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医療崩壊・10の要因

2021年01月23日(土)

コロナのために通常医療がすでに破綻しています。

病院が助かる命も助けられない状態に追い込まれた

のは、コロナ政策の失敗なので、是正すべきである。

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貴方が今、心筋梗塞になったら、脳梗塞になったら、

交通事故になったら、平時なら医療が助けてくれる。


でも今は、多くの病院が通常患者も受け入れ不能である。

これはコロナ政策が誤りに誤りを繰り返した結果である。


失敗を認めて、方針転換したほうがいい。

政策次第で、事態は1ケ月で好転するはず。


「2類を5類に落とす」

たったそれだけでも医療崩壊は好転するのにね。


9ケ月前から主張しているが(たぶん、日本で最初)、あと1年延長と(悲)。

政治家が2類外しの主張を信じていないのだろうが、もはや待てない局面。


余命2年と宣告された関本剛先生もそう発言している。

「コロナは五類に。報道には虚しさを感じる」→こちら




こうした医療崩壊の要因と解決策を、僕なりに考察してみた。



医療崩壊・10の要因  長尾和宏

1 病院は隔離施設ではない   

病院は隔離施設ではなく、治療施設です。隔離と治療は意味が違います。兵庫県知事は昨日まで「感染者は全員入院で在宅療養は認めない」と発言していました。しかしコロナが市中感染となれば、感染者数が病床数を上回り破綻することは当たり前のことです。隔離してただ寝ているだけならば、ホテルや自宅で充分で、しっかりした在宅管理システム、遠隔診療システムを作ればいいだけのことです。単に隔離のために病院を使うという発想なら病床が足りなくなるのは当たり前です。


2 小さな私立病院は受け入れる余裕はない  

今、「私立病院がもっと受け入れるべきだ」、と悪者になっていますが、無理があります。私立病院には人的にも経済的にも余裕がほとんどありません。どこもギリギリで運営されています。そんななか、コロナ患者さんを受け入れればクラスター発生や風評被害もあります。だから普段から余裕があり税金が投入されている公的病院が中心になって受け入れるのは仕方が無い事です。私立病院は公立病院に入院している非コロナ患者さんの転院の受け皿になるべきです。


3 トリアージを保健所任せにしない  

急増する自宅待機者 に保健所の保健師が電話でフォローしていますが、死者が続々と出ています。アルバイトの保健師が事務的に電話するのではなく、できるだけベテランの医師が問診すべきです。重傷者のトリアージは医師が中心となり行うことで感染病床を効率的に使えます。最も大切な重症化予測やトリアージは保健所には難しいと思います。また無治療死をゼロにすることは可能なはずです。


4 感染者は自宅療養を基本とすべし  

英国は人口や病床は日本より少なく感染者は10倍多いのに医療崩壊していません。それは「自宅療養を基本」として国が管理するパソコン画面に療養者本人が毎日体調を入力するシステムがあるからです。また地域の住民の「かかりつけ医」が決められています(NHS)。日本は英国と違い、フリーアクセス制度ですがいまからでも遅くない。英国のシステムを見習うべきです。これは2類指定を外すということです。

210118TV  報道ステーション 英国  →こちら


5 病院の診療報酬制度   

日本の病院の診療報酬制度には様々な問題があります。だから自院の経営に都合のいい患者さんを選ぶ病院もあります。空床をできるだけ作らず効率よく患者を「回転」させることで、なんとか維持できるような歪んだ報酬システムなのです。つまり患者さんの利益よりも病院の利益で運営しないと潰れてしまうのです。だから民間の中小病院は常に余裕がほとんどありません。そこがコロナ患者さんを受け入れることは無理筋です。


6 医療の縦割り  

病院の医療体制は縦割り管理です。循環器科、消化器科、呼吸器科、外科、耳鼻科、眼科、そして感染症病棟。縦割りなので、各科の間での病床の融通がききません。だから一部は満杯だけど一部で余裕あり、という現象がおきます。マンパワーも同様です。感染症病棟や集中治療室のスタッフは限られています。しかし今回のような事態を想定して病院内縦割りを排して自由に病床や人材を院内で融通できるように普段からしておくべきです。中等度の患者さんは「総合診療部」や「内科」が受け持つべきです。縦割り医療の弊害もかなり大きい要因だと思います。


7 病院に入る前段階がカギ   

開業医などでインフルエンザ診療と同様に早期診断・早期治療ができるようにすべきです。結果が出るまでに3~4日もかかるPCR検査ですが、その間に沢山に撒き散らしてしまいます。症状発現の2日前から人にうつすコロナは、1時間で結果が出るPCR機器の普及か抗原検査を活用すべきです。病院に入る前段階が無いことも医療崩壊の一因です。世界有数の病床があるのに、医療崩壊するのは当然です。病院に入る前にどれだけ感染者を封じこめることができるか、です。


