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歩行と筋トレ、そしてバランスのいい食事で薬要らず

2018年12月03日(月)

公論12月号は、「病気の9割は「歩く」だけで治る!
長く座る人はがんになりやすい」で、書かせて頂いた。→こちら
歩行と筋トレ、そしてバランスのいい食事で薬要らず。
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公論12月号    病気の9割は「歩く」だけで治る!
       長く座る人はがんになりやすい
 
骨粗しょう症の特効薬は「歩行」

寝たきりになる原因の一つは骨粗しょう症である。気になる人は時々、身長を測って欲しい。もし若い時の身長と2cm以上短くなっていたら脊椎圧迫骨折があるかもしれない。テレビCMでよく流れている「いつのまにか骨折」は特別な検査をしなくても身長の短縮だけでも大体の見当がつく。圧迫骨折の土台は骨粗しょう症であるが、その予防や治療は、お薬よりも「日々の歩行習慣」が大切である。最近話題のロコモやフレイルやサルコペニア、そして「骨粗しょう薬」の特効薬は、なんといっても「歩行」である。

もし公園や河原を歩く機会があれば背筋を伸ばして、やや大股で歩いて欲しい。椎体骨を伸ばすことに意識を集中すると身長は1~2cm伸びる。つま先ではなくかかとからの着地をイメージし、意識して肘を後ろに引いてみる。すなわち胸を張り腰を少しひねりながら歩いてみよう。歩くという動作は下半身だけでなく上半身や腕や肘をも使う全身運動である。年齢というものはいくら外見を着飾ってみても立ち姿や歩き方に表れてしまう。若者と老人の差は歩行時のシルエットを観れば一目瞭然だ。すなわち歩き方が良いと年齢より若く見られる。時には、大きな鏡の前で歩く姿を自己チェックして欲しい。私は診察室で後期高齢者の患者さんに必ずモデル歩きをしてもらう。診察椅子への座り方をじっと観察するのは脳機能を推測するためである。
 
 
座る時間が長いと寿命が縮まる

最近、日中では「歩行」していない時間帯、すなわち「座る時間帯」に関する研究に注目が集まっている。結論からいうなら「座る時間が長いと寿命が縮まる」という衝撃的な事実である。2011年のシドニー大学ノエイドリアン・バウマン博士らの研究によると「座っている時間が4時間未満の人に比べて、8~11時間の人は15%、11時間以上の人は40%も総死亡リスクが高い」という結果であった。さらに座っている時間が1日8時間以上の人は、4時間未満の人に比べて、がんによる死亡リスクが20%増加するという。

またメルボルンにあるベイカー心臓病・糖尿病研究所のネヴィル・オーウエン博士らは、「テレビを1時間ずっと座って観るたびに22分寿命が縮まる」と発表した。もし1日5時間テレビを観る人なら1年間で約1か月間寿命を縮めている計算になる。これらの「座位負債」を解消するためにはずっと座り続けることを避けて、たとえ仕事中であってもこまめに立ち上がって歩き回ることを日々の習慣にすることだ。最近、睡眠に関する話題もブームであるが、日中の十分な歩行習慣には自然と夜間の良質な睡眠が伴ってくるはずだ。だから不眠症治療の柱も歩行であると考える。

すでに還暦を越えた自分だが、思い返すと50歳代は座りっぱなしの10年間であった。外来診療に加えて思いがけず依頼が殺到した執筆活動などのため振り返るとおそらく1日平均12時間以上、椅子に座ったままの生活を送ってしまった。その結果、内臓肥満や慢性腰痛に悩まされる羽目になっている。まさに医者の不養生である。しかし幸いなことにまだ1日も休まず仕事を続けてられていて、今のところがんも発見されず、元気に生きている。だからここは歩行習慣に一念発起したい。60歳代は「言うだけ医者」ではなく、自分自身もこまめに歩くことを実践したい。「改めるに遅すぎることはない」という諺どおり、今後は長時間の座位を避けてこまめに歩く人生にしたい。

 
うつ・自殺は歩行で予防

私が書いた「歩く本」の4冊目が、11月に出版された。第一弾の「病気の9割は歩くだけで治る」がベストセラーになり、その後第二弾の「認知症は歩行で良くなる」、そして第三弾の「歩き方で人生が変わる」が出版されたが、おかげさまで累計14万部を突破した。これら3冊の本が出た2年の間に、歩行に関するエビデンスが世界中から続々と発信された。その結果、目論見どおり歩行が国民運動になりつつあることは著者としてとても嬉しい。そして今回の4冊目は、「病気の9割は歩くだけで治る パート2」と題して「なぜ歩行がいいのか」を最新のエビデンスとともに掘り下げてみた。新たにうつ病や自殺と歩行の関係にも言及した。どの本からでもいいので是非多くの人に読んで頂きたい。

