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保健所と医師の役割の切り離し=2類外し

2021年01月28日(木)

「最後の提案」だと思って書いている。

先の大戦に喩えるならガダルカナルで

終えていれば沖縄戦も原爆もなかった。

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2020年1月31日に新型コロナが2類の指定感染症になった。

1年経過したけど、あと1年、2類指定が延長されそうだ。


これが「諸悪の根源」と書いてきたけど、「その意味が

理解できないよう」と言われる医師や専門家も相当いる。


どうやって説明したら分かってくれるのか。


だから最近は、「2類外し」なんて言わずに「保健所外し」とか

「保健所と分離」や、「保健所の負担軽減」と言い換えている。


それでも「分からんぞ」という人が多い。

医局の後輩の梅村聡議員は国会で丁寧にこの議論を重ねてきた。


梅村議員のコラム(→こちら)から、転載させて頂く。

彼の説明はいつも非常に分かり易く、参考になるはず。



ーーーーーーーーーーーーーーーーー

2021年1月18日(月)に第204回通常国会が始まり、1月もまもなく終わろうとしています。国会活動で、私も慌ただしい日々を過ごしております。本年も国民の皆さまのお役に立てるよう、精一杯頑張りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  


年末年始に、新型コロナウイルス感染症の新規陽性者数が激増しました。そのような中で、医療提供体制が逼迫していることの報道が相次ぎました。医療機関、医療従事者の皆さまが大変な中で激務の仕事をされていることに感謝を申し上げたいと思います。今回は制度面から、どのようにすればこの医療提供体制の逼迫を緩和できるのかを考えたいと思います。  


問題点のひとつに、医療そのものに保健所が関与してしまっていることが挙げられます。感染者を見つけて、感染の蔓延を防止することは保健所の大きな役割のひとつです。しかし、感染者のうち誰が重症化しそうで、それを判定して病院に入院させるかどうかの判断、勧告を行うことは、保健所の本来の役割ではないのです。 2020年2月~3月頃は、新型コロナウイルス感染者数は少なく、入院することの目的のひとつは「蔓延防止のための隔離」でもあったので、保健所がその入院の可否を判断することにも一理あったわけです。


しかし、感染者数の激増に伴い、入院することの目的は「重症化した、あるいは重症化しそうな患者さんの治療」に大きく変わりました。そして、その患者さんに会ったことがない保健所の職員さんが、電話でそのことを判断することが難しくなってきたのです。


よって、これからは、ホテル療養・自宅療養をしている患者さんの健康管理は、かかりつけ医をはじめとする医師に任せるべきです。1日1回(必要であれば複数回)、患者さんに電話をかけ(オンライン診療でも良いかと思います)、そこに診療報酬をつけ、新型コロナ患者さんの健康管理を保険診療(自己負担なし)にしてしまうことが解決策だと思います。そうすれば、重症化しそうな患者さんを早く見つけ出すことができ、結果として重症に至る患者さんを減らせると思います。少なくともホテル療養・自宅療養している患者さんが重症化してから慌てて病院に搬送するという案件は減るはずです。患者さんの氏名と年齢、住所は保健所が把握しても良いと思いますが、実際の患者さんの健康管理や重症化予測は、医師に任せるべきです。


保健所の皆さんも本当によくやっていただいていることは重々承知していますが、やはり「その道のプロ」に任せた方が良いのです。  


実は上記のことは、私は2020年3月の参議院厚生労働委員会で提案しています。その時の厚生労働省の答弁は「提案内容は、有力な選択肢のひとつで、検討したい」というものでしたが、いまだにホテル療養・自宅療養の患者さんの健康管理は保健所の管轄下に入ったままで、医療が入り込む余地はありません。最近、新型コロナ患者さんが自宅で亡くなる事例が報道されていますが、現在の「ホテル療養」「自宅療養」には医療が入ることができなくて、保健所が抱え込んでしまって「ホテル放置」「自宅放置」となっていることが最大の問題点なのです。


 以上のことを整理しますと、「ホテル療養」「自宅療養」の患者さんの管理主体を「保健所」から「医師」に変えることで、重症化しそうな患者さんに早期に対応することができ、結果として重症患者さんを減らせる可能性が出てきます。  


実は、この「保健所」と「医師」の役割分担を進めるために必要なことのひとつが、新型コロナウイルス感染症を「指定感染症(二類相当)から外す」ことなのです。よく「新型コロナウイルス感染症は、平均するとインフルエンザ並の致死率だから、指定感染症(二類相当)を外すべきだ」という意見を目にしますが、そういった観点だけで言っているのではないのです。なかなか難しい議論だとは思いますが、是非、皆さんにも考えていただければと思います。


ーーーーーーーーーーーー


僕は、この議論ひとつで何十万人の命を救える、と確信している。

だから昨年3月から「2類外し」を、ずーーと主張しているのだけど。


まあ、外されなくても、自分の医師免許を賭けて4月からやっているけどね。

でも僕みたいな人間はできるけど、普通の医者は罰則や風評を恐れるからね。


だから、これが最後のあがき。

せっかく皆様の応援クリックも1万を超えたのにねえ・・・


でも国会には届かないだろうから、諦めるしかない。

自分の無力さを嘆くしかない。


維新の会の厚労部会の勉強会での講演と質疑応答。

約1時間なので、お時間のある方に。

210114 日本維新の会 厚生労働部会。 →こちら


それ以外にも国会議員さんに講義をやっているが、非公開である。


「感染症法の改正」より優先すべきは?

