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抗パーキンソン病薬の多剤投与
2018年01月29日(月)
まだ雪が残る日比谷公園の中にある、素敵な会場。
厳しい寒さなのに沢山の人が来てくれて感激した。
わが会の理事でマドンナである白土綾佳先生が
「抗認知症薬の不都合な真実」について語った。
2年前にこの会が会が結成されて、一昨年の6月に抗認知症薬の増量規定は
撤廃されたはずなのに、医学会の圧力なのか過剰投与に苦しむ人がまだいる。
続いて、中坂邦義先生が「抗パーキンソン病薬の多剤投与の現状と減薬」
について熱く語ったが、現場の医師にはため息が出るような内容だった。
中坂先生の著書「パーキンソン病 少しずつ減薬すれば良くなる」
の出版記念講演会でもあったのだ。
抗認知症薬は最大2剤併用までだが、抗パーキンソン病薬は7~8剤の
ポリファーマーシーがあるので、信じられないような患者さんがいる。
その結果、医原性のレビー小体型認知症にされている、と指摘した。
誰が聞いてもおかしな話であるが誰も是正できないのが現状である。
パーキンソン病診療における「不都合な真実」を暴露するだけではなく
「適切な減薬手順」を示しているので素晴らしい仕事をしていると思う。
この講演を聞かれたある医師から、「減薬規定」を設けては、という提案を頂いた。
以下は引用。
ーーーーーーーーーーーーーーー
.「減量規定」が正しい
理由:①治験は若い合併症がない軽度の認知症、投与対象は後期高齢者の合併症が多い重症者が多い
②加齢・認知症の進行によって脳細胞・シナプスは減少・激減してゆくのでテイパーリングが必須
③ATD進行による海馬の萎縮を見れば投与量一定のままがおかしい事は明らか
← 増量規定(のみで減量中止規定がない)のおかしさを図示できます!
よって、高齢者には少量投与かつテイパーリングしてゆく「減量規定」が必須
「前期興奮」=過量→減量/中止
「後期興奮」=中止/減量
ーーーーーーーーーーーーーーーー
この見解に私も賛成である。
これはまたの機会に医師レベルで真剣に議論したい。
私は2人の講演と座談会の司会係であったが、とても勉強になった。
わざわざ来てくれたみなさんにもきっと大きな収穫があったのでは。
ここまで酷い認知症医療への対処は今のところひとつしかない。
市民が薬に関して賢くなって、見抜く以外に適切な方法はない。
脳に作用する薬をどんどん増やす会は日本に数えきれないくらいあるが、
患者さんの尊厳を守る適切な減薬方法を指南する会は、ここにしかない。
その意味でも本会は貴重な会であり、活動を継続する意義があることを確認した。
脳に作用する薬の「薬害」で困っている方は、同会のHPに書き込んでほしい。→こちら
次回のイベントはHP上で告知するので、満席になる前に
予約できるように、時々チェックして頂ければ幸いである。
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この記事へのコメント
過剰診断・過剰医療・多剤大量投与、これらの情報は、インターネットilliteracy層には届いていないと思います。
父の納骨などで、久しぶりに親戚(後期高齢者以上)に会いましたが、「色んな医者がいるから、気を付けないとね」と言ってあげるのが精いっぱい。
ヘタに口を出して、私には介護責任の無い高齢者まで抱え込みたくないので、余計なことは言えません。
長尾先生の本を勧める以前に、現状の医療を「ちょっと疑ってみる」ことを勧めるのさえむずかしい。
医者の人柄や話し方は話題になっても、医者が出すクスリに疑問をはさむレベルまではとうてい及びません。「オマエ、医者じゃないくせに何言ってる?」という反応が目に見えている。
吉本興業がインターネットの役割を果たして、お笑いで過剰医療過剰投薬を告発してくれないかしら。
Posted by 匿名 at 2018年01月29日 03:09 | 返信
ごくろうさまです。
Posted by 尾崎友宏 at 2018年01月29日 07:53 | 返信
医師の世界は、正に自分次第な「職人」社会なのだナァと
常々思います。"方針に従って " とかが大いにあるので
しょうけれど、自分が求める真理を追求しようと思えば、
たとえ茨の道であろうとも、貫き通す価値がある。その
道筋、手段をも考えて行動しさえすれば、未知の世界を
開拓でき得る、それが醍醐味なのでしょうね。
その境地に至ることをせずに(興味ない人)、ただ高収入の
手段でしかない、そんな医師もいるのでしょう。
なにかと、人間模様が垣間見えます。
「人のためになる引き算」とか「撤退する」とかの
冷静な後退は大事だなァと思います。
減薬とかの単純そうに見えるが難しい、そんな作業の一コマ
から、ふと思った雑感です。
Posted by もも at 2018年01月29日 09:52 | 返信