4冊目のテーマは「うつによる自殺の予防」である。私の父親の自死の悔しさが当然、頭に残っている。日本は依然として自殺大国であるが、「歩行習慣」が自殺予防の鍵を握っていると考える。私はこれまで「死」に関する本をたくさん書いてきたが、なにも死にたいわけではない。毎日を楽しく快適に、できれば長く生きたいという願いは皆さまと同じである。多くの高齢者はピンピンコロリ(PPK)が理想だと言う。要介護や寝たきり期間はできるだけ短く、最期は「穏やかに」である。しかし漠然とそう願うだけでは決して叶わない現実は、拙書「平穏死10の条件」という本の冒頭に書いた。私は35年間の臨床経験から「歩行習慣」こそがPPKの土台であると確信している。そしてもうひとつは「バランスのとれた食事」であり、両者は車の両輪であろう。お薬はその次であることを決して忘れないで欲しい。このコラムを読まれた方には、今日からたった5分間からでいいので1日3回、姿勢と腕振りを意識して歩いて欲しい。「歩く」という行為がどれだけ凄いことなのか、どれだけの快楽なのか気が付くはずである。
 
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PS)
86歳で7000m登山にチャレンジする三浦雄一郎さんに感動。
生きているだけでも凄いのに、なんという気力と体力か。

彼のトレーニング法は、重りをつけて「歩く」こと。
その姿を見て、「想いと努力があれば、夢は叶う」と思った。



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この記事へのコメント

今日からたった5分間からでいいので1日3回。。。あれ? この前の記事では10分1日3回だったけど・・・
あ、そうか、「からでいい」からまずは5分間歩行を1日3回、だんだん伸ばして10分間歩行1日3回をミニマム習慣にしましょう、ですね。

最近、いつもチャリで行っていた近所のスーパーにできるだけ歩いていくようになりました。牛乳などを買うと重いので帰りは腕が痛くなりますが、これも筋トレだと前向きに考えるようにしています。

Posted by 匿名 at 2018年12月04日 01:52 | 返信

店頭で長尾先生のご本『歩く』を引用しながら、営業されている男性の方がいた。
フルコミで「飛び込み営業」やってた時代を思い出す。

地元老人会で、棒をつかった気功ヨーガをやっている。
心疾患の方が、「身長が伸びました」という。
坐位の技法であっても、脊椎関節を解放し、圧迫骨折を避けうる可能性がある。
入息しながらあごを上げ、止息したままあごを引くというアーサナの繰り返しだ。
同時に立位でも、肩甲骨を回転させ、胸背まわりの筋膜群をダイナミックに回旋させる、かんたん棒ストレッチ。
定歩でのかかと落とし、つま先立ちの活歩もよし。
「スマホ首」では1万歩やっても、猫背や腰痛、ひざ痛は改善しない。

脳梗塞やった者としては、なんら説得力はないが。
しかし、身動きできない仰臥位でも、つま先上げ、かかと伸ばしで、ふくらはぎに心臓をつくれる。
達人坐をこころみるだけでも、体幹を維持しようとする脊椎起立筋を伸長させる。
「歩行」において、歩幅がせまくても大たい骨を上げなくても、つま先で蹴り出すことさえできれば、
体幹をととのえ復原力を高めることがかなう。

横たわる。坐る。腰かける。立つ。歩く。
年寄りは年寄りらしい、「歩行の作法」で。
辺野古で「座り込む」年寄りたち。排除する「国家テロ」。

Posted by 鍵山いさお at 2018年12月04日 02:54 | 返信

歩行の効果は、言わずもがな。長尾先生の本に沢山書いてあると思います。
そして、その効果は、まずは行動に移してみて身体で実感することが
何よりだと思います。歩いてみて、身体が変化してくると欲が出て、
次には運動したくなるかも知れません。
我が家(生家)では幼い頃から、「歩く」ことを強いられたので、大人になっても
歩くことは苦になりませんでした。
運動体質になって生きてきたので、私の腕の血管は弾力があるそうです。
これはある時、ある看護師さんが、注射針を刺した時に「凄い弾力」と言って
くれました。長い職業経験からの感想のようでした。割と自慢です。
自慢はさておき、何かと息詰まった世の中ですが、シンプルに原点回帰する
時代がやってきたのではないでしょうか。歩いて、自然の空気を吸い、
お腹が空いて、美味しい野菜を食べ、肉や魚でエネルギーを得て、
リフレッシュされた精神で「気持ち良い」「心地良い」が分かる身体になれば、
クリアな精神が生じるかも知れません。「健全な精神は健全な身体に宿る」とは
誰のセリフだったのかは、かつては興味無かったですが、健全な日本国を目指したいものです。

Posted by もも at 2018年12月04日 09:53 | 返信

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