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がんとブドウ糖と酸素

2019年10月08日(火)

がんの大好物はブドウ糖と酸素である。
これは繰り返し何度も言ってきたこと。、
そして今夜、HIFがノーベル賞を受賞。
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今年のノーベル生理学医学賞に、アメリカとイギリスの3人の研究者が選ばれた。受賞が決まったのは、アメリカのハーバード大学のウィリアム・ケーリン教授、ジョンズ・ホプキンズ大学のグレッグ・セメンザ教授、イギリスのオックスフォード大学のピーター・ラットクリフ教授で、細胞が酸素不足になった場合の仕組みを解明する研究が評価された。酸素を取り込む力が弱く、常に酸素不足のがん細胞が生き続けられるのは、『HIF』と呼ばれるたんぱく質の一種が作用していることが、3人の研究でわかった。今後、HIFの働きを制御できれば、がん治療などへの効果が期待されている。 

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@



報道ステーションの解説を聞いて欲しい。→こちら


がん細胞は、いつも酸素不足で喘いでいる細胞。
しかしHIFのいう物質でなんとか生き延びている。

がんは無限に増殖しなくてはならない。
そのためには、エネルギー源が必要だ。

それは
・ブドウ糖と
・酸素、の2つである。


しかし、多くの医者は真反対のことをしている。
末期がんの患者に高カロリー輸液と酸素吸入をしているのだ。

これはがんだけを利して、がんの苦しみを増すだけだ。
しかも1日2ℓもの水で溺れ死にさせてのだから殺人だ!



1ケ月前、ある末期がん患者さんの家族から在宅医交代を依頼された。

さっそく行ってみて、驚いた。

1日2.2ℓもの高カロリー輸液が、されていた。
がんセンターがある病院の訪問看護師が1日2回点滴を交換していた。

在宅医も高カロリー輸液が良い、と信じている様子だった。

患者さんは、苦悶で一杯だった。
ゲーゲー、吐き続けていた。

見ておられない家族が、ある人を通じて私に連絡をしてきた。

私は、1時間かけて、がんの増殖機構と現在の病態を分かり易く説明した。
「この点滴と酸素を外せば、元気になって食べられるし外出もできる」と。


家族は詐欺だと思ったらしい。(後から聞いた)
しかし翌朝、主治医交代の決意をされ連絡がきた。

私は、さっそく高カロリー輸液も輸液ポンプも外した。
ご家族は「この医者は殺すつもりや」と思ったらしい。

しかしその2日後、あれほど苦しかった嘔吐が止まった。
4日後には水分が飲めるようになり1週間後には果物も。


そして1ケ月後には、お寿司でもなんでも食べられて
車椅子で1日2回外出できるようになり、満面の笑顔。

この患者さんは実は腸管に穴が開き腹腔内に膿が貯まっている。
ドレーンが入っていて効いているので、食事ができているのだ。

1ケ月前、主治医を交代しなければ、1週間で亡くなっていた。
高カロリー輸液を中止したから、元気になり食べられている。

もちろん、本人は笑顔いっぱい。
ご家族にも凄く感謝されている。

「奇跡だ」と言ってくれた。

でも奇跡でもなんでもない、がんの基礎を勉強すれば誰でも分かること。

前の訪問看護ステーションの看護師さんに2週間前に、偶然、お会いした。

「あの患者さんは?」と聞かれた。

「高カロリー輸液を中止したのですぐに亡くなった」と思っていたらしい。

「ああ、あの方はその後、どんどん元気になり、バリバリ、食べていますよ!」

「うっそー?・・」

「自分の目で、見に行ってやってください。
 前の主治医にもそう言ってあげて下さい」

家族にも前のスタッフが家に来ても「怒らない」ように伝えた。
私はそんなことを良かれと思って言ってしまうので、嫌われる。

しかしここで見に来たら、前の訪問看護師や在宅医は成長できる可能性がある。
しかし自分たちの失敗を見る気も無いので、同じ過ちを今も繰り返しているだろう。

日本中で同じような過ちが、毎日毎日、繰り返されている。

痛い在宅医、痛い訪問看護師とは、学ぶことをしない人。
せっかくの生き証人がいるのだから、学べばいいのにね。

当院の末期がん患者さんには、高カロリー輸液も酸素も無い。
患者さんの苦痛を取って、長く生き、楽しんでもらうためだ。


2年前、国は末期がん患者さんの在宅酸素を保険適応にした。
ある有名在宅医が「末期がんに酸素を!」と活動したからだ。

在宅酸素はCOPDと慢性慢性心不全の患者さんのためにある。
COPDに肺がんを併発した時は、ケースバイケースだろうが。

病院や在宅では、末期がんに輸液をすると診療報酬が上がる仕組みだ。
地域包括ケア病棟は酸素や高カロリー輸液をしないと経営ができない。

いずれにせよ
末期がん=酸素吸入は、意味がないどころか死期を早めると思う。

しかし現実には猫も杓子も「末期がんには酸素」が常識になっている。



違うだろう!

