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神戸「看取りの家」頓挫 住民「日常的な死」に抵抗感
2019年06月10日(月)
しかし神戸の看取りの家構想は、頓挫したと。
住民が「日常的な死」に抵抗感を示したから。
神戸「看取りの家」頓挫 住民「日常的な死」に抵抗感 →こちら
神戸市須磨区で余命が短い患者らに最期の場所を提供する施設「看取(みと)りの家」の開設計画が頓挫したことについて、地元では、反対していた住民から安堵(あんど)の声が上がる一方、「この問題を勝った負けたで終わらせたらだめ」「死を見据えて生きるきっかけにしなければ」などと複雑な思いも聞かれる。高齢化の進行で「多死社会」が迫る中、平穏な最期をどう描き、それを周囲はどう支援するべきか。計画の頓挫は大きな課題を浮き彫りにした。(貝原加奈)
「その人らしく最期を迎えられる場所に」と、看取りの家の事業者が、須磨ニュータウンの一角で空き家を購入し、株式会社を設立したのは昨年夏。余命宣告を受けた患者5人ほどとその家族を受け入れ、利用者が望むサービスを介護・医療保険を利用せずに提供する計画だった。
しかし、昨秋に自治会関係者へ事業概要を伝えると、住民側は「日常的に死を目にしたくない」などと反対の意思を表明。「看取りの家はいらない」「断固反対」などと記したチラシを周辺の家に張り出すなど反対運動を展開し、事業者は5月に開設を断念した。
現在、チラシなどは撤去されており、近くの住民から「やっと穏やかに暮らせる」「ほっとした」との声が漏れる。60代女性は「亡くなっていく人のお世話は大事な仕事。でも暮らしの中に入ってこられると嫌なもの」として「やっぱり住宅地で開設するべきではない」と話した。
一方、80代男性は「勝った負けたの問題で終わらせたらいけない」と話す。頓挫の要因を「事業者が住民と親しむ前に走りだしたことが大きな間違いだった」と指摘。その上で「死からは逃れられない。住民側も自分たちの最期について考えるようにしないと」と述べた。
80代の女性は「必要な施設だが離れた場所につくってほしい。見える範囲でなければあってもいいというのが正直なところ」と胸の内を明かした。
地域の福祉施設の事情に詳しい甲南大学経済学部の石川路子教授(48)=地域経済学=は「在宅ケアが進んでいく中で、地域で死を迎えるためにはどうあるべきかを考えないといけない」と指摘。今回の断念については「事業者と住民がまちの将来について話し合う機会が持てなかったことが非常にもったいない。思いやり合えない今の社会の一端」とする。「これで終わりにせず、地域でどう死を受け入れていくのか、一から考えるきっかけにしてほしい」と強調した。
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最期住み慣れた地域で ホームホスピス、兵庫最多 →こちら
高齢化に伴う多死社会を迎えつつある中、住み慣れた地域で最期を迎えることができる施設が各地で開設されている。がんや認知症の患者らがスタッフとともに暮らす「ホームホスピス」や、たんの吸引や胃ろうの管理といった医療ケアが必要な患者を支援する「看護小規模多機能型居宅介護事業所」(看多機)などの施設だ。兵庫県内には、全国ホームホスピス協会(宮崎市)に登録するホームホスピスが12軒あり、全都道府県で最も多い。看多機も県内に30施設あり、この2年間で倍増している。
ホームホスピスも看多機も、積極的な延命を拒む入所者が緩和ケアなどで穏やかな死を迎える「みとり」を手掛ける。
ホームホスピスは空き家となった民家などを活用。がんや認知症で1人暮らしが困難になったり、入院や施設への入所を望まなかったりする人たちが、サポートのスタッフと一緒に家族のように生活する。介護認定を受けていなくても利用できる。
全国ホームホスピス協会によると、全国第1号は宮崎市の「かあさんの家」で2004年にオープンした。現在では各地で44団体が計57軒を運営する。兵庫県内では神戸や姫路、洲本など6市で全国最多の12軒が開設されている。
同協会事務局長の黒岩雄二さん(55)は「兵庫で数が多いのは、阪神・淡路大震災を経験し、地域で助け合う意識が高いのかもしれない」と推測する。
一方、看多機は介護保険のサービスで、医療ケアが必要な人を看護と介護一体で支える。要介護者が日中を過ごしたり宿泊したりするほか、看護師や介護士が自宅を訪問して在宅療養を支援する。
兵庫県によると、神戸やたつの、豊岡市など9市で計30施設を数え、昨年度は1年間で9施設増えた。全国では511施設(今年1月時点)で、昨年の同時期と比べると92施設も増えている。
兵庫県では昨年、初めて全41市町で死亡者数が出生数を上回った。県高齢政策課の担当者は「自宅で生活しながら利用できる看多機のニーズは今後、高まるのではないか。ホームホスピスを含め、人生の最期を迎える場所の選択肢が増えることは大切だ」と話している。(田中宏樹)
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これらの記事の感想。
1)日本人の死生観がよく表れている 「死を忌み嫌う」
2)でも諦めずに頑張って欲しい、応援している
3)自分の家の隣にできても、歓迎する
4)実は、スイスの安楽死組織であるデイグニタスの「看取りの家」も
そういえば、チューリッヒ郊外の人家から離れた場所にあったなあ。
5)少なくとも「ホームホスピス」というものがあることを知って欲しい。
全国ホームホスピス協会 →こちら
私は今年の総会で特別講演を依頼されている。
12月1日(日)広島市。
PS)
現場と発信。2つの両立は簡単ではない。
毎日、2つのクリック、誠にありがとうございます。
オリンピックまでは続けよう、と思っています。
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この記事へのコメント
何事も 最後は人の考え、価値観に左右されてしまいます
いつも 長尾先生がおっしゃてる2.5人称で考えると他人事はありません
なんとかしたいと思えば 思うほど 空回りのことが多いです
きっと なんとかしたいと思っている方々が あまりにも先のことを考えていて ついてこれないんでしょうね
(もう すでに現実になろうとしているのに わかろうとしないのかもしれません)
それでも 準備は必要ですよね
Posted by 宮ちゃん at 2019年06月10日 11:11 | 返信
「小規模多機能型介護施設」について研修会がありました。
実際に多機能型介護施設で奮闘している人が半分いらっしゃっていましたけど、「やりがいもあるけど、大変」と言う印象でした。
「小規模多機能型介護施設連絡協議会」みたいな地域連絡会議を設けて、問題点を話し合って、解決できることは解決する。どうしても解決できない問題は、取り上げて県や国に要望することが重要に思いました。心理的に「看取り施設」とか「認知症カフェ」とか表に掲げると近づきにくい印象になるし、「つどい場サクラちゃん」の方が集まりやすいなあと思いました。
Posted by にゃんにゃん at 2019年07月07日 05:23 | 返信
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