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パニック発作人生

2020年12月06日(日)

日帰り講演の後、少し冷静に考えてみた。

昨夜、どうして息ができなくなったのか。

どうもエライことになっていたような・・

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昨夜、まさに舞台の上で死ぬかと思った。


息ができない。

動悸が止まらない。

手足が痺れる。

喉がカラカラ。

声が出ない・・・・


これってパニック発作そのもの。でも自分では分からない。

恥ずかしながら、62歳になってもまだパニック発作がある。


僕は、極度の上がり症で、音楽のテストになると1%の力も発揮できない。

だから小学校から中学校まで音楽の成績は「1」か「2」だった。体育も。


ハーモニカのテストではハーモニカを落とし、笛のテストでは笛を落とす。

緊張で手が震えるので、いくら持ち直しても楽器が持てないのだ。


その劣等感を克服するためにあんな恥ずかしいライブを続けている。

パニック発作を克服して、少しでも明るい人生を僕も送りたいのだ。


しかし昨夜、開始前に観客が入ってきたころから震えが止まらない。

結局、最初から最後までパニック発作のままなんとかライブを終えた。


終了後、発作が収まるまで、酒を飲みながら1時間半くらいかかった。

でも皆さんが言われるように「本当にここで死ぬのか」と思いました。


「ここで死んだら笑われるやろうな」という思いが一瞬頭をよぎったら、

本当にそうなりそうな気がしてきて、ずっと恐怖の中、歌っていたのだ。


マラソンランナーのように「早く、ゴールしたい」一心で。

歌う事よりも、ここで倒れない方に神経が行ってしまった。


joyという歌を選んだのは、「小心者」という歌詞があったから。

たったそれだけど、自分を一言で表現するなら「小心者の中の小心者」



今日の黒部での講演は、まったくその反対。

まったく上がらない、と言っても良かった。


自分でも「今日は調子いいなあ」という出来で上機嫌だった。

ああ、こんな状態で歌えたらなあ、と帰りのタクシーで思った。


昨夜と何が違うのだろうか?

やっぱり、小さい時のトラウマのフラッシュバックか。


結局、「音楽」というものに対する絶対的な劣等感が続く。

「音」は大好きなのに、人前では「楽しむ」ことができない。


きっと死ぬまで治らないのだろうな。

ボケが入ると、パニック発作自体は鈍くなるだろうけど。


でも、これをもし20代、30代でやっていたなら死んでいたかも。

60過ぎたからこんな程度で治まっているのかなあ、なんて思う。


過去の講演の中で時々、歌ったのは、もちろん克服するためのリハビリ。

講演という免罪符があるから歌が下手でも許されるという安心感がある。


でも昨日のように、歌だけだと、絶対ムリ!と確信した。

今度から、講演をしてから歌を歌おう。(やっぱ歌うんや)



昨夜、落ち着いてから行きつけのカラオケスナックに寄ってみた。

誰かからレゲーのマイクが回ってきたら、むっちゃ上手に歌えた。


そうか、俺はレゲーに変えよう。それなら行ける。ゆっくり。

そんな夢を見たけど、今夜なんでこんな恥を書いているのか。


それは、僕自身がパニック発作の持主だから。

僕はそれが分かるのでパニック発作の患者さんが多い。


歩く本を6冊も書くモチベーションとは、パニック発作を

歩くことで一緒に克服しましょう、というメッセージでもある。


本を読めば分かるだろうけども、必ずパニック発作について書いてある。

自分自身がそうだから患者さんの気持ちが痛いほど分かるので治したい。


でもその前に自分の発作を治さないとね。

そういえば円ひろしさんも同じようなことを言っていたな。


昨夜は僕の一番みっともない姿を全国に晒してしまった。

楽譜を落として拾い上げられない姿を見られてしまった。


でもこうやってカミングアウトすることで少しずつだけど

病状が軽くなると信じているので、堂々と書いておこう。


本当に情けない62のオッサンN。

テレビで堂々と歌う小学生が羨ましい。


ストリートでもやって度胸をつけようかなあ。

でもそんなことしたら病状がさらに悪化する? いや、不可能。


たぶん、多くの人は嘘、だと思うだろう。

でも、昨夜はそんなことが本当にあった。


僕は、コロナでパニックになる人の気持ちが良く分かる。

だから第二波まで「コロナ携帯」も握りしめて寝ていた。


でもそんなことをしていたら本当に死んでしまうので

第三波では、コロナ携帯を持つことは止めにした。


いろんな人に聞かれる。

貴方のモチベーションはなんですか?


