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「連携」疲れ 「必要な連携」と「無用な連携」

2018年05月28日(月)

朝から晩まで連携、連携。
国の施策も連携、連携と。
連携に疲れて仕事にならない・・・
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連携の前にすでに多重受診や
多重投薬になっているケース。

糸をからませる前に、すでに、
もつれにもつれているケース。


そんな難渋ケースに日々、たくさん遭遇する。


介護職や市民が医療保険を知らないからそうなる。
国は連携の前に市民や介護職に規則を教えるべき。


専門診療所に何か所もかかっているのに、それを隠して在宅を頼む。
あるいは別の在宅医にかかっているのに、それを隠した多重在宅も。

後で判明して、事後処置に追われる。
市民や介護職は悪いとは思っていない。

連携という言葉は、一見、美名に聞こえるが、時には
・無駄のモト
・トラブルのモト、になることがある。

必要な「連携」と、無用な「連携」があると思うが、
現実には、圧倒的に後者のほうが多いのではないか。


総合診療と連携は、時に相反する。
医療経済と連携も、相反する。
医療安全と連携も、相反する。
減薬と連携も、相反する・・・・

ありゃりゃ。

連携が増えるほど、書類が増える。
         過重労働が加速する。
         責任の所在が不明確に
         訴訟リスクも、増える
         患者さんが幸せになるとは限らない。


ああ、1日が連携に始まり、連携に終わる。
連携の無い世界に行きたいなあ・・・

連携疲れ、なのか。
そんな時代に生きているのが悪いのか。


そんななか行政や社協などから「多職種連携の講演をして」と
頼まれることがあるが、いったいどんな返事をすればいいの?

「連携」という言葉が多様されるようになったのは、この10年だ。

「分化は退化のはじまり」という言葉の意味を知らないお役人さんが
呪文のように使っていれば全てが一時的には平和に収まる魔法の言葉。

それが、「連携」。

その反対語は、・・・・・・

ひとりよがり?
抱え込み?
総合診療?

そうじゃない、と思うのだのだが。
真のジェネラリストへの道は厳しい。

そんな無謀な挑戦を続けていたら
滑落して、死んでしまうのかなあ。

日本が潰れる前に厚生労働大臣の極秘補佐官ボランテイア
になり、なんとかして国民皆保険制度を維持したいのだが・・・






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この記事へのコメント

「連携」、「多職種連携」・・・
耳障りのいい言葉ですが、「無責任」の温床でもあります。

何故そうなるのか・・・
多職種・異業種の寄り合いだからです。そして、そこにはリテラシー格差があるからです。


【事例1】
介護現場でよく見かける高齢者の便秘。耐性がついて効果のない薬を続けているのを見かけ、気の毒なので、より効果の期待できる漢方製剤を看護師に紹介して臨床報告(学会雑誌に掲載)を渡したら、「立場上、嘱託医に渡せません」と。
効果のない下剤は継続されたまま。


【事例2】
一過性のパーキンソニズムを発見した、前頭葉症状の酷いレビー小体型認知症疑いのある入所者。薬剤過敏性を危惧しつつ、パーキンソニズムを報告したら、「難しい用語は使わないで!」と言われ、重要な情報は握りつぶされた。
その後、この入所者は、「連携先」の病院で入院加療中に、向精神薬を取っかえ引っかえした挙げ句、治療効果はまったく無く、退院後に死亡。


【事例3】
症状から推定して大脳皮質基底核変性症の入所者。嚥下機能低下が急速に進み、食事摂取がままならない状態に。
進行の早さから、基底核辺りの脳梗塞も疑い、看護師に報告。脳外科(あるいは神経内科)を受診させるでもなく、嘱託医(精神科)の指示で効きもしない抗パーキンソン病薬を継続。
早晩、誤嚥性肺炎、胃瘻造設でしょう。


いずれの事例も少しばかり難しい(?)ことかも知れません。ただ、知識があるか無いかだけです。
介護から医療まで広範な知識と経験を身につけるのは容易なことではありません。しかし、できないことではありません。


多職種・異業種で同等のリテラシーを習得し、個人のスキルを上げると共に、集団・組織のレベルを上げることが重要です。
「重要です」と言って、医師、看護師、OT/PT、栄養士、その他すべての関係職員を対象に研修制度を説くのですが、経営者からの返答なし。

一体、何処を見て仕事をしているのか・・・?!

