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医療保険も介護保険もなぜ無駄を削らないのか

2017年09月12日(火)

社会保障費が国の財政を圧迫している。→こちら
しかし医療保険も介護保険も無駄だらけだ。
なぜその無駄を削らないのか不思議である。
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介護費膨張 3つの温床 25年度に20兆円
ムダの解消急務
2017/9/10 日経
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDC08H39_Y7A900C1MM8000/

 介護保険が膨張している。介護施設や在宅サービスの給付費は総額約9兆円に上り、2025年度には2倍以上のおよそ20兆円に膨らむ見込みだ。給付の伸びは高齢化だけでは説明しがたく、サービスのムダにつながる3つの温床が浮かび上がってきた。

【安い自己負担】

 標茶町によると、101回利用したお年寄りは軽い認知症を患うなどして手厚い世話が必須だ。こうしたやむを得ないケースもあるが、全国でみれば要介護度や居住環境が同じでも自治体格差が大きく広がっている。


【規制に抜け道】

 保険対象の施設などには国の総量規制があるが、ここにも死角がある。その一つがサービス付き高齢者住宅(サ高住)などによる需要の囲い込みだ。サ高住自体は一種の賃貸住宅で保険の枠外。ところが運営者の企業などがサ高住に住むお年寄り向けに自社系列の事業者を使い、頻繁な在宅サービスを供給するケースも急増した。


【監視難しく】

 では介護サービスの内容を定めるケアプランを厳しくすればいいかといえば、それも困難だ。ここに3つ目のムダの温床がある。介護保険の運営主体の市町村にはプランを精査して見直しを迫る権限がない。介護事業所の経営者は「ケアマネジャーと事業者が結託すれば過剰サービスは防ぎようがない」と明かす。


@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@


現場にいるものとすれば、医療も介護も無駄だらけ。
無駄を省くだけでも、社会保障費は半分に減らせる。

しかし今、行われていることは全く筋違いの重箱の隅つつきばかり
そんなしょーむないことをやる事自体が、また無駄になっている!

要は国が見ている視点は、まったく間違っている。
どこに無駄の本質があるのか本気で見ようとはしないのが不思議だ。

役所が縦割り組織で、現場と遊離した上から目線だからそうなるのか。
すごく簡単に解決できることでも、まったく方向違いに行ってしまう。

医療保険も無駄だらけ。
多重受診、多剤投与、重複検査、過剰医療など過剰だらけ。

政府広報で「正しい医療機関のかかり方」を啓発すべきだ。
「健康」という科目を、小学校教育からたたきこむべきだ。

一方、介護保険はまさにザル法。
必要なサービスが入らず、不必要なサービスばかりで埋め尽くされる。

これは制度の根幹が間違えているからで、是正する方法は簡単である。
このブログにヒントをたくさん書いているのだが、役人は誰も見ない。


まあ、こうして国は弱体化していくのか。
国際競争にも、北の脅しにも屈服ばかり。

国際問題も国内問題も根は同じ。
市民が本質に目を向け、考え、協力するしか国家の存続は無い。

経済と人間の尊厳は両立する。
尊厳を守れば経済は改善する。

介護保険法を改正すれば、介護保険は3倍良いものに生まれ変わる。
しかしこんな意見は届かないし、どんどん疲弊していくのが悲しい。

私たちの世代はまだいい。
平和で豊かな時代を生きてこられた。

大切なのは今の30代以下の人達に何を残せるのか。
今のままでは、まさに夢も希望も無い国で可哀そう。

大学で社会保障を教えているが、正直、虚しい。
教えるより、どうすれば改善できるのかの議論をしたい。

在宅医療や看取りや多剤投与の前に、やるべきことがたくさんある。
2040年の多死社会のピークを考えた時、若き政治家に希望を託すしかない。
















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この記事へのコメント

介護保険の実態はよくわからないのですが、最近よく耳にするのは、今まで要介護1以上をもらっていた人たちが、状態が良くなっているわけではないのに、みんな要支援に落とされているという話です。私の父もこの間はギリギリ要介護1をもらえましたが、半年で見直し時期が来て、次の認定調査では明らかに要介護からはずれる可能性が高くなってきました。財政が厳しいことがもろにこちらに響いてきますね。

Posted by CASIO at 2017年09月12日 05:48 | 返信

無駄だと思っていた中に、実は本当は大切なものが含まれていることも。
何が本当に無駄なのか、必要なものなのか、本質を見極める眼を持つことが、大切なことなのでしょうね。そんな風に思います。
人間が生きていく上で、必要なもの、大切にしないといけないものって、何でしょうか。

