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第3回粟島研究会と遠隔看取り

2017年09月29日(金)

今日は、新潟県村上市に移動して「第3回粟島研究会」をやっていた。
粟島村の村民、民生委員さん、看護師さん、研究者と「粟島の医療と
福祉のこれから」というテーマで、忌憚ない意見交換会が開催された。
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新潟県には2つのし島しかない。
かの有名な佐渡島と粟島である。

粟島は人口350人の小さな村で2つの集落があるだけ。
人口減少と高齢化に悩まされているのは、ここも同じだ。

粟島島民は、一家に何台もの車がある。
島内に一台、対岸の村上に一台が、家族一人ごとにある。

2年まえにこの島で講演して、公民館で夜は村民たちと
終末期医療で語り飲み明かしたし咋年も村上で講演した。

村なので小・中学校があるが、全校生徒は27人しかいない。
うち「しおかぜ留学」の子供が13人だから、島の子は14人。

現在は、6年生は一人もいない。
村会議員は7人で民生委員が2人。

警察と医者はゼロだが、幸いにも看護師さんが1人いる。
観光客は年間16000人で、民宿は民宿は30軒ある。

高齢者はほとんどが、島外死。
状態が悪化すれば早めに対岸の村上市の老健や病院に移動して最期を迎える。

村上市で焼いて、骨になって島に帰ってくる。
しかし「島で死にたい」という高齢者がいることは2年前に確認した。

果たしてその願いは叶うのか。
その前提となる介護は大丈夫か。

しかし、こんな小さな島でも年々、コミュニテイは崩壊してしまい、
隣の家はあっても空き家だったりで地域力はどんどん弱まっている。

閉鎖社会である分、隣人との関係性、プライバシーが微妙だという。
要介護者が出ても、とても地縁・血縁だけでは支えられないそうだ。

要介護者は数人いるが、2年前に訪れた時にすべての家を訪問して
ヒアリングをしたので、実情を知っている。

嫁が介護をした場合、親戚がうるさい場合がある。
「嫁だけには世話になりたくない」という姑もいる。

オムツをしたら、嫁がいじめられることも。
娘なら何も言われないのが、350人の島。

介護保険事業者もゼロで、島外からも入っていないので実質ゼロ。
介護保険料を払っていても島内では介護サービスは受けられない。

需要はあるが小さすぎて、ペイしないという。
それでは介護保険詐欺なので、村行政が考えるべき課題だ。

私は行政がもっと村上市の業者に働きかけることを提案した。
人間の行き来を促進することから活性化が始まる、と考える。

だから、粟島の観光ももっとアピールすべきではないかとも主張した。
「潮風留学」や「ホースセラピー」の素晴らしさをもっと伝えるべき。

独居高齢者がいるが、サービスはゼロ。
孤独死は7年前に1件あった後はなし。

粟島は日本の「地方」の縮図で最小単位である。
「もし日本が100人の村だったら」の世界だ。


だからこそこの粟島で「地域包括ケア」が実現できるのかに注目している。
もし成功すれば「地方再生」や「地域包括ケア」の最小単位モデルとなる。

今回のメインテーマは。そんな粟島で「在宅看取り」が可能かどうか、であった。
去る9月2日に、厚労省から「ICTを用いた遠隔看取り」が正式に認可された。

詳細は厚労省のサイトに全文掲載されているが、結構ややこしい。
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T170913G0020.pdf


医療関係者はよく読んで欲しい。
遠隔看取りは大都市でも適応される通達だ。

こ幸いにも島に住む看護師さんともスカイプで研究会に参加して頂き、
私の得意な「看取りの法律」についても解説し、会議は盛り上がった。

粟島での遠隔看取りはもう可能である。
ただし、対岸の村上病院の訪問診療が必須だ。


15時から、新潟から新幹線で東京に移動。
駅構内で偶然に、平井みどり名誉教授に会い、ポリファーマシーの議論に。

17時からは、「在宅医療、見える化会議」に出席した。
19時からは、「在宅医療推進の会」に出席して、日医の鈴木邦彦先生の話を拝聴。

すばらしい講演でとっても感激した。
鈴木先生の病院こそが、「地域包括ケア病院」であると思った。(そう呼ぶことを提案した)


中小病院が行う配食サービスが孤独死防止に役立つかも。
ヤクルトおばさんも大切だが、配食サ―ビスもいい。

70人も委員がいる中、私は鈴木先生に、5~6つもの質問を投げかけた
なかでも遠隔看取りについて粟島の例も出しながら、いろんな確認をした。

医政局長や保険課長など日本の要人がそろったこの場で、敢えて大切な質疑をした。
この詳細はまたいつかここに述べたい。

昨日は、トンデモな日であったが
今日は、まあまあの日であったな。

会の終わりに、携帯が鳴った。
どうやら、お看取りのようだ。


まさか遠隔看取りてなことはできないので、急遽懇親会をキャンセルして
最終の新幹線に飛び乗り、帰阪の途についた。

明日は、朝一から松山市の中矢暁美さんと対談したあと、
13時からは第7回阪神認知症フォーラムで講演して歌う。→こちら

まだ昨日のショックを引きずっている。
気が小さなに人間で、自己嫌悪。

まあ、明日は明日の風が吹く。







































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