反対だよ!

何度書いても、何度話しても、町医者の声など厚労省には届かない。



世の中、そんなもんだろう。悔しいけど仕方がない。

しかしせめて、ご縁あってお出あいした患者さんの笑顔があれば、それでいい。

まあ、今夜は、自分が言い続けてきた「HIF]」がノーベル賞を受賞して嬉しい。


日本肺癌学会で「肺がんの呼吸苦に酸素はダメ」と講演したが全員無視。
がんセンターから酸素10ℓで家に帰って来ても、その場で中止している。

もちろん「高カロリー輸液」も中止である。
病院と反対のことをすれば患者は劇的に元気になる。

無知な医療が、病気を造っている。
信じる者は救われる、ということ。

でもこれで、やっと信じてもらえるのかなあ・・・

このようながんの基礎研究は大切だ。



PS)
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たとえばこうした声も厚労省に届き、少しは変わるかも。












































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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

「末期がんに高カロリー輸液と酸素を!」と多数の医師が信じて疑わないでいることを、「それはまちがっている!」と自分の信念で逆のことをして患者さんを救っている長尾先生。不安なく、言い切って実行しておられることを、本当に尊敬します。

Posted by 匿名 at 2019年10月08日 09:36 | 返信

copdでの呼吸苦に酸素ボンベの患者さんこちらはよろしいのですね。

Posted by ドデスカデン at 2019年10月08日 08:23 | 返信

アメリカ人やイギリス人が、ノーベル賞を取ったとはテレビで見ましたけれど、日頃、長尾先生が「癌の患者さんの、特に末期の方には点滴などで栄養を与えると、癌細胞に栄養を与えることになって、患者さんがもっと苦しむ事になる」と仰っている事を証明した論文とは知りませんでした。
凄い論文がノーベル賞をとったのですね。
長尾先生は「癌患者さんの臨床治療に於けるノーベル賞」を貰うべきですね。

Posted by にゃんにゃん at 2019年10月09日 07:01 | 返信

長尾先生が 叫んでも わかってもらえないってことは 私ごときが叫んでも 誰も聞いてくれるわけないですわ

縁あって 関われた方には 全力でサポートさせていただいています
亡くなる当日の朝まで トイレに行く方、最期まで食べている方…点滴が刺さってないから転倒リスクも減りますし おうちで過ごしていらっしゃるなら 自由にどうぞ〜ご家族も心配でしょうが これが 生きる道とあきらめてくださいマセマセ〜
医療処置=管理下になるから ダメ!ダメ!なんでもダメ!になってしまう悲しい現実です

人生に最期くらい好きに生きさせてくれ〜と思います

Posted by 宮ちゃん at 2019年10月09日 10:37 | 返信

勉強になりました。ありがとうございます。

ただ、感想として 「いまだ多くの医療関係者は」
・学ぼうとしていないか、学ぶ機会・時間がないか、既存の知識を信奉している
ので、
・彼らにとって「ばつが悪く、感情を悪くしかねない指導(気付き)を目的とした指摘
より、
このFITをノーベル賞受賞を機会に勉強しましょう!という活動を通して気づいていただけると
その効果・成果は患者が享受できるのではないか???
と思った次第です。

Posted by うーん at 2019年10月10日 10:37 | 返信

長尾先生は以前から「がんと酸素」について書いておられますが、
この記事の場合も、読み手がきちんと読んでくれないと誤解を受けるかも
知れません。
今回のノーベル医学賞の中で触れられている「細胞が酸素不足になった
場合の仕組みを解明するなかで、酸素を取り込む力が弱く、常に酸素
不足のがん細胞が生き続けられるのは、『HIF』と呼ばれるたんぱく質の
一種が作用していることから、酸素はがん患者にとっての敵だ」と受け取ら
れれば問題があるかもしれません。がんと言うのは自分の細胞でありながら、
悪知恵があって自分が生き残るために、恐ろしいまでの動きをします。
今回の受賞でHIFだけがクローズアップされているように見えますが、
「エクソソーム」の働きをみると、同じようにがん細胞が悪知恵を働かせ
ていることが分かります。 エクソソームの研究成果が上がっていて、あと
少しで人間への医療に取り込まれるでしょう。今回のノーベル賞だけでなく、
エクソソームにも関心を持ってみたいものです。 がん細胞だけではなく、
正常細胞で同じことが起こっているわけで、先生の言われることは「末期」
にある患者にたいする提言だと、私は思うのですが?違いますでしょうか?

Posted by 中原武志 at 2019年10月12日 04:30 | 返信

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