すべての町医者はいつもこの命がけの診療
をしており、死んだのはこの二人だけでないと思います。
 
以上のことは、この日本の町医者の医療こそが医療の本道であり、病人の求める医
療であることを示していると思いまます。

それで「在宅医療基本料」を新設することを提言しました。
 

 
        ―――*★*―――*



@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

以下、永井先生の追悼文を勝手に書いてみた。

すごい勢いで進化する医療の中で忘れ去られようとする医の原点を
思い出させてくれる、平易だけど行うは難い医の本質だと思います。
 
村上先生もそして旅立たれた先人、偉人達も同じ想いであったことでしょう。
多くのドクターも同じ想いだと想像します。
私も開業以来、同じ想いで歩んできました。
 
家庭医、かかりつけ医、総合医、総合診療専門医など言葉はたくさんあれど
それらの本質は永井先生の言葉の中にすべてあるものでしょう。
現在50歳以上の開業医は、自然とその言葉の意味が分かる境地にあるはず。
 
しかし現代は専門医の時代なので、若き家庭医志望ドクターが可哀そうです。
複雑すぎて分からなくなった専門医制度に翻弄されているようにも見えます。
私は「家庭医科」とか「町医者科」という標榜科目があればいいのにと思います。
 
幸い日本医師会が「かかりつけ医」を推進していますが、
これが多くの市民に受け入れられることを期待しています。
これがいかに楽しい仕事であるのかを若きドクターに伝えることも私達の役割。
 
ただ一点だけ気になるのは、「深夜」の対応です。
私は深夜はできるだけ寝た方がいいと思います。
ある年齢になれば夜はしっかり寝たほうがいい。
 
もちろん体力抜群で短眠OKのつわものなら可能でしょうが、
多くの現代の医者にはこれがたいへんなので、在宅医療推進
の阻害因子になっていると私は思います。
 
深夜帯は地域密着型の病院や、医師会運営の夜間診療所に詰めている医師が
病室に行くのと同様に患者さんの自宅に行く制度のほうが合理的だと考えます。
余先生のお招きで台湾の嘉儀に行った時、そこはそのようなスステムでした。
 
永井先生の言葉を噛みしめながら、現代流にアレンジすることも必要ではないか。
そのような感慨を持ちましたので、つい長々と書き込んでしまいました。
先生、ありがとうございました。
 
長尾和宏
 

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