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ステージⅠの肺がん

2020年12月14日(月)

この2~3年、肺がんが本当に多い、と感じる。

「ええ?この人も?」という位、増えている。

もちろん、非喫煙者の腺がんのことである。

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胸部レントゲン写真を真剣に診るしかない。

検診以外は、必ず正面と側面の2方向で撮る。


「ちょとねえ」と思ったら、正直に患者さんに説明だ。

「ハズレやったらゴメンナサイ。でもCTを撮った方が」


約5000円の賭けであるが、承諾を得てCTを撮る。

すると1~2cmの早期肺がんらしき影が映っている。


専門的には、野口のBかCの淡い陰影を見つけるのが仕事。

もちろん大病院の呼吸器科に「肺がん疑い」で紹介する。


8割は「早期肺がんが確定し手術をします」と返ってくる。

患者さんと家族には「早期発見早期治療で良かったね」と。


2ケ月後、病院からの紹介状にはステージⅠ(aかb)でした

と書かれた元気な患者さんが帰ってきて、僕も一緒に喜ぶ。


でも、「再発」する人がいる。


当院で発見し再発する人もいるが、病院から在宅に紹介されて

くる末期の患者さんで「ステージⅠの術後再発」が増えている。


早期発見・早期治療できたつもりでも、末期がんで紹介?


おいおい、近藤誠理論かい?

それとも、胸腔鏡手術の弊害?


こんな症例を数例も経験すると、肺がんが怖くなる。

膵臓がんに続いて「侮れないがん」やなあ、と思う。


というわけで、先日も、そんな人の在宅お看取りがあった。


その人はステージⅣと言われて半年間、抗癌剤治療を受けた。

その副作用に苦しみ、痩せて小さくなって死にそうになった。


相談を受けて「抗癌剤」の中止を提案した。

家族は迷ったが、本人が中止を決断された。


すると嘘のようにみるみる元気になった。

1年半も元気で、日本中を家族旅行された。


しかし首の転移巣がだんだん大きくなってきた。

「あああ」と思い、自然に在宅医療に移行した。


末期がんの平均在宅期間は、1ケ月半程度だけど

その患者さんは結局、それから半年近くも生きた。



呼吸停止との連絡を受けて駆け付けた。

たまたまだけど運よく家族全員が居た。


亡くなる日も食事してトイレで用を足して

亡くなる直前まで喋っていたとのこと。


「死の壁」もなく、5分くらいでスーッと呼吸停止。

奥さんが半分笑顔でそんな説明をしてくれるのだ。


看護師さんと死後の処置をしながら気が付いたことは

あれほど大きくなっていた首の転移巣が触れなくない。


自然な脱水で枯れることで、がん病巣も枯れたようだ。

しかし命は尽きてしまったのね、と勝手な説明をした。


こんな経験を日常的にしていると気が付くことがある。


1)在宅患者さんの9割は平穏死

2)早期発見しても亡くなる人がいる

3)がんの経過は百人百様で、奇跡もある



これが今年120数人目の看取り。

コロナ死はもちろんゼロである。


今、病院は大変。

受け入れ不能な上に、面会謝絶。


家族とともに貴重な時間を過ごすことは不可能。

だから大病院から続々と自宅に帰って来られる。


毎日、コロナで大騒ぎ。

でも、みんな、空騒ぎ。


その陰で、リアルな生と死が繰り返されている。

それが僕の日常なので、コロナ騒動が理解不能。


なんで、本を書くの?

なんで、映画やるの?

なんで、ライブやるの?

なんで、怖くないの?・・・


それは、4月以降も、100%コロナ以外の世界、で精いっぱいだから。

TVや新聞は「コロナは怖いよ!」ばかりだけど、現実は全く違う世界。


こんな空騒ぎは、そろそろ、収束して欲しいな。

コロナちゃん、「もうこれくらいにしといてな」


PS)

コロナチャンネル #239


ワクチン騒動と集団ヒステリーに飲み込まれるな! →こちら


今日の歌は「よろしく哀愁」です。


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この記事へのコメント

「先生の在宅での世界が現実ですよね」と、改めて質問したくなります(笑)
在宅患者さんの9割が平穏死ですか
本当に映画の「痛くない死に方」が沢山の方に見てもらえると良いですね
私も知り合いに紹介したりしています

今回の在宅お看取りの話もほのぼのしていて良い感じ
こんな風に最後を迎えれたらなぁ~と思った
なんと言っても、ステージⅣ
今の常識からしたら、ありえへん世界
先生みたいなお医者様が増え、先生の日常が当たりまえになったら良いのに

