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生活保護の人の医療と介護

2019年01月31日(木)

生活保護の人への医療と介護は問、題山積である。
医療費削減政策の矛先が生活保護に向かっている。
一方で、膨大な無駄が野放しになっったままの様。

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毎日、生活保護の人と接することは楽しい。
外来も在宅も、生活保護の患者さんがか必ずいる。



国は、「生活保護の人にはジェネリックしか出すな」という指示を出している。
もし先発品を処方すると、その医者が処分される(個別指導などを受けてだが)

しかし先発品しか効かないものもたくさんあり、困っている。
患者さんの命を考えると、医者自身の命が危なくなる仕組み。


また生活保護の人への在宅医療も、厳しく制限されている。
「這ってでも、タクシーででも通院しろ」と命令されると。

在宅医療を提供していたある男性患者さんも、行政から在宅禁止令が出た。
命令に従い、在宅医療を中止したら、2ケ月後に孤独死で発見されて往診。

一方、末期がんの独居の患者さんの在宅医療が許可された。
在宅開始して2週間後に在宅看取りになった。(平穏死)


市の担当者に死亡を連絡すると「警察を呼んでください」、との指示が出た。
毎日在宅で診た結果のお看取りなのでこれは警察とは関係ない、はずである。

「その必要は無い」と説明しても「上司からの指示」とのこと。
上司もその担当者も、在宅医療も在宅看取りも知らないようだ。

「生活保護の最期は病院で看取り」としか思っていないのかな。
10円の医療費を節約する一方で、何十万円もの余計なお金を使わせている。

無用な救急搬送や無用な検視が、当たり前のように要請されている・・・・


私の本を一冊でもいいから読んでくれたらいいのに。
いつもそんなことを考えながら、書籍を書いている。

生活保護の人が多い施設の在宅はたいへんなことになっている。
経営者が、いろんな注文をしてくるので私たちは振り回される。

「患者サービスの向上を目指して、全員に精神科の医師もつけます。
 そして訪問マッサージもつけます」なんて指示が経営者から突然飛んでくる。


そもそも他科の医師への往診依頼は、患者さんの希望や主治医の判断で行うもの。
しかし全員一律に、ある日突然に言ってくるので、裏に何かあるのか?と勘ぐる。

医療費は締め上げても、介護費はジャブジャブ。
必要なものを削って、不必要なものは垂れ流し。

生活保護課は、
生活保護の在宅は全て悪徳、
生活保護の看取りは警察へ、と思っている。

誰でもいいから現場をちゃんと見て欲しい。
私の本を読んで法律も知っておいて欲しい。

でも・・・
貧すれば鈍する、ではないけども、
ドンドン間違った方向に向かっている。

ああ、こんな国家が存続することは、到底できない。
いつもそんな暗い気分になるのが生活保護の現場だ。

お役所に「生活保護クリニック」を造り、名医を集めて
ジェネリック限定外来も在宅看取りも、やってもらう。

そんな提案をしているが、この国の医療と介護は
近いどこかで必ず破綻するような気がしてならない。
































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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

[患者サービスの向上を目指して、全員に精神科の医師もつけます。そして訪問マッサージもつけます......
しかし全員一律に、ある日突然に言ってくるので、裏に何かあるのか?と勘ぐる。]
もちろん裏に何かあるです。

「晋精会」という安倍晋三氏後援会があります。精神科医が会員。
精神科に関しては「生活保護受給者は精神科の患者となる」ようにお国が仕向けているようですよ。「政策」です。
わかりやすいネット記事があります。
https://open.mixi.jp/user/1289112/diary/1943216651
。。。「精神科医らでつくる首相の後援会「晋精会」というのがある
患者を薬漬けにして廃人同様に追い込み、ボロ儲けする医者たちと安倍氏の密約三昧の裏関係である。 」。。。

訪問マッサージに関しても「優遇しなければならない事情」が「お国側」にあるみたい。特に柔整がからんでいる。

政治家と官僚はヒモがいっぱい。持ちつ持たれつのヒモ。

Posted by 匿名 at 2019年01月31日 02:33 | 返信

以前にも投稿しましたが、生活保護を申請すると、役所はまず医療機関を受診するように指示する(というハナシです、私自身は申請したことがないので、かなり多くの複数の情報からのハナシです)。
役所は、生活保護受給を認めるためには何らかの理由が必要なのだ。

身体的な病気(=働けない理由)が無ければ、精神的な病気(=働けない理由)を作る。「この人は、身体かアタマがオカシイのだ、だから働けない、だからオクニが生活費をあげる」という発想。
(オクニや企業や社会のありかたがワルだという発想は微塵もナイ)

ここでも医者の権威がモノを言う。
医者が「この人はビョーキだから働けません、お金も残っていません、だから生活保護受給しないと生きていけません」というお墨付きを出す。同時に医療費もタダとなる。同時に、生活保護費を受給するためには「その医者」に通い続けることになる。「その医者」は、生活保護受給認定と引き換えに死ぬまで患者として囲い込むことができる、クスリもじゃぶじゃぶ飲ませる、やりたい放題できる、という構造。

ところがオクニは、クスリ代を下げろ、と言い始めた。安いクスリを飲ませろ、効くか効かぬか知ったことではない。と、ここでまともに悩む医者は長尾先生くらいではないでしょうか?
生活保護患者を囲っている医者たちは、ジェネリックに文句言う患者には「生活保護受給できなくなるよ」と脅しているのでは?

Posted by 匿名 at 2019年02月01日 01:04 | 返信

匿名さんの仰るとおりで、生活保護者をビジネスにして儲ける医療者がたくさんいるのが現状ですね。
しかしその背景には日本社会の構造的な問題があり、生活保護者の責任を医者に丸投げしといて、医者に医療費をケチれ、ケチらなければ個別指導だ!とかどこの時代錯誤の社会主義国家かよと思いますね。
まあ現行の保険医療システムそのものが社会主義的ではありますが。戦後の爆発的人口増加~資本主義~高齢化・格差社会の拡大の成れの果て。後発品は先発品とは全く別物。同じ食べ物でも高級スーパーとコンビニくらいの差はあるでしょうか?現実的には医療は資本主義と社会主義の中間くらいが一番よいと思うのですが、社会主義を未来永劫死守したい圧力団体もいるようですから。

Posted by マッドネス at 2019年02月01日 11:34 | 返信

生活保護…
病院を 自由に選ぶ自由がないんですよね

今日の今日、新たに 歯科受診をしたくても お役所が許可を出してくれないと受診できない
ましてや 訪問看護を利用しようとすると ハードルが高いです

なんだかな〜と悲しい気持ちになります

Posted by 宮ちゃん at 2019年02月01日 10:57 | 返信

医療を受ける際に医者と患者双方で、「Choosing Wisely (賢明な選択)」をしましょう、と話し合うことができれば、かなり相当程度の「無駄な医療」を減らすことができますよね。
そしてこの「Choosing Wisely (賢明な選択)という概念については、もう数年前から、日本人医師が発言していて
2016年10月、「チュージング・ワイズリー・ジャパン(CWJ)」という組織も存在は、している。
しかし、ちっとも効果がでていない、ようです。たぶん日本特有の理由があるのでしょうね。それは何???

リンクは下記。

スライド講義に使われたかと推測できる簡潔明瞭文書
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000169173.pdf

「40年以上医療に携わってきた医師として今思うことは、いかに無駄な医療が当たり前のごとく行われているか、ということ。」から始まるエッセイは
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=11034

マッドネスお医者様はどのようにお考えになりますか?


Posted by 匿名 at 2019年02月02日 01:50 | 返信

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