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本邦初の在宅と救急の連携研究会

2017年07月22日(土)

東京・虎ノ門で「第1回日本在宅救急研究会」が開催された。。
在宅医療と救急医療の連携を深めることは大きな意味がある。
私もそんな想いで世話人を引き受け、シンポジストを務めた。

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 「第1回日本在宅救急研究会」が開催され全国から約200人が参加。
私は世話人と一人としてまたシンポジストの一人として参加。

在宅医療と高度急性期医療は一見、対局に位置するように見えるかもしれない。
しかし患者さんの立場からは両方が大切で車の両輪であろう。

そうした趣旨ではじまった本邦初の在宅医と救急医の連携の会が結成された。
全国の様々な地域での連携の取り組みを知り非常に感銘を受けた。

たとえば佐賀医大救命部は在宅医療と非常に親和性が高い。

「在宅医療は救急医療の一部門と考える」という考えかたは
佐賀県という人口80万人の県だからこそ成り立つのかもしれない。

あるいは八王子の永生病院が中心となった事前指示書をも取り込んだ
連携システムは目を見張るものだった。

救命医が在宅医療もやっていた。
このような先駆的な試みの全国の自治体が学ぶべき点が多い。

台湾の嘉儀という都市に講演に行った時に驚いたのは台湾の在宅が
9時5時であったことだ。

夜間対応は地域の中核病院の医師や看護師が患者宅を訪問していた。
まさに地域の病院が在宅療養支援病院として夜間対応を一手に引き受けていた。

しかし我が国の在宅療養支援病院や地域包括支援病棟は、
急性増悪時の入院加療と退院支援機能でてんてこまいだ。

また都市部の大病院では人的資源が豊富であっても
その人材が活かしきれていないように感じている。

そこに佐賀や八王子の先駆例は非常に貴重なものに思えた。

また、救急→在宅という連携方向も大切だし
慢性期病院や療養病床が持っている救急機能と在宅の連携も大切だ。

そして在宅患者さんを紹介する時に、充分な診療情報を提供することも反省。
将来的には同じ電子カルテを用いればリアルタイムな双方向性が可能なはず。


残念であったのは、リビングウイルに対する猛烈な攻撃がなされたことだ。
「リビングウイルは危険」とか「尊厳死が独り歩きして困っている」など。

なんという時代錯誤か。聴いていて本当に恥ずかしかった。
救急医は人生の最終段階の医療にはあまり興味がないことが大変気になった。

いまだにパターナリズムや延命至上主義だけの救急現場が垣間見えた気がした。
患者さんの希望にどう寄りそうのか、コミュニケーション技術も磨いて欲しい。

終了後、参加していた医師以外の多職種や市民からたくさんの同様の声を頂いた。
まあ、市民感覚や在宅感覚と救急現場との大きなギャップが確認できた場だった。

しかし特別講演された会田薫子先生が、私の言葉足らずの説明を、補完して頂いた。
そして「お医者さんの理解が一番低い」とズバリ本質を指摘されたので変容を期待。


この研究会は高齢者を対象としたものだから、本当の急変もあれば
当然、人生の最終段階の医療もあるだが、後者への理解を求めたい。

来年、近畿救急医学研究会から講演を依頼されている。→こちら
ならば、今日の経験を活かした講演を是非してみたい。

あるいは、私が問題提起した「医師法の周知や警察介入の阻止」
「看取り搬送対策」については耳の痛い話なのか、無視だった。

これではなんのための研究会なのか分からない。
綺麗ごとだけでは、進化させることはできない。

せっかく五島列島から駆け付けてくれた特養の施設長の
質問にも向き合う姿勢が感じられず、私もガッカリだった。

課題抽出、調査研究、議論、一定の結論、といったプロセスが必要だ。
以上の大きな課題は来年の第二回に期待するが、概ね成功だったろう。


在宅と救急・高度急性期医療は相反するものではなく、
協働、協調、補完し合う関係、もしかしたら同一かも。

みなさん聴きながら、いろんな思いを持ったのではないか。それも大切だ。
このブログで知り参加して頂いた方にこの場をお借りして緩斜申し上げる。

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この記事へのコメント

お疲れ様でした。参加させていただきました。今回のテーマが「在宅医療は患者の急変に耐えられるか?」でしたので、どうも在宅が分が悪く思えました。もちろん命を守るために日夜努力を続けておられる、救急救命ドクターには敬意を表します。次回のテーマは是非、「救急医療は真の意味で命を救えているのか?」なんかにしていただけたら・・・。それとフロアのアンケートをとっていただけたら、気の弱い方の意見も吸い上げられるのにと思いました。有意義な時間でした。有難うございました。

Posted by ルナース at 2017年07月24日 08:37 | 返信

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