8 認知症や要介護者は「置かれた場所で療養」ください。  

コロナ死の97%は高齢者です。その多くは要介護や基礎疾患を持つ人です。しかし高齢の感染者を入院させると不穏になり「抑制」が必要になります。すると寝たきりの認知症患者さんが量産されます。つまり認知症や要介護者は地域包括ケアで対応すべきです。高齢感染者は「置かれた場所で療養・治療」を原則とすべきです。それだけでも医療崩壊は改善します。高齢者だけでも2類指定を外すべきです。


9 病院間の連携を進める  

近隣の病院同士は商売敵、競争相手です。学閥もあります。だからなかなか手の内を見せたり強調することはありません。しかし災害時には病院間で協議して上手に連携することがコロナ対応の鍵になります。長野県松本市では「松本モデル」を昨年3月から練り稼働しています。この「松本モデル」を全国の二次医療圏に広げるべきです。


10 マスコミによる人災  

マスコミがコロナ恐怖を実態の何倍も煽り、病院や施設におけるクラスター発生をまるで犯罪のように報道してきた(いや、現在進行形ですね)結果、医療者の差別や偏見など過度なストレスがかかっています。メンタル不調で離職者も増えています。医療崩壊はマスコミの人災という要因があるのに、そのような指摘に逆切れするワイドショーのコメンテイターは論外です。マスコミの過剰報道を法律ででも規制するだけでも医療崩壊にはプラスだと思います。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


PS)

コロナチャンネル #279


年間10万人!肺炎で死ぬということ  →こちら



【緊急告知】

1月28日(木)19:30より、関本剛先生のZOOM講演があります。

演題は、「余命2年の生き方」

主催はつどい場さくらちゃん、→こちら


是非、ご聴講ください。

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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

先日、どなたかのFBで「医療崩壊」やなしに「医療あほうかい」って書いてる方がいて、うまいことおっしゃると笑い転げました。一応看護師なので、不謹慎と叱られそうですけど、笑い飛ばして免疫力上げて、コロナにかかっても軽くすまそうぜ~!って雰囲気にならないものかしら?
長尾先生は、コロナに罹って2週間休みたい。ってよくおっしゃってるけど、もう高齢者やし、ちゃんとした物食べておられないみたいやし、何より睡眠不足やのに、2週間で治るというあの根拠のない自信。あれこそが先生の強い免疫力を身にまとうこつかもしれません。見習います!!

Posted by ルナース at 2021年01月23日 09:48 | 返信

長尾先生、毎日ご苦労さまです。ブログとyoutubeありがとうございます。
全く同感です。コロナがポリオ、ジフテリアや結核と同じ2類で、3類のコレラやチフス、4類のマラリア、日本脳炎、ツツガムシ病、狂犬病(致死率100%)より危険とはとても思えません。人口動態でも昨年の死亡者数はむしろ減少しています。先生の仰る通り他の疾患(癌、腎臓病、心臓病、肝炎、交通事故、自殺等)での死は忘れ去られたのでしょうか?「風邪は万病の元」であり、インフルエンザは私も罹患したことがありますが症状は全く動くことができないほどきついです。しかし、マスメディア(モーニングショー等)は罹患した芸能人(ハチミツ二郎、松村邦洋等)を出演させて「死ぬ寸前だった」と語らせ視聴者の不安を過大に煽っています。
まさに1億総コロナ発狂の事態になってしまっています。しかし、仮りにコロナのワクチンや特効薬が発明されてコロナ禍が収束すれば人類の問題は解決されるのでしょうか?
他のたくさんの疾病、貧困、格差、高齢者介護、児童虐待、自殺等。これらの問題の解決には、コロナとゆとはゆっくり共存して行くことが必要と思います。

