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胃ろうは減っているというが・・・
2019年03月13日(水)
最近、胃ろうは減っている、という結果が公表されている。
しかし私の実感では鼻から栄養や高カロリー栄養は増えている。
これはまさに「本末転倒」だと思うのだが・・・
しかし私の実感では鼻から栄養や高カロリー栄養は増えている。
これはまさに「本末転倒」だと思うのだが・・・
メディヴァの大石さんと医師兼コンサルタントの久富護先生が、
NDBデータを分析し、経年変化と都道府県別比較を行いました。
その結果分かったことは、
・胃瘻造設は経年では減っている
・高齢者人口対比で多い順は、1)沖縄、2)鳥取、3)大分、4)福井、5)岡山
・少ない順は、1)静岡、2)富山、3)滋賀、4)山梨、5)新潟
・多いところと、少ないところは3倍ほどの差が有る
週の半分を在宅医療に従事する医師として働く中、久富先生自身も「減っているな」という実感があり
調べてみたそうです。しかしなぜ、多い県と、少ない県が、この県なのかは不明です。
詳細説明は下記です。パワポに落としたデータがご要りような方はcontact@mediva.co.jpまで。
この投稿は転送可で、マスコミ等の方を含め、ご自由にお使いください。
ーーーーーーーーーーーーーー以下、転送(詳細説明)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
胃瘻の造設数に関して、NDBデータおよび社会医療診療行為別統計を用いて調査を行いましたので、ご報告させて頂きます。
ご存じの方も多いと思いますが、胃瘻は経口摂取が困難になった方に対して、有効な栄養摂取手段となります。
一方で人生の最終段階を迎えた高齢者に対しては、ご本人の意向に伴わない胃瘻の造設が存在していることも
事実であると思われます(もちろん、そこには様々な要因が介在していることが考えられます)。
その「胃瘻造設術」について、75歳以上人口あたりでの算定件数を全国年次推移および都道府県別で調べました。
1)全国での算定件数年次推移をみると、平成23年と比較し、平成29年では人口あたりの造設数は約半数になっている
(ただし、平成28年と平成29年を比較すると造設数は微増)。
2)都道府県別での算定件数をみると、沖縄県が人口あたりの造設数が最も多く、静岡県が最も少なくなっている。
上記のことが分かりました。
以上より
➀栄養経路としての胃瘻への考え方は、徐々に変化しており、特に人生の最終段階を迎えた高齢者に対しての考え方
(胃瘻を造設する/しない)はこの数年で大きく変わった可能性がある。
②栄養経路として胃瘻を造設する/しないへの考え方は、地域ごとに特徴がある。
ということが示唆されました。
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しかし
「胃ろうは悪だから絶対イヤ。だから鼻から栄養をして欲しい!」
と強く訴える50代、60代の長男長女が増えている。
あるいは高カロリー輸液も増えている印象で、複雑な気持ち。
人工栄養の総数は増えていることも知っておかねばならない。
人工栄養には
1)胃ろう
2)鼻から栄養
3)高カロリー点滴、の3つがある。
1)が間違いなくベストなのだが、
2)や3)を希望する子供世代が増加。
まさにマスコミのミスリード。
介護職だけでなく医師でもそう思っている人が多い。
いかに正しい医学的知識を伝えることが難しいのか。
だから「胃ろう件数」ではなく、「人工栄養件数」で
考えないと、評価はできない。
あと、
要ろう栄養=口から食べたらダメ、と思っている医者が多い。
逆である。
どこに講演に行っても、日々の診療でも、一番多い質問は
「胃ろう造設の是非」であるが、答えるのに1時間かかる。
毎日、たくさんのメールや手紙を頂くが、読む暇もないし
返事を出すこともできない。
それに怒って、ストーカー的に追いかけてくる人もいるが
そんな人のために一生懸命に本を書いている。
印税は全部、被災地の子供達に寄付している。
「胃ろうという選択、しない選択」に詳しく書いた。
分かり易い言葉でしか本を書かない。
PS)
1日食べないと必ず119番、
38度の発熱も必ず119番、
SPO2が90%を切ったら
主治医に連絡せずに必ず119番、と規則で決めている施設がいくつかある。
119番しないと、上から罰せられるのだという。
だから看取りなんて永遠にできない。
それが
・いい介護だと思っているのか、
・なんとなく怖いからなのか、私には分からない。
その結果、尼崎の救急車一台当たりの出動率は、全国1700ある自治体で最も高い。
しかし、そんな現実を行政や研究会や医師会でお話ししても、誰も興味を示さない。
なぜ???
医療と介護の連携は、たとえばこんな素朴な話から始めないといけない。
胃ろうの話の前に、食支援の話も必要。
しかし、これだけでも2時間はかかる。
だから自分で学校を造るしかない。
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