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医療訴訟講座のあと

2018年02月15日(木)

今日は午後から、「医療訴訟の傾向と対策」の指定講習を受けた。
毎年2月になると全開業医は必ずこの講習を受けないといけない。
毎年この講演が終わった直後は全医師が医者を辞めたくなるはず。
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2月もはや後半になった。
なんと早いペースなのか。

風邪やインフルで、連日、野戦病院並みに忙しい。
在宅医療も毎日のように新規や往診で休みがない。

スタッフ達は必死で頑張っている、一年で一番忙しい月、2月だ。
そんな月に毎年、医療への意欲を100%落とす怖い講習がある。



医療訴訟はふとしたミスから起こる。

・明らかな医療過誤(これは減らせる)
・謝罪のタイミングを間違えたため
・たった一言のため大きな訴訟に発展したケース
・毎日して問題が無かったはずの注射での死亡例・・・

高齢者には、何かをしすぎてもいけないし
何もしないのもいけない、という話も多い。

真っ暗な会場で暗くて恐ろしい話ばかり聞きながら思うのことは
・医療は本質的に怖い。
・医療の不確実性があるので事故を100%防ぐことは不可能である。
・何もしないのが一番安全なようだが、それで訴えられることもある。

医者も患者も、
行くも地獄。
帰るも地獄。


日本中の医者が毎日、医療訴訟にハラハラしながら、医業を営んでいる。

多くの医師は、こんな話を聞きながら
・叶うなら、早く医者を辞めよう、
・あるいは、自分だけは一生ラッキーであることを祈ろう、と思うのでは。


医療とは、まさにロシアンルーレット。
どんなに気をつけても、誰かが必ず当たる。

そこが自動車の安全運転とは、本質的に異なる。
「運」のようなものも、たしかにある。

自分が優秀とかどうかではなく
単に、運がとても良かっただけ。


医療ほど危険なものはない。
しかし医療で救われる命もある(当たり前だが)。

寒く少し雨がチラつく帰り道は、2年前に母親と一緒に歩いた道でもあった。
「母さん、俺もそのうち行くからね。それまで頑張るぜ!」と言い聞かせた。














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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

・明らかな医療過誤
・毎日している安全なはずの注射での死亡例・・
この二つは、100%医療提供者側の落ち度です。

「医療には常に不確実性が伴う」と、長尾先生も書いておられますが、
医療の不確実性とは、患者一人一人個体が異なるので一定の治療方法がすべて同じ効果をもたらすとはいえない、意味であって、「医療の不確実性」に医療過誤や医療ミスまで含めるのであれば、これは医療提供者側の単なる逃げ道となります。
「人のやることだから間違いもある」と言って人為的なミスまで、医療の不確実性に含めてはならない。

ところで、「明らかではない医療過誤」というのがあるのでしょうか?

Posted by 匿名 at 2018年02月16日 02:21 | 返信

医療過誤や医療ミスは、今後どんどん増えます。
理由は、国民のコミュニケーション力の低下。
「わかっているはず」という思い込みで互いの思い違いを思い違ったまま信じ込む傾向がますます強くなっている。「腑に落ちる」まで話し合うことをしない。忙しいから?

Posted by 匿名 at 2018年02月16日 02:24 | 返信

医療提供者自らが作り出す訴訟原因、たとえば薬剤や投与量を間違えるとか気管挿管したと思って食道へチューブを入れてしまったことに長時間気付かなかったとか、医療提供者側のスキルの未熟および不注意によって家族を脳死にされたら、謝罪と和解金では怒りは収まらない。裁判という形で医療ミスの経過を広く国民に知らしめたいと、誰だって思う。
あるいは、訴訟、裁判に代わるものとして、ミスを起こした医療提供者側が、テレビや新聞やウェブサイトで、医療ミスの経過と与えた被害、謝罪、今後の改善策を公表することが必要ではないか。医療ミスを起こした個人名も公開するべきだ。
医療職を辞めたければ辞めればいいと思う。その結果、医療職がいなくなるのならそれで良いと思う。誰も困らないのだ。まともな意識を持った人たちが残るだけなのだ。
ボクがワタシが、医者を辞めれば、看護師を辞めれば、たくさんの人たちが困る、なんて思うのは、あなた方、医療産業従事者の高慢な驕りではないのか。やりたくなければどうぞ辞めてください。

Posted by 匿名 at 2018年02月18日 01:50 | 返信

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