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遠隔診療・AI活用と医療費抑制

2017年11月06日(月)

「遠隔診療」というと、なんだか怪しい、怖い印象があるという人がいる。
しかし携帯電話は「遠隔会話」だし、ネントバンキングは「遠隔金融」だ。
メールは「遠隔通信」でツイッターは「遠隔呟き」でFBは「遠隔近況報告」。
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医療分野においても、遠隔診療はすでにかなり導入されている。

・遠隔読影(放射線科)
・遠隔手術(ロボット手術)
・遠隔迅速病理診断(僻地)・・・


良い悪いというよりも、どのように使えば患者さんが幸せになるのか。
医療機関の利害では無く、患者さんの利益のために検討されるべきだ。

そして人工知能(AI)と組み合わせることで、恩恵を得る患者さんは増える。
あくまで医療費抑制の観点ではなく、患者さんの利益のために議論をすべき。

在宅医療の半分程度は遠隔診療に置き換えらるような気がする。
外来診療では、禁煙外来は当院でも実施しようと思っている。

以下は、多田先生がMRICに書かれた文章。


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遠隔診療とAI活用は医療費の抑制に貢献するのか?
「医療の質を保って医療費も抑制」という困難な課題への挑戦
 
この原稿はJBPRESS(10月2日配信)からの転載です。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51208
 
武蔵浦和メディカルセンター
ただともひろ胃腸科肛門科
多田 智裕
 
2017年11月2日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
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9月28日、臨時国会の冒頭で安倍晋三首相が衆議院を解散すると表明しました。
安倍首相は、消費税率を10%に引き上げる際の増税分の使い道について「国民に信を問う」とのことです。これまでは増税分を国家債務の返済に使うとしていましたが、方針を改めて2兆円規模の政策財源に充てるとしています。
医療費を含む社会保障費が増加していることへの対応としては、「すでに抑制する努力をしており、これからも続けていく」と報道されています。具体的には、2018年度は6300億円と見込まれる自然増を5000億円以下に抑えるため、1300億円削減する方針とのことです。
今回は、医療費削減と医療の質向上を両立させる有力な手段となりうる「遠隔診療」と「人工知能を使った診断支援システム」の活用について、紹介したいと思います。
 
●遠隔診療は医療費削減に貢献するか?
まず、“スマホ通院“とも称される遠隔診療についてです。
この8月、医学雑誌「Lancet」に遠隔診療の大きな可能性を示す論文が掲載されました。オランダで、潰瘍性大腸炎などの難病である炎症性腸疾患患者に遠隔医療システムを用いた自己管理システムを使用したところ、患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を保ちつつ外来受診回数や入院回数が有意に減少したというのです。
現在、MRT社の「ポケットドクター」、メドレー社の「CLINICS」などのシステムを使用することにより、患者はスマホ上で診療してもらうことが可能になっています。通院の移動時間、会計の待ち時間がなくなるため、仕事をしている方は、通院コストが大きく削減できているものと思います。
ただし現時点では、遠隔診療はあくまでも“対面診療の補完“なので、遠隔診療のみで診療が完結することはありえません。そのため、通院コストの削減効果だけでは、医療費抑制に果たす役割は限定されてしまうことになります。
今後、遠隔診療システムの機能がアップデートされ、新たな機能が加わるようになれば、診療所や地方でも高い水準の医療を提供し、開発費や導入費用を上回る医療費削減効果が実現されていくことでしょう。
モバイル機器上で稼働する治療アプリを開発したキュアアップのような医療ベンチャーも現れています。導入費用ゼロの遠隔診療を目指すお茶ノ水内科院長、五十嵐健祐先生の取り組みもあります。
このように、より良い遠隔診療サービスが受けられる環境が整ってきています。来年度の診療報酬改定で、遠隔診療普及のための政策的な後押しが行われることを期待しています。
 
●AIを活用した内視鏡検査は医療費削減に貢献するか?
私たちが開発を進めている“人工知能を使った内視鏡画像診断支援システム”も、その有用性がほぼ確実となっています。
(参考・関連記事)「人工知能が検診の見落としを防ぐことは可能か?」
人工知能を使った内視鏡画像診断支援システムの開発には、現在、国立がん研究センター、昭和大学工藤進英先生グループ、オリンパス、そして消化器内視鏡学会などが取り組んでいます。
人工知能を使った内視鏡画像診断支援システムは、医療費削減に大きな効果があるのではないかと期待されています。その大きな理由は、人工知能の画像診断スピードが人間のスピードをはるかに上回っているからです。
私の所属する浦和医師会では、胃がん内視鏡検診2次読影(ダブルチェック)業務として、年間200万枚以上の画像を50名以上の内視鏡専門医が1年間かけて判定しています。このダブルチェック業務を人工知能に行わせると、1年分の仕事が数時間で完了します。もちろん最終的には専門医のチェックも必要になりますが、医療の質を保ちつつ大幅に負担が軽減されるのは間違いないでしょう。
とはいえ、検診ダブルチェックに人工知能を使用しても、医療費削減の効果はあまり大きいとは言えません。なぜならば、ダブルチェック業務はコストがかさむため、行っている医療機関・検診センターが極めて少ないからです。現状でダブルチェック業務を行っているのは、原則として市町村が行う胃がん内視鏡検診のみです。
一方、内視鏡検査時にリアルタイムで使用した場合、早期がんの発見比率が高まり、結果的に医療費抑制につながる可能性はあります。早期に発見すれば、内視鏡切除で済み、胃や腸切除を伴う手術が必要ではなくなるからです。ただし、現場で実証実験を行い、データで証明するには、年単位の時間がかかると思われます。
 
