大関昇進後の口上は、実にシンプルだった。

「感謝の心と思いやりを大切にして精進します」

感謝、思いやり、精進、と決して難しい言葉は使わなかった。
そこに「押し相撲」を武器に短期間でここまで来た根性を見た。

今場所中の取り組み直後のコメントも面白いというか示唆に富む。

勝った直後　「もう済んだことなので。明日のことしか考えない」
負けた直後　「また自分と向き合うしかない」


彼の座右の銘は「一寸先は闇」、だと。

２２歳の若者がこの言葉を刻み、精進している。
そりゃ、応援する人がどんどん増えるはずだ。

千秋楽の直後、ミナミで、貴景勝さんと少し話をする機会があった。
「体の相談に乗ってください」みたいなことを言われて嬉しかった。

彼はカラオケで歌を歌ったが、何だったと思う？

桑田さんの「栄光の男」を熱唱してくれた。
そうか、彼も桑田さんが好きだったんや。

美人すぎるお母さんとも少し話をしたが、
「私も初めて聞くのよ」と言われていた。


彼は「千賀ノ浦部屋」に所属している。
千賀ノ浦とは、元・隆三杉さんだ。

宮城県の名勝「千賀ノ浦」から名前を取ったと。
そして、被災地支援にずっと通っておられると。

こんな恵まれた親方さんと素敵な女将さん、そして
人懐っこい力士たちの部屋で貴景勝は稽古している。

貴景勝の今後が楽しみだ。
彼は芦屋出身で練習は尼崎だった。

しっかり応援したい。
横綱になってほしい。

そして千賀ノ浦部屋の発展も祈りたい。
実にいい雰囲気で、タップリ癒された。








PS)
この時、胸の携帯が鳴った。
施設からの呼び出しだった。