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在宅患者さんと最期の晩酌

2019年11月07日(木)

末期がんで在宅療養中の患者さんとご家族と酒を飲んだ。
今すぐに亡くなるわけではないけど、貴重な時間だった。
「最後の晩餐」ならぬ「最後の晩酌」にお付き合いした。
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時々、在宅患者さんに食事を勧められることがある。

昔は、時々、それに応じてきたが、
忙しくてしばらくそんな機会は無かった。

しかし、たまたま訪問していた末期がんの患者さんとご家族から
「先生、一緒に!」とお誘いを受けたので、改めて伺うことにした。

普段の訪問診療では聞けない話が、あれこれ飛び出してきた。
患者さんとご家族の本音を聞かせて頂きとても勉強になった。

・がん性腹膜炎
・腸管穿孔

病院では、高カロリー栄養でゲーゲー吐いて、苦しんでいた。

私が主治医になった日から、高カロリー点滴を中止して自然な脱水を見守った。
数日後には劇的に元気になり、飲食も外出も可能になり、2ケ月が経過した。

たったそれだけだが、患者も家族も勇気が要る決断だ。
私だってもしそのまま亡くなったら訴えられるだろう。

果たして、結果が出た。

平穏死の本を書いてきて嘘ではないことが証明された。
平穏死を知ってくれてる訪問看護師も、見守っている。

嬉しい!

もちろんこの幸せがいつまで続く分からない。
腸管は破れているので、いつまで食べられるのか・・・


病院の医師には信じてもらえないだろう。
しかし、こうした事実を直視してほしい。

もしあの時、私に出会わなければ、1週間後に亡くなっていた。
これは、本人とご家族の言葉だが、おそらくそうだっただろう。

最後の晩酌は、楽しい。
とても喜んでもらえる。

ただし、1時間で切り上げないと、患者さんが疲れる。

もし容態が許すならば、もう一回、宴会をやりたいな。























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この記事へのコメント

『病院では、高カロリー栄養でゲーゲー吐いて、苦しんでいた。
 私が主治医になった日から、高カロリー点滴を中止して自然な脱水を見守った。
数日後には劇的に元気になり、飲食も外出も可能になり、2ケ月が経過した。
たったそれだけだが、患者も家族も勇気が要る決断だ。
私だってもしそのまま亡くなったら訴えられるだろう。
果たして、結果が出た。』

『私だってもしそのまま亡くなったら訴えられるだろう。』・・・ここ、なのですよね。長尾先生の偉大なところは。
かなりの医師が、心の中では、長尾先生の医療方法に賛同していて、にもかかわらず「どっちみち死ぬんだから」「大病院流」に従う。
理由は「保身のため」。

長尾先生のブログをず〜っと読んでいて、正直、ハナにつくことは何度もありますが、
長尾先生の「勇気・良心・実行力」には、人間として頭が下がります。
医者は、医者である前に「患者と同じ人間」であってほしい。

Posted by 匿名 at 2019年11月08日 02:06 | 返信

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