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延々と続く多重受診と多剤投薬、どうするの?
2018年12月18日(火)
多重受診と多剤投与が止まらない!
このままじゃ、日本が破滅するぞ。
前者は患者の、後者は医者の責任。
このままじゃ、日本が破滅するぞ。
前者は患者の、後者は医者の責任。
5、6件の病院や診療所にかかっておきながら
「減薬」を希望して遠方から家族と来院する患者さん。
申し訳ないが、門前払い、である。
遠方の人はどうすることもできない。
・地域の人しか診ない
・セカンドオピニオンは受けていない、とHPに書いてある。
しかし「なんとか減らして欲しい」と懇願し粘られる。
「主治医に減薬を頼んだらどうですか?」
「頼みましたが、どの医者も数種類すべて必要だと言い張る」の一点張り。
いくら懇願されても、私の力では解決することは不可能だ。
患者が「かかりつけ医に一元化」することが唯一の解決策。
そんなとり留めのない会話を、無為な時間を毎日繰り返している。
以上は、外来患者さんの話。
在宅患者さんにおいても、多重受診は加速する。
保険規則が複数の医療機関からの訪問診療を認めてからだ。
先日、関東のある在宅医から相談を受けた。
施設を中心にz在宅医療を提供していると。
「認知症があるから精神科の往診も」
「かゆみがあるから皮膚科医の往診を」
「頻尿なので泌尿器科医の往診を」
「腰痛があるので整形外科医の往診を」
「白内障があるので眼科の往診を」
「難聴があるので耳鼻科医の往診を」
「歯が痛いので歯科医の往診を」・・・
これらを、「良し」とする老齢者施設があるから驚く。
ついでに言うなら、発熱や転倒はすべて救急車で搬送。
延命治療をすべて行う理由とはすべてお金儲けのため⁉
もちろん、それ専用の病院と、しっかり結託している、とのこと。
在宅医療においても専門医志向は、おそらく全国な傾向ではないか。
複雑な糸をほぐそうとするだけで半日がつぶれる。
医者をやっていて、これほど虚しい作業は無い。
行き過ぎた専門分化と専門医信仰
総合診療やかかりつけ医の啓発不足
これらは、つきつめれば医療保険制度の責任だと思う。
皆保険制度の負の側面をもっと啓発しないといけない。
正しい医者のかかり方をもっと本気で
啓発しないと国が潰れるのではと思う。
多重受診=患者さん
多剤投与=お医者さん
つまり両者の共同責任で、今日も多剤投与による救急搬送と入院、
そして毎日、医原性の廃用症候群が量産されているニッポン国。
厚労省は、なぜ動かないの?
政治家は、なぜ本気にらないの?
日本医師会は、なぜ本当のことを言わないの?
私は不思議でしょうがない。
私がおかしいのかな。
「医者のかかり方」と「薬の減らし方」をずっと
本気でやっているのは、私だけではないのか??
まあ、恐慌や戦争など他の要因で劇的に解決するのか。
日本は、そんな国。。。。。
医療費で国が亡びるのは、おかしい。
そもそも・・・
人間の尊厳と経済は、相反するものではなく、
自然と両立するもの、それが私の信念である。
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この記事へのコメント
わが国の場合、患者側の薬と医者への精神依存・身体依存症が深刻ではないかと思います。
薬の効果もどこまでがホントでどこまでがプラシーボか怪しいのがほとんどでしょう。
国民皆保険制度に甘えすぎた患者と医療者はもはや救いようがないレベルまで来ています。
今のような滅茶苦茶ともいえる多剤併用。多重受診が野放しなのは、●●省・●●会・製●会社がグルだからなのでしょうね。池田先生が著書に書いてるように、薬害だと騒ぐ前に最初から医者にかかるな、薬を飲むなというのが正論ではないかと思いますが。理不尽で馬鹿馬鹿しいな多剤併用を一斉にやめさせるためには診療費は保険を維持して、薬に関しては順次保険適用から外していくというやり方が現実的ではないかと思います。そうすれば、3者のグル構造が崩壊して一気に解決すると思いますが。
Posted by マッドネス at 2018年12月18日 02:06 | 返信
長尾先生の御著書をプレゼントし、園芸療法をし、少しずつ安定剤や睡眠薬を使うことが減った利用者。それを出している医者に行き「飲んでないけどもらってきた。」とおっしゃいます。お薬を断ると先生に悪いと思っておられるようで、何でそうなるの?
薬代のほとんどは若い方たちの保険料からよ、と説明しますが、解って下さる方ははとんどいません。破たんしてからでは遅いのに・・・。
Posted by ルナース at 2018年12月18日 08:01 | 返信
■行き過ぎた専門分化と専門医信仰■
私が勤務する特養には、法律で定められた施設嘱託医(非常勤)がいる。専門は麻酔科らしいが、開業医である。
その施設嘱託医ときたら、認知症の陽性症状には何でもイクセロン9mg、抑肝散3包/日である。それで足りなければ、リスパダールを追加。
まったく的外れなことをやっており、呆れかえって、とてもではないが付き合いきれない。
そのことを指摘すると、「認知症専門医じゃないですから・・・」と看護師は、嘱託医を擁護するようなことを言う。
そして、「あまり酷いなら、精神科の専門医に診てもらわなきゃ・・・」と言う。(近隣にある精神科病院では、まともな治療成果を得られる可能性はないことは既に掴んでいる)
施設入所前に処方されていたクスリは、ほとんど精査されることもないようで、ポリファーマシーも多数見かける。
もう、「総合診療」など夢のまた夢。
お粗末医療の後始末に終始するだけの施設に明るい明日はない。
Posted by YOSHIKI at 2018年12月19日 04:00 | 返信
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