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自費PCR検査のダンピング合戦

2020年12月12日(土)

東京では、自費PCR検査が1980円が登場した。

ようやく、「ダンピング合戦」になってきた。

どうせならば、「全国一律で3000円」で。

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医療タイムス2020年12月号  

自費PCR検査 -ダンピング合戦に乗るか反るかー   長尾和宏


 現在、唾液によるPCR検査が手を挙げた診療所でも行われている。医師が新型コロナを疑えば、行政検査として行えるので患者負担はゼロである。一方、会社命令などにより自費でのPCR検査の需要もかなりある。検査理由を聞くと、感染者の退院後の出社許可の判断や濃厚接触者の不安や学校命令など実に多様である。

 今後の感染拡大に伴い、自費検査の需要が急速に増加しそうだ。当院における行政検査の陽性率は10%前後であるが、自費検査の陽性率もそれに違い数字であり、すでに市中感染になっていることを実感する。  


自費検査の費用は3~4万円が相場と聞いている。検査の原価と容器などの消耗品が2万円強かかるので仕方がない。NYなどでは街角で無料PCR検査が可能であるそうだが、日本ではかなり高価な検査のままである。しかし東京・新橋には民間会社が経営する「PCRセンター」が登場した。検査代が2980円と聞いて目を疑った。さすが東京、なんと10分の1の値段である。これに驚いていたら3日後には、東京駅で1980円の検査所が登場した。PCR検査市場はまさにダンピング合戦に突入したようだ。

 当院では当初3万円で行っていたが、2万円に値下げした後、1万5千円に値下げした。値交渉を重ねて検査センターを変更した結果である。

 個人的には、1回3千円程度になれば誰でも気軽に受けられると思う。今後は1万円、ないし5千円を目指して経営努力を続けるつもりだ。それにしても10倍以上の検査代の違いは何に由来するのか。筆者の知る限りでは、主に一度に何検体を測れる機械かどうかと、手動か全自動かの2つの要因で原価が決まってくる。もちろんスケールメリットも大きい。1日10検体のラボと1万検体のラボでは当然、後者のほうがスケールメリットが大きくなる。その医療機関から出る検体数に応じてラボを使い分ける必要性を感じている。  


 そんななか島津から診療所など小規模医療機関用の約200万円のPCR自動機器が発売された。しかし考えてみると手動はもちろん、全自動でも検査技師の人件費がかかる。またどこで検査をするのかという命題もある。テント外来を造り一生懸命に動線を分けても、検体で医療機関内を汚染しては意味が無いので機器そのものよりも、場所や環境のほうが大切である。しかし、どう考えても一診療所がやることではない気がする。

 一番いいのは行政や医師会が安価な全自動のPCR検査機器を購入して共同のラボで行うことである。検査代をほぼ無料にして、患者負担はほぼ消耗品相当の3千円程度に設定すれば地域差なくPCR検査ができるのではないか。新橋のPCRセンターと同じように全国どこでも3千円程度でできるように、しようと思えばできるだろう。しなければならない。国の補助があり、首長と医師会長が協力すれば決して難しいハードルではないと思う。  


 自費PCR検査が1回3万円だとどうしても検査格差が生じる。しかしもしも3千円なら誰でも検査可能な値段とある。PCRがこれだけ誰でも知っている言葉になった現在、必要なものは「1回3千円でできるPCRセンター」ではないだろうか。多くの診療所は今後、無症状者への唾液を用いた自費PCRをするかしないか迷っているだろう。そしてPCR検査のダンピング合戦に乗るか反るかもある。もちろん各ラボでの精度管理という課題もある。政治には、早急に全国統一料金で安心して検査が受けられる体制を構築して欲しい。


ーーーーーーーーーーーーーーー


今夜も看取りがあり、深夜に帰宅。

死ぬ日も食事をして話してから眠るように逝った。


当院の40人の在宅スタッフは全員「平穏死」を理解している。

最初は戸惑うが数人看取ったら、僕の自論を信じてくれる。


「こんなに楽に逝けるんですか」と今夜も言われた。

映画「痛くない死に方」と同じような世界に毎夜のように遭遇。


ところで

忘年会の無い12月はなんとなくピンとこない。

結構、温かいし、正月まで3週間という気がしない。


紅白歌合戦も無観客と聞くし、まさに世の中変わった。

昨年の今頃、塚口のいかりライクスホールで「ひとり紅白」をした。


その様子がドキュメンタリー映画「けったいな町医者」に収録されている。

1年前はマスクをしている人なんて、当たり前だけど一人もいなかった。


ところで、GoToキャンペーンは、ちょっと中止したほうがいいのでは。

そんなお金があるならコロナと闘っている医療従事者に配布すべきだ。


まあ、もうピークを越えたとは思うけどね。

コロナ怖い怖い病の人を安心させるために。


PS)

