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平成の医療と介護 長尾が選ぶベスト5とワースト5

2019年04月25日(木)

あと4日で平成も終わりだー!と思うと、なんだか切なくなる。
平成の医療と介護 長尾が選ぶベスト5とワースト5を考えた。
以下、まぐまぐのメルマガ(→こちら)の過去記事を紹介する。

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平成の医療と介護 ベスト5とワースト5

まずは、ベスト5から   発表!
 

 
みなさん、人工知能やIPS細胞などの再生医療や免疫チェックポイント阻害薬を予測されるかもしれません。しかし私は再生医療や免疫療法にはかなり慎重です。山中教授がノーベル賞を受賞されましたが、まだIPS細胞の恩恵に預かった患者さんを知りません。私はむしろ、バブル化しつつあるiPS細胞ビジネスが崩壊することを心配しています。まだ途半ばです。ということで、以下独断と偏見で5つほど書きます。
 
 
5位 近藤誠医師
  私は、一世風靡した近藤誠理論に関する著書を2冊出版しました。「医療否定本に殺されない48の真実」と「長尾先生、近藤誠理論のどこが間違っているのですか」です。読んで頂ければ分かるように「間違っている点」を指摘しただけで、決して近藤理論を否定しているわけではありません。市民に誤解されないように極論の矛盾を解くとともに3分の1は正しくて、3分の1は間違っていて、3分の1はよく分からないことを分かり易く解説しました。しかし患者さんの立場に立っていない行き過ぎたがん医療に勇気をもって警鐘を鳴らした近藤氏の勇気は評価しています。最近は、「平穏死」の本を書かれているようですので、だいぶ近い人かなあと感じはじめています。一度もお会いしたことはありませんが、今年あたり、新宿ロフトの「オトナのための死の授業」ででも本音トークをできたらと願っています。ありがとう、近藤先生。
 
 
 
4位 愛知県大府市の認知症鉄道事故への最高裁判決
  認知症の人の徘徊中に起きた事故の責任は家族にはない、とした最高裁判決は画期的なものでした。もし家族に責任ありという名古屋高裁判決を踏襲していたら、認知症の人はいまごろみな精神病院や施設に収容されていたことでしょう。この最高裁判決を受けて神戸市は認知症事故条例を作るなど、認知症施策に大きな影響を与えた判決でした。自由に徘徊できる街づくりが今後の医療・介護の課題です。裁判経緯に興味のある方は息子さんの高井さんが書かれた「認知症鉄道事故裁判」をご一読ください。それにしても諦めずに最後まで闘って頂いた高井さん、ありがとう。
 

3位 週刊誌の一連のお薬特集
 週刊現代が火付け役になり、各種メデイアが薬害やポリファーマシーを取り扱い患者さんの意識が変わったことは素晴らしいことだと思います。まあ彼らも社会正義というよりも「週刊誌の売り上げ」のためにやっているだけなのですが、やらないよりやったほうが良かった事例です。しかしこれらのメデイア報道を「けしからん!」と怒っているお医者さんが多いようですが、彼らのほうが問題だと思います。またワセダクロニクルによる製薬企業と医者の癒着に切り込む活動も生まれ、私もおおいに応援しています。そろそろ医療界は目覚めて欲しい。臨床医は洗脳セミナーから解かれて欲しい。でも週刊誌でしか是正できない薬漬け医療は本当に情けない。日本の恥です。医療界の自浄作用を期待します。ありがとう、現代さん。

 
2位 国が「リビングウイルを否定」したこと。
 「患者が終末期医療に関する意思表示をすると医師の訴訟リスクが高まる」という内閣府の認識は間違っているのではいか。そう思う私たち日本尊厳死協会は国を相手に行政訴訟をおこしました。これは刑事訴訟でも民事訴訟でもなく、「判断の是非」を問う行政訴訟です。2年の年月を経て2019年1月に東京地裁は私たちの主張に軍配をあげ、国の考えを却下しました。しかしなんと国は控訴しました。現在、東京高裁で係争中です。しかし10年後にはまさに「平成の笑いもの」として歴史に刻まれることでしょう。詳細な経緯は今年後後半に公開し、国民的議論を喚起したいと考えています。しかし患者の権利を否定したり東京地裁の判決を無視するという国の暴挙は日本における意思決定支援の普及、特にリビングウイルの啓発を考えるうえで却って良かったのかな、と思い直しているところです。世界から見れば完全にガラパゴス化した日本の終末期医療を考える「きっかけ」になることでしょう。その意味で、ありがとう、内閣府さん。
 