Posted by 社会福祉士河本健二 at 2017年09月12日 11:29 | 返信

大事なのは食育だと思ってます。
できるだけ添加物を使わないで、できるだけ多くの食材を、できるだけ新鮮なうちに食べることが習慣化できれば、欲を言えば、その時の体調に合わせて必要な食材を食べることができれば、医療の必要性はずっと減ると思います。医食同源というやつ。

介護保険の無駄使いも「食べる」部分にあると思います。誰かに食事を準備してもらって自分は食べるだけ、後片付けまでメンドクサイから誰かにやってもらうのが当たり前、という考え方の高齢者、特に高齢男性が死に絶えればかなり変わってくると思います。

家事力ってすごく重要だと思います。

Posted by 匿名 at 2017年09月13日 03:07 | 返信

確かに、ひどい状態ですね。私自身も、福祉用具の問題で、車いすをもう母が使えない状態なのに、ついつい返却せずに、借りていたことなんか税金の無駄使いだったなあと痛感しています。
要介護1であれば、好きなケアマネジャーを選べるけれど、要支援1か2になると地域包括支援センターのケアマネジャーが担当になります。良いケアマネジャーさんならどっちでも良いのですけど。
日本人は、大人しいお上に従順な国民と、思われますけれど、近代でも明治維新や5.15などの軍部のクーデターを起こしています。一種の革命ですよね。良い方に革命が行われえればよいのですけど、中国や朝鮮半島や東南アジアに侵略して行ったのですから、近隣諸国には迷惑な話です。
現在の日本の経済状態も、与党自民党でも良いから、合理的に改革していかない、抑えの利かない革命や暴動が起きると思います。
しかし、お隣のロシアを見ても、ロマノフ王朝を共産党レーニンが惨殺したけれど、一党独裁の共産党でスターリンの恐怖政治が続いて、やっと共産党が倒れたと思ったら、今度はプーチン王サマの登場なのですから、人間って王様や恐怖政治が好きなんですね。いつまで経っても民主主義なんてあり得ないのか。
塩野七生さんが「ギリシャの民主主義」について書いていますけど「分かり易い政治」と「ポピュリズム」の違いの苦しみが、難しいです。1970年の「沖縄返還」も何かおかしいなあと思ったら、米軍と原子力潜水艦の核の持ち込みを許す密約があったんです。国民に隠す「密約政治」は止めて欲しいものです。
又しても、取り留めのない話ですみません。

Posted by にゃんにゃん at 2017年09月13日 03:47 | 返信

近所の介護利用者たちの姿に不快感を覚えます。
日常的に自転車で買い物に行ったり、パークゴルフを楽しんだり、冬は除雪に精を出して、日常生活に不自由のない方たちが、使わなきゃ損とばかりに、近所の介護施設のデイサービスを利用しています。
しかも、歩いて数分の、目と鼻の先の施設まで、ヘルパーさん付き添いの送迎車で手厚く送迎されます。
日頃自転車を自由に乗り回しているような人たちの利用は必要でしょうか。
年齢が上がれば若年者のようにスピーディーに体が動かなかったり、思い通りに動かなくなるのは当たり前です。それを長年の生活経験の知恵でカバーし、老年者なりの暮らしを作っていくことが、そもそも生きるという事だし、歳をとる醍醐味ではないでしょうか。
それを、予防介護の名のもとに、果てし無く介護の掘り起こしをしている介護業界と利用者の醜い姿。
このような事態は、私たちが本来望んだ姿とは大きく乖離しています。
そんな人たちのために月額1万円も負担しなければいけないなんて、札幌の介護は間違っています。

Posted by 田中 あさみ at 2018年08月07日 03:47 | 返信

皆様お疲れ様です
札幌から遠い長野ですが、田中あさみ様のご意見に全面同意です。

介護度がつく以前からケアマネが「訪問看護は?」「リハビリは?」「デイサービスは?」と介護漬けにされているように感じます。自立度の高い方も家族のレスパイトとして必要のないショートステイを組んできます。また、「とりあえずリハビリ」という目的を見失った通所リハを組んだりしています。
リハビリで身体機能が上がったとしても、卒業する方法は急変による入院くらいしかありません。

また、国の方針である自立支援とは程遠い介護が現場では行われていると思います。
入浴の際、更衣自立の方も全介助で着させられる。食事の場面では上げ膳据え膳は勿論、おやつの小袋さえも開けてくれる始末です。歩ける方なのに車いすに乗り、昼間からベッドサイドのポータブルトイレで用を足す。これが介護ですか?と疑いたくなる状態があちらこちらで見られています。
このままでは社会保障制度の崩壊も目前だと思われます。

Posted by 長野 太郎 at 2018年08月09日 05:37 | 返信

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