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胃ろうがあるから家に帰せない・・・

2019年07月23日(火)

「家に帰りたい」と本人が懇願しても、「胃ろう」があるから
病院から家に帰れない(帰せない)患者さんが沢山いるらしい。
人工栄養が地域包括ケアを阻害しているという一面を知るべし。


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ある療養型病院では、入院患者さんの5割が胃ろうだという。

在宅に帰したくても、介護する人がいないから帰せないという。
施設も「胃ろう枠」が一杯でなかなか入れないので貯まる一方。

そうしてベッドが、胃ろうで占められている、という。
まさに「人工栄養」が在宅復帰の邪魔になっていると。


そういえば、胃ろうの在宅患者さんは家族が注入しているような。
なかには自分で注入したり、介護職が注入している家もあるけど。

完全独居で胃ろうの人も居るには居るが、さまざまなサービスが必要。
その療養病床の院長は、「胃ろうに占拠されている!」と嘆いている。


しかし「胃ろう=悪」という誤った認識が広がり鼻から管が増えている。
鼻から管が可愛そうなので胃ろうができたのに、見事に先祖返り、した。

しかし胃ろうを沢山入院させている療養型病院は善良な病院だと思う。
なぜなら胃ろう患者は医療区分1で、一番儲からない患者さんだから。

高カロリー点滴(IVH)にすれば医療区分3に上がり、診療報酬は一挙に2倍になる。
同じ患者さんを入院させて収入が2倍になるから、IVHを勧める病院もあるという。

ある病院では理事長から、「全員IVHへ」という指示が出て、従わないとクビに。
吉本興業ではないけど医者が「お前なんかクビや」と言われ、IVHを強要される。

もちろん溺れる。

床づれはバシバシだし、痰や咳で肺炎で胸はバリバリ。
IVHで1日1日2000Kcal、2000ml入れたらそうなる。

善良な医師は当然、悩む。
まともな医師は逃げ出す。

しかし退職前に「ここで見聞きしたことは後生絶対に口外しないこと」
という誓約書にサインをさせらるので、それまたトラウマ→うつ病に。


なんでこんなことを書くのか。


きっと、吉本興業の記者会見の見過ぎたためなのだろう。
っていうのは冗談で、皆様に胃ろうを知って欲しいから。

IVHを喜ぶ家族がいるから、話が厄介だ。
若い訪問看護師や在宅医も喜ぶ人がいる。

厚労省は、IVHは大変だから点数を高くしましょう、と善意で高報酬に。
しかし経営者から見れば、儲かるほうに傾くのは当たり前かもしれない。


つまり、性善説の診療報酬が、悪用される一例である。
世間知らずの役人さんが規則を造ると、必ずそうなる。

それを是正できるのが、政治家だけである。
厚生労働委員会は行政の歪みを是正できる。

抗認知症薬の増量規定撤廃も政治家にお願いした。
政治家には遠慮なく、言いたいことを言うべきだ。

でも、可哀そうない胃ろうの方を毎日見かける。

患者さんも家族も、胃ろうに関して無知すぎる。
いや、胃ろうの知識がほとんど無い医師も多い。

療養病床の医師が胃ろうを造る、わけではない。
上流にある急性期病院から「流れて」来るのだ。

だから急性期病院の医師に、食支援や摂食嚥下を
もっと勉強して欲しいなあ、と毎日、思っている。


そこで「胃ろうという選択、しない選択」という本を書いた。
どうしたら「ハッピーな胃ろう」にできるかも書きつずった。

でも、肝心な人に読んでもらっていない。
そして「胃ろう」を中止したら・・・も赤裸々に描いた。

胃ろうがついた高齢者は、老衰から遠さかることは確かだ。


@@@@@@@@@@@@@@@@@@

以下、大石佳能子氏のCNKへの書き込みから引用。
これがファクト。


2019年3月に、メデイバ社の医師兼コンサルタントが行った
「NDBオープンデータ等による胃瘻造設数に関する調査」


・75歳人口あたりの胃瘻造設件数がここ数年で大幅に減少している
・都道府県ごとに造設数に差があること