1位 丹野智文さんはじめ認知症ワーキンググループの人たちの活動

 認知症を早期発見して確定診断して専門医に紹介。そこで抗認知症薬を増量規定に従い最高量まで、それも死ぬまで継続、という新オレンジプランの骨格は間違えています。それにより何十、いや百万人単位の「薬害認知症」患者さんが生み出されてきたのに医者も患者も「薬害」だと気が付いていない現実は滑稽です。そんななか、若年性認知症の丹野智文さんはじめ認知症ワーキンググループの人たちは3年前に立ち上がりました。「認知症当事者も認知症政策決定に加わる」という彼らの活動は、増え続ける認知症の人の人権を守ることになります。カミングアウトしてくれた勇気に感謝。ありがとう、丹野さん。
 

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次は失敗のベスト5です。

私自身は失敗しかない人生やなあと思っているので自分自身の失敗を書きたいところですが、さすがに今は書けません。個人的な「失敗」ではなく、社会的な「失敗」もたくさんありました。死を前にした時に存分に書きたいと思います。さて、ご質問は「医療と介護の失敗学」なので、その領域において私が「平成の大失敗」だと思うことを5つ書いてみます。過激な意見もあるかもしれませんが、あくまで平成最期の失敗学の研究に寄与したい、という観点でどうかご容赦ください。
 
 
第5位 「がん放置療法」とオウム事件
 
ひと昔前(今も残っているのかもしれませんが)、「がんもどき理論」や「がん法治療法」をすべてのメデイアが正義として大きく報道しました。多くの知識人も騙されました。それを信じて助かるがんを放置した結果、多くの人が命を落としました。私の知人も何人か惜しい死を遂げました。極論・詭弁に論理的に反論するのは難しいことです。誰も書けない内容だと頼み込まれたので、私は「医療否定本に殺されないための48の真実」(扶桑社)と「長尾先生、近藤誠理論のどこが間違っているのですか」(ブックマン社)の2冊を書き、多くの市民からの素朴な質問に答えました。しかし案の定、信者さんらメデイアから数えきれないほどの卑劣な攻撃を受けました。仕方がありません。問題の本質は、「医療は極論や原理主義ではない」という当たり前のことです。日進月歩のがん治療には様々な選択肢があり、勝率が高い「精密医療」に移行しつつあります。抗がん剤を「やる、やらない」ではなく、「いつやめるのか」なのです。それを無視した大衆受けする原理主義本をすべてのメデイアが大賛美し私が攻撃されたことは、どこかオウム真理教事件を彷彿としました。私は「80歳以上の人には放置療法がお勧め」だったら拍手喝采だったのに、惜しいなあ、と思いました。
 
 
 
 
第4位 総合医を本気で養成しなかった無策
 
超高齢多死社会が凄い勢いで進む中、市民に一番必要な医師は「総合医」だと思います。プライマリケア医や家庭医やかかりつけ医も同じ意味です。しかし臓器別縦割り医療が加速するだけで、肝心の総合医の養成がほとんど手つかずです。新専門医制度がスタートして1年が経ちますが、制度改定の目玉の一つで、19番目の基本領域に位置づけられた「総合診療専門医」の滑り出しはどうでしょう。初年度に登録した専攻医が約180人で4月からの新年度の応募者数(一次)も158人という数字は寂しすます。日野原先生も泣いているでしょう。これはまさに医療政策の大失敗だと思います。ポリファーマシーも救急搬送も在宅医療も総合医を真剣に養成していたら起きなかったでしょう。そんな想いで私は「スーパー総合医叢書全10巻」を今月、完成させました。それを記念して8月24日(土)東京大学で「本物の総合診療を本気で推進する会」を開催し、この問題の本質を論じる予定です。
 