ところで、「よろしく哀愁」では不二子さんがいらっしゃらない
美人でグラマーで、尚且つ、先生の歌をほろしているような
不二子さんがバックにいる方が見ていても、聞いていても楽しいと感じるのは私だけでしょうか?(^_-)-☆

Posted by ナオミ at 2020年12月14日 07:07 | 返信

本屋さんに行くと健診やワクチン、抗がん剤についていろいろな人が本を出していてそれぞれに正しいと思う部分と首をかしげる部分が必ずあり、自分の中でも正解は出せません。利権ではなく患者さんのためを思って行動してくれているかどうか、が私にとっては一つの基準になっています。正解なんてないのかもしれないと最近は感じます。私は一般人なのでそんな無責任で申し訳ないのですが、日々それを仕事として人々の苦しみに向き合っている医療関係者の皆様には本当に頭が下がります。

Posted by 匿名 at 2020年12月14日 10:18 | 返信

喫煙者ではないのに、肺がんになるのは怖いです。
係留煙なのか、建築資材で発がん性のある石綿が、蔓延しているのかもしれない。
ガソリン車もいかんなあとおもいながら、電気自動車も高いし、困ります。

Posted by にゃんにゃん at 2020年12月14日 10:46 | 返信

野口AやBは予後が良好と効きますが、無治療と比較してのことなのか気になります。
近藤誠ではないですが、そもそも何もしなくても命に差し障りのないものに手術して治った治った医学バンザーイ、としているだけではないなかと気になります。
野口A、Bを、放置した場合と、治療した場合と、で生存率を比較したデータはないものでしょうか?

Posted by 匿名 at 2020年12月14日 01:17 | 返信

#239「ワクチン騒動と集団ヒステリー」
「コロナ死亡者」と「その他死亡者」との「差」は、歴然です。
長尾先生の「憤懣やるかたない」お気持ちはひたひたと伝わってきます。
「テレビの煽り」を嘆かれるのもよく分かります。
胸を張り「ノーマスク・ノーソックス」で公道を闊歩するぼくも、すれ違う「世間の視線」を感じないわけにはいきません。

「死者数の多寡」で、WHOの「パンデミック宣言」に対決するのは、至難のわざ。「蟷螂の斧」にも見えます。
WHOの言う「COPID19」は、日本では「2類感染症」なのか、「1類」「3類」「5類」、はたまた「新6類」もしくは「無指定感染症」にすべきなのか。
「5類に群がる」読者のみなさん。「東京オリンピック」即時中止を宣言し、「東のスエーデン」になりませんか。

国会はボーナスを貰って「夏休み」「冬休み」のままです。
「ガースー」(ドイツ語訳・毒ガス)首相は、「ヒトの移動は感染のリスクにならないと承知している」という。文科相は芸者さんを挟んで「ノーマスク会食」という日本的風景・・。これも、「絵」になりますね。

Posted by 鍵山いさお at 2020年12月14日 03:01 | 返信

厚労省研究班と血栓止血学会、動脈硬化学会が共同実施した「COVID-19関連血栓症アンケートが公表された。(12.8 病院109/8月までの入院患者6082人)
血栓症を発症した105人の発症部位は、深部静脈血栓症39.0%、肺血栓塞栓症27.6%、症候性脳梗塞21.0%、心筋梗塞6.7%、その他20.0%だった。
発症のタイミングは、症状悪化時61.0%、回復期24.8%。臨床症状がピークを超えても血栓症発症に油断ならないとしている。
年齢は70歳以上が40%、男性が60%という特徴もある。(以上 12.15 三和護)

脳梗塞経験者としては見過ごせない。
原則「ノーマスク」、せいぜい対話時「鼻出しマスク」だ。
帯津良一の「マスク危険」説に耳を傾けたい。
「病院で一番高齢の私(84)がマスクをしていないことを心配する声もあるのですが、患者さんの前でマスクをするのは、私の好みではないのです。医者ですから、マスクなしでも感染予防ができて当然なのです。」「そもそもマスクをはずすと気持ちよく感じるということが、マスクなしの方が免疫力が高いことを示しています。」(7.20)
「マスクは新型コロナに対抗するための免疫力を低下させます。それは免疫力の源泉が呼吸にあるからです。その呼吸で大事なのは、息をしっかり吐き切ることです。マスクをしていては、どうしても呼吸が浅くなってしまいます。マスクをすればするほど、免疫力を低下させて自分を新型コロナに感染しやすくしているという矛盾を理解してほしい。」(12.7)

「ノーソックス・ノーシューズ」は、脳梗塞後遺症での転倒骨折を未然に防ぐため。寒風下、「鼻緒」を素足で締めながら「あ・る・く」のも、大気や地熱から「免疫力」をいただく営みです。

Posted by 鍵山いさお at 2020年12月16日 10:01 | 返信

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