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延命治療の果ての平穏死
2017年09月13日(水)
延命治療をしない結果が平穏死、とは限らない。
なかには、延命治療の果ての平穏死にも遭遇する。
本人と家族が満足して、穏やかであればそれでいい。
なかには、延命治療の果ての平穏死にも遭遇する。
本人と家族が満足して、穏やかであればそれでいい。
病院での退院前カンファレンスに呼ばれて、よくあるパターン。
認知症終末期や老衰の超高齢者に、
・高カロリー輸液
・胃ろう栄養の併用
・気管切開
・膀胱バルーン
と、4本の管が入っているのに、病棟の看護師さんは
「ご家族は延命治療を望んでいません」と言われるようなケース。
「もう充分やってるやん。これ以上やるなら、人工呼吸器という意味か」
と心の中で思うが、看護師さんに逆らうと怖いので黙って頷いて帰る私。
そんな状態でも高度急性期病院に半年もいさせてくれる「例外制度」がある。
「特定除外」と言って平均在院日数のカウント対象から除外されている人だ。
「でも家に帰ってもせいぜい2週間かな」なんて内心思う。
本人に語りかけても返答はあるような、無いような状態だ。
しかし予想に反して半年以上、平穏な在宅生活が続くことがある。
家族は大満足だし、本人の意識レベルも上がり、いことだらけだ。
しかし多臓器不全が徐々に進行して、ついに「余命1~2週間」と宣告した。
しかしそこまらまた1ケ月生きるので、人間の生命力は凄いなあと感心する。
そして絵に書いたような穏やかな最期が訪れて、御家族は感動の涙を流す。
「これが長尾先生が本に書かれているとおりの平穏死ですよね」とご家族。
「はい、そうですよね」と私。
まあ、こんな最期も稀にある。
末期がんで人工呼吸器を着けて帰ってくる人もいる。
ご家族は、「延命治療は絶対にイヤ」と主張される。
病院のスタッフたちも、家族の意向には逆らえない。
昔、こんな歌があったことを思い出す。
「いいじゃないの、幸せならば」
この歌詞のとおり、本人と家族が幸せならば、それでいい。
しかし社会保障費のことを考えるとこんな呑気なことを言えるのもあと数年以内か。
PS)
この1週間は、魔の1週間だった。
なんだか、辛いことが多かったな。
従業員が100人でも経営者をやっていれば、管理者しか分からない悩みが降りかかる。
自力ではどうすることもできない災難が重なる時、人は昔から、神様にお祈りしてきた。
しかし今日あたりから潮目が変わる予感。
バイオリズムには必ず陰と陽があるもの。
陰の時は、なるべく余計なことはせずに
じっと祈って、待ち祈ることに限る。
秋の気配は充分になってきた。
みなさまと一緒に私も野原を駆け巡ろう。
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この記事へのコメント
主人の両親、私の両親がまだ元気なうちに全員リビングウィルに入ってもらいました。その結果、主人の父が慢性腎不全の状態で骨折した時も延命治療をせず、静かに4日で亡くなりました。私の母も慢性腎不全で人工透析をしないで、結果的に尿毒症にはならず、老衰で亡くなり、穏やかな最期でした。人それぞれ様々な亡くなり方がありますね。
先生もいろいろとご苦労がおありのご様子、道が開けることをお祈りしています。
Posted by CASIO at 2017年09月13日 05:56 | 返信
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