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高齢者運転についての議論
2018年04月08日(日)
高齢者運転に関する議論が活発化している。
高齢ドライバーの車がウインカーを出さずに曲がったり、接触しそうになったり、
一方通行を逆行してきて正面衝突しそうになったり、ヒヤリ!とする場面がある。
高齢ドライバーの車がウインカーを出さずに曲がったり、接触しそうになったり、
一方通行を逆行してきて正面衝突しそうになったり、ヒヤリ!とする場面がある。
改正道路交通法施行から1年 〜高齢者運転についての議論が活発化
3月12日、改正道路交通法が施行されて丸1年を迎えた。2月26日に
は警察庁から、施行日から昨年末までの暫定値による「改正道路交通法
の施行状況について」が公表されている。75歳以上の172万5292
人が認知機能検査を受け、うち2・7%が第1分類(認知症の恐れあ
り)と判定された。因みに、第2分類(認知機能低下の恐れあり)は26
・6%、第3分類(認知機能低下の恐れなし)は70・7%となっている。
第1分類4万6911人のうち、自主返納と失効(更新せず)を合わ
せると1万3624人(29・0%)となる。最終的に免許の取り消し・
停止を受けた人は1351人(2・9%)で、約9か月半の間に、28年
の597人を大きく上回る数となった。
また、29年1年間の自主返納は42万3800件で、このうち75歳以上が
25万3937件となっており、24年に運転経歴証明書が本人確認書類と
して永年有効となって以降、年々大幅に増加している。
先立って2月15日に発表された「平成29年における交通死亡事故の特
徴等について」では、▽75歳以上高齢運転者は、免許人口当たりの割合
で死亡事故を起こしやすい傾向▽高齢運転者による死亡事故は、75歳未
満と比較して車両単独事故、特に工作物衝突や路外逸脱事故が多い。人
的要因では操作不適、特にブレーキとアクセルの踏み間違いによる割合
が高い▽死亡事故を起こした高齢運転者は、全受検者と比較して、直近
の認知機能検査結果が第1・2分類であった割合が高い――と分析され
ていた。
3月2日には「高齢運転者交通事故防止対策に関する有識者会議」の
下部組織のひとつ「認知機能と安全運転の関係に関する調査研究」分科
会の初会合が開催され、これらのデータとともに、「認知症と一括りに
して運転を制限するのではなく、個人が生活する場の特性を踏まえ、現
実的な能力評価に根ざした判断が必要」などの学会提言を基に、認知機
能の低下と運転能力に関するデータの収集・分析、および過去の検査・
診断結果と違反事故状況とのクロス分析等、認知機能と安全運転の関係
について調査研究を進め、認知機能に応じた今後の対策を講じるための
議論が始まった。
さて、1月に公表された「運転免許証の自主返納制度等に関する世論
調査」においては、安心して運転免許証を返納できるために重要なこと
として、1.公共交通機関の運賃割引・無償化、2.地域の公共交通機関の整備
3.買物宅配サービスの充実、4.医師や看護師などによる巡回サービスの充
実――と続き、上位2つは地域差はあるものの、東京都区部以外では過
半数を占めていた。
自治体による支援(大阪府では「高齢者運転免許自主返納サポート制
度」)が進められているが、(場合によっては世帯全体の)移動手段を
失うことに対し、おまけ的な特典ではなく、ニーズに基づいた真のサポ
ートが求められており、市町村の本気度が問われよう。“これも地域包
括ケアのまちづくりのひとつ”との号令がかかれば、少しは取り組みが
加速されるだろうか。
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<ご参考>
警察庁
改正道路交通法の施行状況【高齢運転者対策】
https://www.npa.go.jp/koutsuu/menkyo/kaisei_doukouhou/sekoujokyo2017.pdf
平成29年における交通死亡事故の特徴等について
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/koutsuu/H29siboumatome.pdf
各種有識者会議等「認知機能と安全運転の関係に関する調査研究」分科会
http://www.npa.go.jp/bureau/traffic/council/index.html
「運転免許証の自主返納制度等に関する世論調査」
https://survey.gov-online.go.jp/tokubetu/tindex-h29.html
調査結果の概要
https://survey.gov-online.go.jp/tokubetu/h29/h29-jishuhennog.pdf
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・高速道路の壁を擦りながら40kmも走行例
・アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故
などはおそらく認知症ではなく、「てんかん」かもしれない。
高齢者てんかんは、手足をバタバタさせず、ボーとするだけだ。
呼びかけても返事をせず、口をモグモグさせるだけの部分発作。
意識レベルが低下た状態が、何時間か続くことがある。
抗てんかん薬でか改善するが認知症とよく誤診される。
だから、この道路交通法の検査に「てんかん」に
関する項目も入れる時代が、もうすぐそこかもね。
ただし発作時の脳波検査をしないとひっかからないので、てんかんの
診断は脳波ではなく周囲の話をよく聞いて総合的に判断するしかない。
さらに、重篤な自転車事故も増えている。
いずれにせよ、高齢者の移動手段について社会全体で考える時だ。
東京のタクシーはすべて初乗りが410円なので高齢者に優しい。
大阪や神戸のタクシーももう少しは高齢者のことを考えて欲しい。
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一方、尊敬するある医師から以下のようなコメントを頂いたのでご参考までに。
高齢者のブレーキとアクセルの踏み間違いの原因に
てんかんは確かにあるかもしれません。
高齢者の認知症診療で精神科領域では重要とされていた側頭葉てんかんや、¥小発作が
今年の認知症治療研究会で取り上げられた事は良かった、と思います。
私は、高齢者のブレーキとアクセルの踏み間違いは、最近のオートマチック車のアクセルの位置が
以前と比べると右足の前に配置されていて、その影響が大きいと感じています。
私が車を運転しだした昔は、マニュアル車が大半で、アクセルは右足より右、ブレーキが右足の前で
横に大きい形をしていて、兎に角前に足を出せばブレーキでした。左にはクラッチがありました。
オートマ全盛になり、クラッチが無くなって
相対的にブレーキは左に、アクセルは中央に寄ることになりました。
最近のオートマ車では、まっすぐ前がアクセル、左側がブレーキという傾向がますます強くなり、
レンタカーを借りる時に怖い思いをします。車を変えて貰った事も何度かあります。
咄嗟の時、びっくりした時に、昔の真っすぐ前を強く踏み込む癖がでるのではないかと
私は考えていますが、意外にそういう意見が無いのが不思議なのです。
精神科のドクター達が沈黙している事が事態を複雑にしていると感じています。
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