●様々な分野で模索を続けるべき
前述したように、遠隔診療を「通常外来+遠隔診療」「通常訪問診療+遠隔診療」という形で進めている限り、すぐに医療費削減の大きな効果が出ることはないでしょう。
また、人口知能を使った内視鏡画像診断支援システムにおいても、開発コストや導入費用が確定されていない現状では医療費の抑制効果は未知数です。
しかし、このような、医療の質と医療費抑制の両立の模索を、様々な分野で続けるべきであると私は思います。あらゆる分野でこのような取り組みを続けることでしか、「医療の質を保ちつつ、医療費も抑制する」というとてつもなく難しい課題が達成されることはないのではないでしょうか。
 

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以下もMRICからの転載。


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夜間、子どもの具合が悪くなったとき、遠隔診療で診て貰いたい ~育児中の女医の経験
 
大島久美
 
2017年11月7日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
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夜間や休日に子供の具合が悪くなった時、どうしますか?対処方法が正しいか、診療時間外に病院を受診した方が良いか、など判断に迷いませんか?
 
私は、現在、いわき市で、1歳児の育児中の内科医です。先日、金曜日の夕方に子供が発熱しました。その夜、40度を超す発熱が続きましたが、比較的元気で水分摂取もできましたので、自宅で様子を見ました。そして、土曜日、小児科の通常診療を行っている医院を探して受診しました。鼻汁と咳もありましたので去痰剤を処方されましたが、「かかりつけではないので、週明けに熱が続いていたらかかりつけ医を受診して下さい」と言われたのみで、状態についての十分な説明も解熱剤の処方もありませんでした。受診後も発熱が持続し、子供の活気もだんだんなくなってきて解熱剤が必要と考えたため、薬局で購入して対応しました。土曜日の夜から皮疹が出現しましたが、何とか水分をとることはでき尿も出ていましたので、緊急で時間外診療を受診する状態ではないと考え、週明けまで自宅で様子を見ました。
 
インターネットで調べたところ、いわき市の「休日・夜間診察病院」は1か所のみでした。1か所しかない救急病院ですので、特に、緊急性のない受診は控えるべきと考えます。
 
しかし、受診の必要性の判断は難しいと思います。医学的知識があっても不安になります。子供のつらそうな様子をずっと見ていたり、周囲から「本当に大丈夫?」「病院に行かなくてよいの?」と言われたりすると、不安は増します。特に、夜は人間を不安にし、時間の経過を遅く感じさせます。さらに、子供の病状は刻々と変化します。このような時、「安心」と「安全」は違うと実感します。
 
最近は、ウェブサイト「こどもの救急」など判断の参考にできる情報もいろいろと入手できます1)。また、厚生労働省の提供する小児救急電話相談(#8000)で電話相談をするという方法もあります。平成25年度実績報告では、いわきのこども救急電話相談の件数は1713件(のべ365日)でした2)。平均すると1日あたり4-5件の計算になりますが、いわき市の人口(346119人、年少人口(0-14歳)41102人、平成29年4月1日)から考えると少ない印象です3)。手段を知らない場合も多いのかもしれません。そして、知っていたとしても、「自分が子供の状態を正確に把握できるか?」「状況を十分に説明できるか?」などと考えると、時間外受診を第一選択とするかもしれません。
 
休日や夜間のコンビニ受診が問題視されるようになってかなりの時間が経過しています。「コンビニ受診」とはウィキペディア(2014年12月29日)では「一般的に外来診療をしていない休日や夜間の時間帯における、本来は救急外来を受診する緊急性のない軽症患者の行動のこと。」となっています4)。休日や夜間の小児科の受診では軽症が多いことが指摘されております。その原因の一部には、この「安心」の問題があるのではないかと思います。実際、医学的知識があるはずの自分でも、受診して安心したい、という考えが頭をよぎりました。
 
このような時、電話相談だけでなく遠隔診療が可能となれば、役に立つと考えます。対面診療とは異なりますが、子供のぐったりした様子、特に今回のような皮疹などを実際に確認してもらうことが可能ですので、安心できます。遠隔診療において夜間・休日の救急外来受診の必要性を判断することで、振り分けの機能を果たすことが可能です。振り分けが可能となれば、小児の発熱や皮疹の場合、感染性疾患の場合も多いので、受診による感染症の拡散防止に役立ちます。さらに、患児や保護者にとっても通院や待ち時間の負担軽減になるだけでなく、病院にとっても混雑の緩和につながり、夜間や救急診療の本来の対象である緊急性のある重症患者さんに力を割くことができるようになります。そして、遠隔診療であれば、地域の病院との連携が必要ではありますが、医療過疎の地域でもアクセスが可能です。
 
厚生労働省は、これまでに何度か遠隔診療の基本的考え方や医師法第20条等との関係から留意すべき事項を示した通知を発出し、柔軟な運用が許容されるようになってきています5)。また、政府もスマートフォンやパソコンのビデオチャット機能を使い、インターネットを介して医師が診療を行う遠隔診療(オンライン診療)を2018年度診療報酬改定で評価する方針を表明しており、今後の普及が考えられます6)。夜間・休日の救急外来受診の振り分け機能としての遠隔診療は、検討に値する分野なのではないでしょうか?
 
そして、遠隔診療であれば、私のような育児中の女性が在宅等で勤務できる可能性も考えられ、人的資源の有効活用にもつながるかもしれません。
 
【参考】
1)http://kodomo-qq.jp/
2)https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/21045c/iryou-kodomokyukyu.html
3)http://www.city.iwaki.lg.jp/www/genre/1455071990247/index.html
4)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%93%E3%83%8B%E5%8F%97%E8%A8%BA
5)http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/johoka/index.html
6)http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/
 


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