「それは怒りです」といつも答えてきたけど、

正確には「パニックの自分への怒り」である。


長尾は対人関係に障害がある、と思っていて下さい。

どうしても治らないので大目に見て頂けたら幸いです。



PS)

コロナチャンネル #231


もう限界だ!逃げてみよう~東京脱出論  →こちら


黒部は本当に人が居なかった。

だからコロナもゼロ、なのだ。

コロナが怖い人は田舎に行けばいい。

パニック発作の人には田舎暮らしを勧める。


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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

緊張しすぎたんですね。大変なことでしたが無事に大仕事をされたようでよかったです。
一杯ひっかけてから、というわけにもいかなかったのでしょうね。
私も長尾先生ほどではありませんがパニック持ちです。小学生の頃はひどかったですね。
今も仕事が2つ3つ同時進行になるとパニックになります。何より「急患」という言葉が嫌いです(汗)。

私よりひどいパニック持ちの友人(女性)が今日あたりライブでギター弾き語りを数曲やります。
私がデパスとか処方しているわけですが、病院に来るだけでもデパス1錠とか2錠とか飲んでくるような人です。
もちろんアマチュアというか、とてもプロ並みなんて言う腕ではありません。ギター歴も短いです。
そういう人がよく一人でライブなんてやれるものだと思います。音楽って不思議なパワーをくれるんでしょう。

Posted by 広島の赤牛 at 2020年12月06日 09:40 | 返信

連投すみません。今日のネットニュースで吃音の子が同級生にカミングアウトすることで笑われなくなり、今は言語聴覚士を目指しているというのがありました。長尾先生もここでカミングアウトされたのですから、半分くらい解決・・・しませんでしょうか(汗)。

私のようなポンコツ医者からすると長尾先生のされている仕事はもはやスーパーマンレベルで、そんな方が楽譜を落として拾えなくなっても、途中で歌が歌えなくなっても(ならなかったようでよかったです)、いいんじゃないでしょうか。スーパーマンも人間なんだね、と思われるくらいです。というか「弱い部分のある先生ステキ」になると思います。

あと10年も歌い続けたら克服されるような気がされませんか?もっと早いかもしれません。一度だけ大阪で聞きましたが、とても極度のあがり症だとは思えませんでした。もう傍目から見る分には克服できているでしょう。ご自身としてはそうはいかないでしょうけども。震えたら「今日はめっちゃあがってます」とカミングアウトしても面白いです。

先生が楽しんで歌えるようになったら、ますますファンの方々の心をわしづかみです。失敗してもいいから楽しんで歌う、というのをどこか1カ所で目標に掲げてみてはいかがでしょうか。歌詞だって覚えなくてもいいと思います。松山千春は歌詞カード必須のようですし。月並みですが、「**しないといけない」を「**しなくてもいい」に変換すると面白いことが起きそうです。

Posted by 広島の赤牛 at 2020年12月06日 04:53 | 返信

先生の今日の文章読んで少し驚き戸惑いました。  まさか先生がパニック障害を持ってるなんて想像できません。
そしてそれを克服しようという思いが先生を突き動かしているなんて・・・。 それが同時に先生の強さに代わってるのかな?と
思えます。  自分をそこまで追い詰めるなんて事なかなかできません。 大概の人はもちろん自分もですが、もっと
自分を甘やかしてしまいます。  先生はご自分に厳しい分 他人には優しく出来るんですね。  なんか武田鉄矢の
歌の一節になってしまいましたね。(笑) 

Posted by 宝塚のスミレ at 2020年12月06日 06:41 | 返信

大丈夫ですか?

楽しくいこう♪
絶対、大丈夫♪
なんとかなるさぁ〜♪

ご無理をなされないでくださいね…

ストリート♪やってくださいね…

Posted by 宮ちゃん at 2020年12月06日 09:13 | 返信

私は似たような症状で、
本当に救急車を呼んで運ばれた事があります。
でも救急隊員さんも、お医者様も、皆さん優しかった。
治まったら元気になって、
夜中に歩いて家まで帰りました。
二十歳ぐらいだったと思います。
今では夜中に一人寝床でのたうち回っても、
治まるのを待てるようになりました。
必ず治まる事さえ知っていれば、
そう慌てなくて済むものですね。

Miss u Dr. Nagao.
Hope everything is going well for you.

Posted by 國本 直子 at 2022年11月01日 11:33 | 返信

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