 
 
第3位 介護保険制度に営利企業の参入を許した愚
 
2000年に介護保険制度が創設されましたが、営利企業の参入を許したことは大失敗だったと思います。今、介護の問題が取り沙汰されますが、その起点はすべて2000年にあります。社会福祉法人と医療法人に限るべきでした。いま、景気がいいのは介護施設関係者です。儲かっているお金は株主に分配され、介護職員は3Kのままです。教育に投資されていない介護現場がたくさんあり、医療負担を増やすという悪循環に陥っています。社会保障制度は、医療・介護・年金です。公的介護保険を株式会社に開放したこと自体、大きな失敗でした。私は憲法違反ではないかとも思います。
 
 
第2位 新オレンジプランという認知症量産政策
 
認知症を早期発見して早期診断して早期投薬する。それを謳った新オレンジプランは根本から間違っていると思います。「認知症かなと思ったら認知症専門医に」ですが、その結果、抗認知症薬で認知症が悪化したり寝たきりになった「薬害認知症」が造られました。何十万人もの薬害認知症の患者・家族が訴訟を起こしたら国は負けるのではないいか。私は「一般社団法人 抗認知症薬の適量処方を実現する会」の代表ですが、認知症医療は荒廃の一途です。今のままなら無いほうが、認知症の人は幸せです。製薬会社が提供したお金でねつ造されたエビデンスを信じた行政も猛省して欲しいと思います。今すぐにでも修正して欲しい政策です。
 
 
 
第1位 毎日新聞の透析報道
 
先月から始まった福生病院における人工透析の非導入・中止にかかわる一連の報道は、メデイアの凋落(あるいは終焉)を象徴しています。終末期の患者さんの意思を尊重して話し合いを経て透析を中止した医師は患者さんのための医療を実践したものであり、なんの問題もありません。しかし毎日新聞社は「透析中止=殺人」を匂わせて煽り続けています。私たち現場のプロはみな「はあ??」です。私も非導入も中止も何例か経験しています。経験していない医療機関はおそらく皆無ではないいか。しかしなにも知らない知識人は「安楽死で殺人罪だ。けしからん」と同調しました。一連の報道で不幸になるのは患者さんです。毎日新聞のキャンペーンの結果、どう変わるのか。いったん導入された透析は死ぬまでやりましょう、となるのでしょうか。「もうやめてくれ」と訴えても、「いや、毎日新聞が殺人と書くから死ぬまで中止できません」となります。患者さんは「死ぬまでやめられないのなら最初からやめておこう(=非導入)」が増えます。せっかくの医療技術の恩恵を受ける人が減ります。抗がん剤も胃ろう栄養などの延命治療も同様で、死ぬまでやめることが難しくなる空気ができました。まさに時代への逆行です。メデイアは誤報ならまだいいのですが、悪意を持った偏向報道ばかりです。「死=医者が殺した」という構図を崩しません。それを迎合する市民が一定割合いることに私はショックでした。日本人に死生観が無いことがはっきりしました。いずれにせよ、毎日新聞の偏向報道は長く後世に残る「大きな汚点」になるでしょう。一連の記事を書いた記者本人に会いそう説明しましたが、全く理解できないようでした。福生病院は毎日新聞を名誉棄損で提訴すべきだと考えます。これほど誤った報道を見たことがありません。まさに「メデイアの死」です。ということで平成最後で最大の失敗だと思います。


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あるという大学研究室がいくつかあるそうなので、おちおち書けない。

だから本当の話や大切な話は、この有料メルマガに書くしかできなくなった。
ブログとは公開している個人の日記だと思っていたが、そうではないらしい。

困っていたところに、まぐまぐさんから声をかけて頂いて2年になる。
読者が徐々に増えている。

そのうちに、このブログは閉鎖に追い込まれるかもしれない。
日記を攻撃や研究の対象にする人たちが少なからずいるので。

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2位になったら、このブログはやめようかな。
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