Posted by サンリオ大好き at 2021年01月23日 02:20 | 返信

国民総発狂?(マスゴミさんだけかもしれませんが)から脱出するには医療が安心を与えることをおいて他にはないです。
今の専門家分科会と医師会長は記者会見して「自粛しないと大変な事になる」と不安を煽る事しかできない能なしか?
問題なのは「コロナ」ではなく「似非医療崩壊」です。完全に人災なのであえて似非と言わせてもらいますが。
1)ここまで市中に感染が蔓延している状況で病院以外の場所で隔離する事に意味はあるのか?恐らくないですね。病院限定で隔離は必要。院内感染を防ぐためには重症救命すべき患者のトリアージと集約化、コロナ専門病院・病棟しかないと思います。
2)すべての病院が怖れるのはコロナ患者から非コロナ患者へのクラスターなので、松本モデルのように棲み分けが大事
3)こんな危険な仕事を保健所のバイトに1年もやらせ続けている厚労省と専門家分科会は罪の意識も良心の欠片もないのか?訪問看護ステーションの看護師と開業医が連携してコロナはすべて在宅訪問で患者を診るべきでしょう。安心感が何より大事。
4)英国は新型インフルでもPC入力、タミフル配布システムが稼働していました。インフル流行期に毎年外来へ大挙通院させて感染を拡大再生産させていたこれまでの日本の開業医のやり方はコロナ、いやすべての感染症に逆効果だったと知るべき。
5)「医療崩壊の真実」エムディエスコーポレーションに詳しく書いていますね。民間医療機関(資本主義的)と国民皆保険制度(社会主義的)のミスマッチの弊害だと思います。根本的に病床の使い道が間違っているのでは?
6)それと併せて医学教育そのものを変えないと。集中治療・救急・呼吸器いずれの専門医も少なすぎる。医師免許取得後5年ほどはすべての医者にこの分野の研修を義務化して少なくとも2つの専門医資格を必須として、その後各自専門を選ばせる
災害時の医療人的資源があまりにも乏しい事実をコロナは教えてくれた気がします。
7)地域単位で、開業医はとにかく自分のエリアの患者を往診して抗原検査をやりまくること、地域単位でCT検査とPCR検査迅速ができるセンターを作って、開業医からそこに集約すればいい。パンデミック時に救急車を呼ばせるのはムダです。
8)訪問看護・訪問診療が充足していれば可能なはずで、入院しないほうが安全と患者側に思わせるだけの体制が必要。パンデミック下では「入院=超危険」と知るべき。民間病院がベッドを埋めるための社会的入院が常態化しているがために、毎年冬になるとベッドがなくてたらい回し?として騒がれている日本は異常。
9)日本病院会長の相澤病院院長先生は、TVで現行の法律で日本中同じことはどこでも可能ですと言ってましたね。これも民間病院(資本主義的)が多すぎる事による過当競争の弊害といえるでしょうね。
10)特措法でまずやるべきはマスゴミさんへの規制と罰則を設けることではないでしょうか?マスゴミ大嫌いの現首相ならできるはずでは?なぜ病院や施設は被害者なのに、犯罪者扱いされて報道されてさらし者にされるのか?コロナ禍が終わったら、病院と施設は連帯して煽り報道したマスゴミに名誉棄損の集団訴訟を起こすべきだと思いますが。
いてもたってもいられず、医療崩壊10の要因に関して長々と意見を述べさせてもらいました。

Posted by マッドネス at 2021年01月23日 03:54 | 返信

「2類相当」と言っても、「積極的疫学調査」は放棄され「隔離・入院措置」は瓦解し自宅待機者は放置。
「5類相当」と言っても、ド素人は近隣の開業医には悉く「応召拒否」されるだろう。
「5類に群がる」人たち。なぜ「一斉休校」に反対せず「東京オリ中止」「核兵器禁止条約」に賛成しない。
新谷仁美「アスリートとしては賛成、国民としては反対。五輪には私たちも寄り添わないといけない。」

長尾先生が対談された大谷徹奘が語っていた。
「コロナ禍で運動不足にならないように、毎日1万歩ぐらい歩くようにしています。朝5時から6時までのお勤めで2500歩。境内に出て1日仕事をすると1万8千歩。寝る前に歩数計を見るのが楽しみなんです。」
「雪駄しか履きません。ネクタイも背広も靴も所有していません。仏教の発祥となったインドでは、足裏の各所がいずれかの臓器とつながっている。」
「薬師経の中に『心身安楽』が出てきます。身と心のバランスが整ったところに、本当の幸せがやって来る。」(1.21)

連日の雨のなか、素足草履で歩く。滑り止め(裏)畳敷き(表)がいい。血流のいい透きとおった足は温かく雨を弾く。
前夜・早朝の入浴時に、足裏やアキレス腱、血海をほぐしておき、素足・冷凍枕で布団をかぶるが、要諦。
「ノーマスク・ノーソックス」「塩湯鼻うがい・IgA粘膜ネットワーク」で、パンンデミック3年を楽しみたい。

Posted by 鍵山いさお at 2021年01月23日 08:53 | 返信

「5類に群がる」みなさんへ
ある開業医さんの「症例報告」を紹介させてください。

50歳代男性
脳梗塞の既往があり近くの診療所で降圧剤、抗凝固剤など複数の薬が処方されている。発熱と倦怠感が出現したため、家人に連れられて車椅子でその診療所を受診した。しかし、「発熱があると診られない。受診先は自分で探してください」と言われ、途方に暮れた。家人が当院をかかりつけ医にしていることから当院に直接やって来た。
50歳代で脳梗塞の既往があり、介助が必要な男性とその家族に「自分で探せ」はあまりにもむごくないか。
診ないならば、せめて自院をかかりつけにしてる患者には、受診先を見つけてあげて診療情報提供書ぐらいはすべきではないか。ホテルや自宅での療養となった場合には、毎日電話で様子を伺い、濃厚接触者にも検査を促すといったことは開業医でもできるはずだ。(1.20 谷口恭)

30歳も離れているが、同じ「脳梗塞既往者」さんにはわがごとのように思う。
毎日のように「自宅待機者」の無念の死が伝えられる。全国の1日の死者数にくらべれば微々たるものだが、一人ひとりの顔と物語りが想像される。
アヘの「自己責任」、スカの「自助、自助、自助」も、ここに極まれり、だ。
去年の「4日間ルール」! 今年の「自宅待機死」! 「2類相当」は完全に破たんしている。「5類相当」は救えるか? 新型コロナは、すくなくともわが星が太陽を3周するまで増殖する。

Posted by 5類に群がるみなさんへ鍵山いさお at 2021年01月25日 05:49 | 返信

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