コロナチャンネル #237


年末年始の帰省、会食...どこまで我慢すればいい?→こちら


後半は、「必見」丸ちゃん軍団のアイドルメドレー。

なんてたってアイドル・赤い風船・私の彼は左利き

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この記事へのコメント

そもそも自費PCR検査合戦というのは厚労省や医師会がPCR検査体制を未だに整備できていない事の証左です。つまり厚労省や医師会は1年も何をやっていたのか?という事になります。
海外のようにいつでもどこでもだれでもPCR検査が簡単に受けられる体制ができていれば、自費PCR検査価格合戦というのはありえない。まさに医療体制の脆弱さを内外に晒す恥ずべき事態でしょう。
この国の医療体制は少なくとも先進国レベルからははるかに遠いです。
国主導でコロナを管理したいがために2類を死守して保健所をこき使い、結果、保健所がほぼ機能停止している。つまり管理するつもりが全く管理できておらず、保健所をパニくらせてるだけ。保健所に見捨てられた患者が難民化している。町医者の多くがコロナ診療に消極的(リスクを冒して検査をしても、自分で何も治療ができないので、コロナ見つけても紹介先病院探しに苦労するだけ)
医師会のPCR検査の多くはいまだにドライブスルーでなので、車をもっていない人、車を持っていても運転できないほど容態の悪い1人暮らしの人はアクセスできない。
これからはコロナ孤独死が増えそうな予感がします。

Posted by マッドネス at 2020年12月11日 10:02 | 返信

丸ちゃん軍団のアイドルメドレーは見させて頂きました
かわゆい舞台衣装が見どころでした(私自身がお子様路線みたいなこともあり、あんな衣装を着て歌ってみたい)
お裁縫が全く出来ない私なので、手作りの舞台衣装がとても羨ましく思えます
それと、先生が乱入してるわ!
それと、生演奏で本当に良かったです
生ならボーカルにその場で色々調整が出来ますもん

PCR検査のダンピング合戦はやはり眉唾物のような気がします
以前、検査技師をされていたいた方が私の知り合いにいます
その方の現役時代の話を聞く機会があり、現場の大変さを私なりに感じたこともあります
機器本体の性能+機器のメンテナンス+技師
この3つが揃っているとなると・・・
実際、私の知り合いはとても真面目な方で、検体を取り出す?時も「患者さんの協力して頂く」という気持ちを持っていました
だからこそ、それなりのデータも出せれて様に思えます
ダンピン合戦が悪いのでないく、様々な課題があるのだけは素人判断でも解ります

所さんの大変ですよ 12月17日 午後7:30~午後8:42
放映予定の所の白装束で棺桶からニコニコ笑っているのは・・・
丸メガネで無精ひげのスタイルとは
まあ、ライブの時とはずいぶんと違う
「二度 死んだ男!?」
知り合いに宣伝しています

Posted by ナオミ at 2020年12月12日 06:51 | 返信

逆に考えると国や厚生労働省はPCR検査をあまり信用していないんじゃないかと思います。結局陽性でも陰性でも肺炎を起こしたら治療することになりますし。ざっくり言うとウイルスと戦うことをあきらめている(いい意味で)。

もしくは二類感染症ありきで考えると、陽性者が増えすぎたら困る。なので現状の方法をとらざるを得なかったとか。今は外国との関係を考えて二類は維持し、対応を実質五類なみに緩和する方向で行きたいのかもしれません。ただ自治体レベルではかたっぱしから入院させるのを崩さないと。

インフルエンザでとにかく検査しまくってタミフル、というやり方でも年間1000万人の感染者(濃厚接触者とか調べると陽性者はもっといるでしょうね)と年間1万人の死亡者(関連死含む)。これに軽い絶望を抱いているのかもしれません。

とはいえここまできたらPCR検査の数をどーんと増やす方向しかできないようにも思います。ただ二類の対応のままでこれをやるとなかなか大変なことになるでしょう。

Posted by 広島の赤牛 at 2020年12月12日 08:34 | 返信

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