はるばる来たで、日比谷公園の図書館。
とは申しますものの、全く不勉強なもので、さっぱり議論に付いて行けませんでした。
「パーキンソン症候群」とか「レビー小体型」とは何ぞやということも、勉強していなかったものですから。勉強していないから、担いで行く本ばかり多くて、後ろにひっくり返りそうになりました。
長尾先生は「中沢先生のご講演を聞いて興奮した」と仰っていましたけれど、登壇してデスカッションして頂いたのもドクターばかりで、かなりマニアックな話題でした。
私の母の場合は、錐体外路障害だったのかとも思いましたけど、「振戦、拘縮、無動、舞踏運動、片側バリムス、アテトーゼ、ジストニア、」は、いっさい見られませんでした。
「進行性核上製麻痺」かと思いましたけど、不勉強でよくわかりません。
「パーキンソン症候群」と言うのは、「身体の科学」という一般向け医学雑誌に「PPMストーリー」という話が載っていました。アメリカの大学生が、いつもの通り、合成麻薬だか、ヘロインだかを作ろうとして、1プロセスを抜いて合成した麻薬を、服用したところ、立ちどころに最悪の状態のパーキンソン病になった」という症例でした。ですからパーキンソン症候群、パーキンソンニスムス、
錐体外路障害、進行性核上製麻痺などは、なんらかの、脳、大脳に影響を与える薬は影響しているのではないかと思いました。
「レビー小体型認知症」というのもよくわからない症状です。
父は、タバコを吸っていました。そのせいか、夜中に2月に一回くらいで、悪夢をみて、大声で騒ぎました。「お父さんどうしたの?」と起こすと「泥棒が入って来た」と夢を語りました。
身体も右か左かわすれましたが、いつも傾いて歩いていました。
でも、認知症と言うほどの物忘れはありませんでした。いつも日記を付けて認知症にならないようにしていると言っていました。
母は、物忘れがあって、薬剤過敏症でしたけれど、「夜中に夢で暴れる」という事はありませんでしたし、身体の傾きはありませんでした。晩年の末期は「口も効けない、右手でお箸をもって食べ物をつかむことができない、一歩も歩けない」状態で、大動脈解離で死にました。どちらがレビー小体型認知症なのか分かりません。
中沢先生が「介護している家族こそが薬について介護についてしっかり責任を感じなければいけない」とのお言葉がズシリと応えました。昔は「医者に貰った薬にわかる本」で調べたりしていましたけど、忙しさに紛れて全く考えなくなりました。
東京からクタクタに疲れて帰って来て、咽喉が痛くなって寒気がするようになりました。ホテルで久しぶりにシャワーをあびて、お風呂に入ったせいかもしれないと思いました。
今年は70歳になりますから、後期高齢者になります。勉強したいけれど、いつまで持つかなあと思います。
好奇心と言うか、向学心が途切れた時が、止め時かも。
日比谷公園って初めて行きましたけど、デートに最適ですね。
何処かの医大生とかわいい女子大生とか。
Posted by にゃんにゃん at 2018年01月30日 11:15 | 返信
にゃんにゃんさん
後期高齢者は75歳からですよ!!!
Posted by 匿名 at 2018年01月31日 03:28 | 返信
中沢義邦先生の「パーキンソン病、少しずつ減薬すれば、良くなる!」を拝読しました。
と申しましても、難解ですのでサッと読んだだけです。
私の母の場合は、長年患った、不整脈から、脳血管障害性パーキンソニズム(CVD-P)であったかもしれないし、正常圧水頭症(NPH)であったかもしれない。
物忘れ症状が出て、内科医の紹介で、市内でただ一軒しかいなかった神経外科に「あんたは、アルツハイマーだ!!」と怒鳴られて、内科医にアリセプト3mmgを飲むように言われて、1/4に割って服用して8年目に別の脳神経外科に「91歳になって、生年月日が正常に言えるのだから、アルツハイマーでは無い」と言われました。母はアリセプト3mmgを飲むと胃は痛いと申していました。母も私も薬剤過敏症です。それなのに、私は母にアリセプトを9年間飲ませてしまいました。
「振戦」が無かったので気が付かなかったのですけど、パーキンソン症候群か、レビー小体型の認知症になっていたのかもしれません。
父は、インフルエンザを拗らせて肺炎になり、病院に入院して院内感染MRSAで、苦しみながら死にました。母の介護は父の時のようなヘマはするまいと思っていたのに、またしてもバカな介護をしたものだと思います。とても、在宅介護をしましたとは、胸を張って言えないと思います。
中沢先生のご著作も、河野先生のご著作と同じく、臨床的なご本ですので、何回も読んで見て「母の場合はこれだったのかなあ」としか、推測できません。もう死んでしまいましたから。
Posted by にゃんにゃん at 2018年02月21日 04:59 | 返信
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