「中心静脈注射用植込型カテーテル設置」 の傾向や関連に関して、今回更に分析してみました。
その結果分かったことは下記のとおりです。 

(1)75歳以上人口あたりの中心静脈注射用植込型カテーテル設置件数はこの数年おおよそ横ばいで推移
(2)同じく都道府県別では鳥取県が最も多く、山形県が最も少ない
(3)胃瘻造設術算定件数と中心静脈注射用植込型カテーテル設置件数の合計をみると、鳥取県が最も多く、熊本県が最も少ない
(4) 同じくこれらの算定件数に強い相関は認められなかった。
(5) 同じくこれらの多寡は県別にのA:両方が多い、B,C:片方が多い、D:両方少ない、の4象限に分かれる

以上より
①  栄養経路として中心静脈栄養法への考え方は大きな変化が見られないものの、経腸栄養法への考え方は徐々に変化しており、
  加齢性変化等により経口摂取が困難になった際、新たな栄養経路は造設せずに、そのまま看取りに至る方が増加している可能性がある。
②栄養経路として胃瘻を造設する/しない、中心静脈栄養点滴を実施する/しないへの考え方は、地域ごとに特徴がある。
ということが示唆されました。

@@@@@@@@@@@@@@@


最後に、吉本ついでに。

「闇営業」は吉本だけではなく、医療界にもある。
薬の宣伝講演に精を出すエライ先生方が沢山いる。

反社会勢力ではないが、「利益相反だらけ」の世界で構成される。
洗脳セミナーは「利益相反なし」という嘘のスライドから始まる。


先日の灘高校でのイベントが、記事になった。
私も参加したが、復習のために読んで欲しい。

【東洋経済オンライン】 7/21配信
医師と製薬マネーのあまり表には出ない大問題 
https://bit.ly/2Y6cw33



PS)

今週末は、福岡で講演する。→こちら

夜は、鹿児島の離島医療研究会へ。→こちら
ドクターコトーの瀬戸上Drに会う。































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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

胃ろう増設時に丁寧な説明が行われていないことが多いのでしょう。「胃ろう」か「餓死」かの2者択一を求められたら選択してしまいます。で、結果「家ではみられません」となる。その後のことまでしっかり説明して貰わないとほんとに困ります。そして一般市民がもっと賢くなること。元気なうちに先のこと考えておかないと。ですね先生!

Posted by 小林ひろえ at 2019年07月24日 10:01 | 返信

もう2年。
在宅介護。
寝たきり。
喋れず。
全介護。

しかし床ずれも無い。
十分な栄養のおかげだと
思っています。

我が家は幸せな胃ろう者。
確かに造設する時は悩んだ。
ずいぶん悩んだ。悩み抜いた。

沢山の情報を仕入れた。
長尾ドクターの本も拝読致しました!
そして悩みながらも造設。

しかし今は大変良かったと思う。
そのおかげで平穏に暮らしている。

ケースバイケースだが胃ろうは悪を
返上し、
もっと正しい胃ろうを知って欲しい。

Posted by おてもやん。 at 2019年07月24日 07:10 | 返信

確かに、胃ろうだけでは医療区分は取れませんが、経管注入をするということは吸引もするので
そこで区分を取っているのかも知れませんね。あるいは、モニターを付けたりしてるかも。
医療区分2以上が全患者の80%以上いないと療養病棟の施設基準が満たせません。
もっとも、それは療養病棟入院基本料1の規準になるかと思いますが。

お金儲けを考えていないにしても、区分が取れなければ病棟として成り立たないので
どうにか工夫して区分を取っているはずですよ。

どんな姿でも生きていればOKという急性期病院の絶対的命題について
急性期の医療従事者は見つめ直し、考え直すべきだと私は思います。

Posted by A-K at 2019年07月28日 01:48 | 返信

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