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遺産相続争いに巻き込まれる日々
2018年04月26日(木)
遺産相続争いに巻き込まれることが、年々増えている。
争点はただひとつ、「遺言時の認知症の有無」である。
いや、死ぬ前から「遠くの家族たち」に振り回される。
争点はただひとつ、「遺言時の認知症の有無」である。
いや、死ぬ前から「遠くの家族たち」に振り回される。
遺産裁判は、圧倒的に女兄弟に多い。
親が生きているうちに長女が遺言状を書かせる。
「遺産はすべて長女にあげる」に判を押させる。
当然、行政書士や弁護士さんも立ち会っている。
次女たちはそんな遺言状の存在を全く知らない。
当然、死後に遺産相続裁判が勃発する。
争点は「遺言時の認知症の有無」である。
カルテ開示の請求があるがそれまで何年かある。
双方の弁護士から「認知症の有無」を聞かれる。
90歳後半なら、「ある」とか「無い」とか二者択一ではない。
しかし双方の弁護士は二者択一を迫ってくるが、回答は不能だ。
生きている間にも、遺言状作成に巻き込まれることがある。
「意思能力があることを証明してくれ」という依頼が届く。
すでに認知症施設に入っている認知症の人の意思決定能力の判定は非常に難しい。
あると言えばあるし、無いとと言えば無いし、オールオアナッシング、ではない。
弁護士さんは後見人をつけないように長女に指南する。
裁判所が絡むとそれはそれでまた煩わしいからなのか。
私のような町医者に、ドサクサに紛れて「意思決定できる」という文書を
書かせようと、施設の管理者を通じて、様々なプレッシャーをかけてくる。
そもそも、認知機能が低下しているから施設に入っているのだが、
「意思決定できる」という証明書には、無知な町医者が好都合か。
後見制度はいいのだが、まだ欠陥も沢山ある。
だから、町医者を上手に利用したいのだろう。
病院はもっと困る。
手術をするのかしないのか、胃ろうをするのかしないのか。
後見人は、産管理だけで医療代理は原則できないことになっている。
家族は家族でバラバラに住んでいて、交流も無く、意見も相反する。
そんな中でも、ACPをしっかりやれ、と御用学者は言う。
しかし「やった」つもりが裁判の種を造っただけのことも。
現場と政策が、遊離している。
政策間の調整も無い砂漠模様。
後見人制度も医療代理もリビングウイル代理も整備されていない中、
「遺産相続争いに巻き込まれるために医者になった訳ではない」と。
日本は大変な状態に加速度的に向かっている。
人口減少や経済停滞には楽観的でも構わない。
しかし尊厳を損ねる医療や遺産相続への巻き込まれは増加する。
超高齢多死社会、家族崩壊、法的整備無し、などが問題なのだ。
国会を見ていると真面目にやることがアホらしくなる。
犯罪だらけの政治家や官僚にはかける言葉はもう無い。
本質的な問題はスルーして枝葉末節に終始するだけの野党も、情けない。
と言っても、そんな代表を選んでいるのは私たち自身だからブーメラン。
本当に国にお金が無いのなら、相続税を100%にすれば解決する。
政治家もお医者もお坊さんも世襲は無くなり、心機一転の期となる。
下流老人や健康格差、そして相続裁判の解消には劇薬もいいのでは。
いや、行くところまで行かないと気がつかないのが、日本人なのか。
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PS)
明日は(今日は)、日帰りでの横浜講演だ。
このところ出張はぜんぶ日帰りにしている。
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