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独居の在宅患者さんの救急搬送
2018年12月17日(月)
冬になると、知らない間に救急搬送されている独居の在宅患者さんが増える。
少しでも具合が悪くなると、慌てたヘルパーさんが119番して搬送される。
ヘルパーさんや救急隊員さんには「在宅医療」をもっと知って欲しい。
少しでも具合が悪くなると、慌てたヘルパーさんが119番して搬送される。
ヘルパーさんや救急隊員さんには「在宅医療」をもっと知って欲しい。
なにかあればすぐ119番するヘルパー。
到着した消防隊員の頭には病院しかない。
本来は「なにかあれば在宅医」なのだが、
ついつい「なにかあれば病院」と、なる。
ヘルパーさんは後でこう言い訳する。
「いやー、慌てたもんでついつい」
軽症であれば、「無用な救急搬送」で終わるが、
心肺停止後であれば、無用な警察介入にもなる。
救急隊員から、超・上から目線の電話がかかってくることが、時にはある。
「私が主治医なので診ます(当たり前だが」と言っても聞き入れないことも。
在宅医療をよく知らない救急隊員は「呼ばれたらとにかく病院やろ」とか
「開業医は低レベルなので無理」と思っているのか在宅医の話を聞かない。
「あんたに何が分かるねん」と言われたことがあるが、
彼らは病院の救急医にはそんなことは言わないだろう。
まあ、救急隊員の暴言や無知に腹を立てても仕方がない。
彼らが悪いのではなく、システムの検証が無いのが問題。
すべては、119番から始まっている。
それをする前にざ在宅医に電話をしてくしてくれたらいいのに
一旦119番されたら最後、その瞬間から私たちの手を離れる。
救急搬送システムはその地域のメデイカルコントロール(MC)
が責任を持って運営されているので、その席で言うしかない。
しかしMCに私たち在宅医は呼ばれることはない。
病院の救急専門医が全てを決めているのが実態だ。
先日、第1回日本在宅救急医学会を立ち上げたのはそんな想いから。
しかし残念ながら国のレベルではまだまだこの問題に迫れていない。
たとえば、リビングウイルがあってもDNARとはならない。
横田教授は「リビングウイルは迷惑!」という姿勢である。
当地区は、尼崎、西宮、芦屋、伊丹、川西、宝塚市など
200万人圏域のMCの支配下にある。
そのMCのトップは兵庫医大の平田教授である。
実は、彼とは10年以上懇意にしている仲だ。
その平田教授から2月13日(水)の阪神救急研究会の
特別講演を頼まれているので、その席で想いを話す予定。
119番するな、とは決して言っていない。
119番する前に、少し考えてからしましょう、と言っている。
119番した瞬間から私の手を離れることを、ヘルパーさんに知って欲しい。
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この記事へのコメント
ヘルパーとか救急隊員の立場からすると、とりあえず病院に運んでおかないと、もし手遅れで死亡など悪い結果になれば、カリフォルニアに住んでる家族?親戚?からあとで訴訟でも起こされたらたまりませんからね。たとえ高齢者でも「なんで病院に運ばへんかったんや」と文句言う人が多数だと思います。普段その対象者の面倒みていない人ほど、何か非常事態があれば責任転嫁してきますからね。
知らない家族からのクレームという不測の事態を避けるために、みな自己保身で精一杯なのでしょう。
社会の不寛容性が増す中で、開業医の裁量でトリアージする事が許されないのでしょう。
「病院=安心神話」「国民皆保険制度による低額負担」「救急車がタダ」とか要因が色々ありそうです。
そういうクレームを言われないようなシステム作りがまず必要なのではないでしょうか?
Posted by マッドネス at 2018年12月17日 11:49 | 返信
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