「薬の適量処方」も、いいだろう。
が、素人にとっては、「認知力低下からの生還」の方に、
関心がある。
毎日1.5ℓの水を少しずつ、本人みずからとることで、
徘徊がなくなり、古い記憶も最新の記憶も回復した、
という事例も。

今年は、イシグロが、歴史的な「記憶」と「忘却」について、
世界にも、日本にも、問題提起した年だった。

内村航平は、１日１食。体重は測らず、
日々、「100のポイント」を点検する、という。
「勝ちさえすればいい」なんて、ものではない。

明治150年、思考停止、丸投げが楽ちんな国民性。
福島避難のこどもへの大人のいじめ、
普天間小学校への誹謗、阪神震災慰霊碑への冒涜。
スケープゴートを見つけては、狂喜し罵り攻撃する。
「アヘな人」たちと、傍観するおおぜいの人たち。

日本国の「認知力」は、世界最低レベル。
いまや、「忘却の巨人」に。

認知症治療研究会関連の研修会はいつも、サムーい時か、アツーい時に限ってるですね。
できるだけ皆さんに来ていただける時ってことでしょう。
雪が心配です。

先日、忘年会を兼ねた同窓会が行われました。
忙しい年の瀬なので、小ぢんまりとした集まりでした。
年代柄、親の介護が共通の話題になりました。
父親が明らかな認知症になり、世に言う問題行動を
行うようになり、その様子を見兼ねて世話を焼いていた
母親が、いよいよ認知症になってしまった、とエピソード
が話されました。認知症になりたての頃に抱える不安が
満載です。本人が何かにつけて救急車を望んだり、
病院で薬を所望するので、種類が増えているとか。
そして、律儀に薬を数えて、ごはんの如く薬を欠かさない
生活をしていると。そして、病院通いの付き添いを果たして
いることで、これが介護と、ある種の満足感があるようにも
聞こえます。
こちらも、場が白けない程度にボソッと「薬ねェ..」と言葉に
してみると、チラッと「薬害もあるしねェ」と助け船の声も
あったりと、割とリアルな会話ができました。
保健所が催す認知症セミナーなどは、日程・時間的にみて、
参加者層が限られた、ある種の狭さを感じています。
企業内での出前トークのような設定で、介護を語る・知る場が
あっても相応しい御時世のような気もします。