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無益な医療行為とは

2019年08月06日(火)

日本中いたるところに医療機関があり、多くの人が通ったり入院している。
そこでは様々な検査や治療が行われて、期待と反対の結末に泣く人もいる。
数ある医療行為の中で、利益が不利益を上回るものは一体どれくらいかな?
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確立された医療行為でも約400件が無益

N Engl J MedなどのRCT論文3,000編を分析

 


総合医学誌3誌(N Engl J MedLancet、JAMA)に過去15年間に発表されたランダム化比較試験(RCT)の結果を報告した約3,000編の論文のレビューから、確立された医療行為でありながらその有効性が否定されたケースが約400件に上ることが示された。米・Oregon Health & Science University(OHSU)のDiana Herrera-Perez氏らがElife2019; 8. pii: e45183)で報告した。

有効性が否定されたケースの広範なリスト化が目的

 従来広く実施されている医療行為に対して、それらより以前に行われていた、もしくはそれほど普及していない医療行為よりも有効性に乏しいことをRCTで示すのは難しい。

 例えば、Cochraneのレビューでは質の高いエビデンスが示されているが、各レビューで扱う医療行為は1種類ずつしかなく、カバーされていない医療行為も多い。また、米国ではChoosing Wiselyイニシアチブにより価値が低い医療行為をリスト化しているが、こうしたリストは医学団体の報告に基づき作成されている。

 そこでHerrera-Perez氏らは今回、より広範な領域をカバーする包括的なリストを医師や研究者に提示し、効率的かつ費用効果に優れた診療行為につなげることを目指し、N Engl J Med 、LancetJAMAの3誌に掲載されたRCTを検索。N Engl J Medについては2011~17年、LancetおよびJAMAについては2003~17年に発表された論文を分析した。

 検討の結果、同期間に3誌に掲載されたRCTの結果に関する論文は3,017編だった。これらの論文で扱われた医療行為のうち、396件は確立された医療行為でありながらその有効性が否定されていた(全ての原著論文の6%、全てのRCTの13%)。

心血管疾患領域で最も頻度高い

 また、こうした医療行為を示したRCTの92%は高所得国で実施されており、残る8%は中国、インド、マレーシア、エチオピアなどの低・中所得国で実施されていた。有効性が否定された医療行為の頻度が最も高い領域は心血管疾患(20%)で、次いで公衆衛生/予防医学(12%)、集中治療(11%)が続いた。

 具体的には、心臓を一時的に停止して施行するオンポンプ冠動脈バイパス術(CAGB)と心臓を停止せずに施行するオフポンプCAGBの有効性を比較したCORONARY試験により、両者に差はないと結論された例(N Engl J Med 2016; 375: 2359-2368)などが挙げられるという。

 また、介入の種類別に見ると薬剤が最も高く(33%)、次いで手術・処置(20%)、ビタミン剤および/またはサプリメント(13%)が続いた。

 論文の最終著者でOHSUのVinay Prasad氏は「新規の医療行為だけでなく、確立された医療行為についてもRCTを実施することの重要性が示された」と説明。さらに、「効果に乏しい医療行為でも、いったん定着してしまうと行わないように医師を説得するのは難しい。新たな治療法に関しては、普及前に徹底的に検証を行うことで患者に有害な影響が及ぶ事態を回避できる」と指摘している。ただし、同氏は「今回の検討は分析対象が3誌のみに掲載された論文であるなどの限界があり、結果を一般化することはできないかもしれない」と付言している。

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以上は、あるメデイアからの引用だ。
このような研究に、国はお金を使うべきだ。

私は医者にかからない。
それは怖いからである。


ある医師に暴行されて全治3週間の負傷をした時だけは、病院にかかった。
医者にかかるのは、事故の時だけにしよう、と決めている。

極論すれば
男性は85歳以上
女性は90歳以上は、ほとんどの検査や治療は要らない、と思う。

と言うと、必ず、「エイジズム」や「優性思想」という非難を浴びる。
しかし私に言わせれば、そのような攻撃的な人こそ偏っていると思う。

日本国は、国をあげて、このような研究・啓発に力を入れるべきだ。


 

 


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この記事へのコメント

親戚の医師は60超えたら健康保険証なんか捨てても良いとよく言ってます。
(実際に捨てると事故などでは困るし、緩和医療も受けられないので、実際に捨てるわけではないですが、まあ気持ちとしてそういう風でいろということでしょう)
その親戚は50くらいですが、もう10年くらい健康診断等は一切受けてません。癌などになったら放置する、とも言ってます。
老人ホーム、老人の多い病院、意識のない寝たきりの人を受け入れる施設(ALSなどで閉じ込めあの人も含む)などを訪れる機会が多く、いつしか、健康でない状態での長生きはほとんどの場合不幸である、という価値観に至ったようです。
また、治らない病気に対しては医療を受ければ受けるほど辛いだけとも言ってます。「年寄りは癌が一番楽」が口癖ですね。いやな医者ですよね。

Posted by 匿名 at 2019年08月07日 12:42 | 返信

先ほどコメントしたものです。
親戚の医者がこの記事を読む可能性があるかもしれないので、少しフォローさせてくださいw
彼は非常に良い医者です。患者にも親身だし、優しい性格です。なのに何で、「年寄りはさっさと死ねばよい」とも解釈されそうなことを言うのかとなれば、これは優しい性格だからこそでしょう。
不治の病で苦しむ人や、老いても誰も見舞いに来ないほったらかされてる老人などをみて、その痛みがわかるからこそ、死ぬことはそんなに悪いことでもない、と感じてるわけです。
苦しむ人を見て幾らになるか金に換算するだけなら、人がどんなに苦しそうでも平気の平左だし、なんとしてでも生かそうとして、濃厚な医療をバンバンぶっ込むことでしょう。

Posted by 匿名 at 2019年08月07日 01:47 | 返信

長尾先生しか言えないです 以前同じことをブログに書いたら・・近所の開業医からボロクソに電話もらいました あった事も無いのに なんせ当時は老人保健は無料だったのでメーカーも医師会も敵に回した発言で

Posted by 薬剤師 井澤康夫 at 2019年08月07日 09:32 | 返信

 私の父は90歳のときに関西労災でペット検査をするようにと言われて思わず笑ってしまいました。勿論 お断りしましたが・・・・

Posted by 薬剤師 井澤康夫 at 2019年08月08日 09:15 | 返信

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