民間病院の患者受け入れ、2類相当の引き下げ(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース


法律ひとつで医師が動けるので、自宅待機死を減らせるのにねえ・・・

残念、無念。力不足・・・



PS)

コロナチャンネル #284


大阪のクラスター急増は、オバちゃんがハグするから!?  →こちら


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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

梅村議員のお話、とてもわかりやすいです! それに、なんという正論でしょう!

本当に今の状態って、こういうこと。保健所の職員さんたちの頑張りには本当に頭が下がります、感謝しかありません。でも、その頑張りが、医者でもないのに医者の仕事まで負わされ、「命」を預けられてしまっているなんて、違います、あってはいけないです。悲惨、悲壮すぎます…。長尾先生の無念さも、いかばかりか…。

総理、この矛盾に、気がついてください!!

Posted by みるく at 2021年01月28日 06:08 | 返信

何らかの形で日本のお医者様の真実の声、意見を集結させるシステムが必要ではないかと、細川博司先生のYouTubeで大橋眞先生が話しております。

Posted by ぐみ at 2021年01月28日 07:29 | 返信

梅村議員のコラムはとてもわかりやすい説明だと思います。

自宅やホテルで療養している患者に医師が1日1回電話をかけ、健康管理をする。
これに診療報酬をつける。(ここが大事)
→重症化しそうな患者を早く見つけて対応できる。

これなら開業医も私立病院もやりたいと思うでしょう。
長尾先生、ぜひ「医師会」を味方につけてください。世間では医師会はよく知られているし、発言力があります。マスコミも報道します。医師会は長尾先生にとって「戦うもの」でしょうか?医師会を長尾先生の力の一部にすれば社会の流れを変えられることは間違いありません。コロナの重症者、死者をなんとか減らしたいと真剣に考えている医師はたくさんいると信じます。

Posted by ムツミ at 2021年01月28日 09:21 | 返信

厚生労働部会 拝見しました。座りっぱなしだとお尻に宜しくないので、スクワット等しながら。
これまでブログやYoutubeで仰られていたことの復習にもなり、よく分かりました。
質問された方以外にも参加者はいらっしゃるのかな?反応が知りたいです。
ブログにアップされるまでに、いろんな調整事や手間等かかってると思います。お疲れ様です。
「痛くない死に方」今日の午後から国会内で試写会とのこと。皆さんの心に届くよう祈ります。
(ポスター画像を見る度、柄本佑さんのそっと寄り添うように重ねられた手が良いなぁ~
 コロナでキープディスタンス。そんな今だからこそ一層、直に触れる温かさが胸にきます)
夜は関本先生のオンライン講座、こちらも楽しみです。

Posted by taco at 2021年01月28日 12:29 | 返信

長尾先生お疲れさまです。昨日記事がアップされていなかったので悪い想像をしてしまいました。ホッとしました。
昨年からずっと先生が2類をはずす理由を説明されていますが、梅村議員のコラムは詳細で且つ説得力がありました。
私は苦手ですが、こうした記事が拡散されることを願います。
保健所の方々も、この状態が続くとバーンアウトしてしまわないか危惧します。医療・介護関係者ももちろん同様です。
連日の報道を見ていると、政治家が「国民の命を最優先に守る!」という責務が抜け落ちているように感じました。

Posted by あんこ at 2021年01月28日 02:46 | 返信

長尾先生
毎日、ブログとコロナチャンネルありがとうございます。
今NHKのニュースで、特別措置法、感染症法の、与野党合意と報道されました。
過料を科すことが決まってしまいました。
2類を外し5類にすることで、医療を堂々と受けられるようになり、過料など科す必要がなくなるのに
ありえないことです。
哀しくて仕方ありません。
決まってしまうと、悪法も法なりで、人権を縛ります。
マスコミやNHKは「与党が譲歩する形になった」など、
与党が正しいかのような言葉使いで報道することが耐えられません。
権力者は、一人の人間が苦しむことを無視している。
審議会が反対多数なのに「おおむね了解を得られた」という言い方で、国会に提出するなんて…。
この国はどうなっていくんでしょう。
目の前の人を助けることしかできませんが・・・

長尾先生のブログが今は励みです。

Posted by sue at 2021年01月28日 07:10 | 返信

発熱してもかかりつけ医が助けてくれない。国民皆保険制度が始まってからこんな事はかつてなかったはず。予想していた事ではあるが、最近はこの状況に業を煮やして、医師会・開業医・民間病院へのバッシングが沸き上がってきている。ここぞとばかり正義感を振りかざして医者叩きに勤しむ者も増えてきた。
開業医は発症時トリアージ、在宅・ホテル療養担当、公的病院はコロナ急性期担当、民間病院は自宅退院できないアフターコロナ担当。在宅・ホテル診療、アフターコロナ診療にも十分な診療報酬をつける。
たぶんのべ患者数を考えれば、アフターコロナの患者の方が圧倒的に多くなるので、そういう役割は民間病院や開業医がやるしかない。これがシステム化されれば医療崩壊は起きないと思います。
すべての医療機関が安心してコロナ医療に参加できるためには、やはり保健所監視をやめさせるしかないでしょうね。あとは治療薬を保険適用外でも医者の裁量で但し書きを書けば使える特措法を作るべきですね。ロクに治療薬も処方されずに自宅でずっと放置されて死ぬ、これこそ人為的医療崩壊ですよ。
保健所ではコロナ患者には何もできないし、何の役にも立たない。クラスター調査も無意味。

Posted by マッドネス at 2021年01月28日 10:01 | 返信

梅村議員さん、正論ですね。
しかし、2類指定は1年延長されてしまうのでしょうか?保健所が絡んでしまう現在のプロセスで、また、1年地獄が続いてしまうのでしょうか?幾多の命が失われてしまう。

Posted by サンリオ大好き at 2021年01月29日 08:08 | 返信

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