Posted by YOSHIKI at 2018年05月29日 10:55 | 返信

連携…って
フィフティフィフティの関係だと思っていますが 現場はそうではなさそうです

連携という都合のよいお言葉に
かなり 振り回されているわたしでございます

連携なんて クソくらえ‼︎
→お言葉が過ぎました…失礼しました


でも いい仲間に出逢えた時には とてもいいケアができるんですよね

Posted by 宮ちゃん at 2018年05月29日 10:22 | 返信

YOSHIKIさんの投稿内容に「嘱託医」という言葉があるので、おそらく特養で介護職をなさっておられるのであろうと推測します。
私の経験上、特養は「嘱託医」が支配している施設です。
経営者は、嘱託医が所属する医療法人の場合もあります。また、名目上は社会福祉法人であっても理事長の家族が病院・医院の経営者の場合もあります。医療関係者ではない経営者もいます。
いずれの場合も、経営者でさえ、「嘱託医」の機嫌を損ねないように顔色をうかがっています。「嘱託医」の報酬が安く、また夜中の呼び出しに応じる条件など、引き受けるのを嫌がる医者が多いそうです。ですから「嘱託医」にヘソを曲げられると困るのですべて「嘱託医」の言いなりに動きます。「嘱託医」の診断が間違っていても対応が不適切でも、誰も何も言えません。
それが、特養です。
私は母が入所していた特養の嘱託医から「介護職は何もわからないからね。何か言われても気にしないで。」と言われました。
私は介護職の方こそを、信頼していたのですが。
YOSHIKIさんが誠意をもって介護という仕事に向き合うおつもりであれば、特養では無理だと思います。

Posted by 匿名 at 2018年05月30日 01:24 | 返信

そもそも病院内での他科の医者とかコ・メディカルの連携に疲弊した医者か元々そのような連携・協調性に意義を見出せずに自分勝手にやりたい医者が率先して個人開業医になるのではないかと思います。
同業者(医者)の間でも連携など難しくて、病院とか開業医が雇った医者でもすぐやめてしまうというのが日常茶飯事なのに、他の職種と連携が得意な医者など世の中にどれほどいるのか?と思います。
開業医を潰して地域医療を崩壊させ、医療費を大幅節減するための国策ではないかとしか思えないです。

Posted by マッドネス at 2018年05月31日 11:18 | 返信

怒れてきても仕方ないないんですが…

昨日 ケアマネさんから電話があり
「明日、担当者会議、来週月曜日から訪問看護をお願いしたい」と依頼がありました
なんとかしたいと思い 医師からの訪問看護指示書をいただきたく 主治医に連絡を取ったら
な、な、なんと
「診察時間終了間際 12時に 先生とお話に来てください 診察してますのでお待たせするかしれませんが…
必要な書類はあらかじめファックスしてください」と言われちゃいました
そのクリニックは 事業所から30分かかります
それに 他の利用者さま、患者さまの訪問も時間割のように決まっています
無理してでも 月曜日の時間指定で主治医に面談しないと 依頼された利用者さまが困ってしまうんですよね
そうすると
他の利用者さまに時間変更をお願いしなくちゃいけなくって 本当に困ってしまいます
利用者さまのために どんだけでも動くけど…
すぐに訪問看護に来て欲しいというご本人の希望を 何とかできるシステムにならないものかと
腹ただしいです

Posted by 宮ちゃん at 2019年05月18日 08:31 | 返信

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