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都市部における地域包括ケア

2019年12月10日(火)

医療タイムス12月号の「冬の時代の診療所経営」は
「都市部における地域包括ケア」という題で書いた。
都市部は医療機関が沢山ある分、連携が複雑になる。

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冬の時代の診療所経営12月号   都市部における地域包括ケア   長尾和宏
 
 来春の診療報酬改定の噂が聞こえてくる。国家財政がひっ迫するなか、マイナス改定は仕方ないという雰囲気を感じる。特に急性期病院においては病院再編という伏線もあり厳しいだろう。しかし在宅医療に関してはほぼ横ばい程度ではないだろうか。多死社会のピークである2040年を見据えた時、地域包括ケアシステムの推進という方向性は変わらない、いや変えられない。他に方法がないからだ。個人的には地域医療構想と地域包括ケアを別々に論じるのではなく、地域包括ケアをも含んだ地域医療構想と位置づけるべきだと考える。両者を両輪とするという考えからさらに一歩進み、包含関係と考え直したほうが合理的ではないだろうか。

 となると、医師会長と首長の関係がより重要になってくる。様々な地方に講演に呼んで頂くが、医師会長と首長とが仲がいい自治体は地域包括ケアシステムが進んでいる。市民啓発にも熱心である。5万人以下の小規模な自治体にそのような先進地域が多い印象がある。問題は、東京大阪をはじめとする都市部における地域包括ケアである。医療資源や介護資源が豊富な故の悩みも大きい。魑魅魍魎としているので連携もどうしても複雑化する。しかし一方では東京砂漠ではないが、都会での孤独死急増が話題になっている。

 先日、地元の民生委員さんから在宅医療の講演を依頼された。民生委員さんはボランテイアなので私も無償でお引き受けすることにした。在宅医療の基本から孤独死の実態についてまで“よもやま話し”をした。今後さらに増える孤独死の背景には、老人の貧困や医療拒否などがある。外来医療も在宅医療も受けずに人生の幕を降ろす60代男性が少なくない。孤独死が悪いのではない。腐るまで発見されない希薄すぎる地域の関係性が問われている。では我々診療所の医師はそこまで首を突っ込むべきか。私は自分の地域の独居高齢者や孤独死問題にもなんらかの形で関与する時代であると考える。

 産業保健という見地から眺めると保険診療は実に狭い箱である。大きな会社には相当な病気を抱えていても医者にかからない労働者が必ずいる。それに手を差し伸べる網が産業保健であり、保険診療よりもずっと広範囲であることに気が付く。これと同様に地域に潜在する医療拒否の人にも何らかの形で関わることが求められる時代ではないのか。そのためにはたとえば民生委員や老人会の役員などとの情報交換も開業医の仕事であると思う。直接的に医業経営に影響しなくても、長い目で見た時に地域から必要とされる医師になること自体が安定経営につながるはずだ。一般企業におけるCSRとどこか似ている。

 そうした役割がもし医師会を通じて与えられるのであれば迷わずにそれに乘るべきだ。しかしもしも医師会や行政から正式な要請が無くても診療所の周囲を徘徊してみれば自然と様々な相談を受けることになる。そんな“よろず相談”に耳を傾け適切なアドバイスをすることが町医者の役割である。犬も歩けば棒に当たるではないが、町医者が歩けば無料相談に当たる。

 地域包括ケアというとどこか遠くの世界の漠然としたものに感じる。しかし一部の地方では進んでいる。公立病院が牽引している自治体もある。問題は都市部であろう。病院はなかなか外に出て住民の生活を視ようとしない。しかし診療所は簡単に視ることができる。生活と距離が近い。都市部における地域包括ケアは診療所が牽引する余地が無限にある。

@@@@@@@@@@@@@@@@@



PS)

今日も朝一から往診、外来、20人の来客対応、
研修者への指導、訪問診療数件、夜間外来、講演、
グリーフケア訪問、深夜往診、深夜の看取り往診。

あっという間に1日が過ぎていく。
あっという間に12月も進んでいく。




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この記事へのコメント

初老で孤独死する人々というのは、そもそも、これまで人に裏切られ続けて、人との付き合いに疲弊して孤独を選んでいる気がしますので
そもそもがヘルパーや民生委員の訪問すらイヤでは?まして医者が訪問する事を受け入れられるでしょうか?整頓できないゴミでちらかった部屋など誰にも見られたくないのでは?迷惑がられるのでは?
そこへ強引に介入するというのは、かなりハードルが高そうですが。

Posted by マッドネス at 2019年12月13日 11:54 | 返信

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