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ワクチン個別接種、初日雑感

2021年05月28日(金)

今日は、当院におけるワクチンの初日だった。

午前中は激しい雨の中、一同緊張して臨んだ。

個別接種初日の雑感を、書きとめておきたい。

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大雨、 だった。

なんか嫌な予感。


幸い、外来患者さんは少ない。

これは「恵みの雨」、なのか。



在宅患者さんを含めて160名以上の接種を無事終えた。

特にトラブルが無かったことが、なにより、だった。


ワクチン接種に関わったスタッフ数は、おそらく60名以上。

おそらく日本一要領の悪い個別接種、なのかもしれない(泣)。



初日を終えて感じたことを列挙しておこう。


1)準備が9割。打ち手は1%

  ファイザー社のコロナワクチンは準備が大変だ。

  解凍、希釈、振盪、吸引、運搬、保管等が9割。

  これは簡単な作業、だとはまったく思わない。

  料理に喩えたら、美味しいお吸い物かな。

  食材の仕込み、ダシ取り、味付け、配膳が9割。

  注文取りに当たる問診や受付が1割弱かな。

  「打ち手、打ち手」と言うけど、これは食べる人のこと。

  誰でも食べられるように、打ち手のウエイトは1%程度。

  インフルワクチンを缶コーヒーに喩えたら、コロナは料亭のお吸い物。

  決して誰でも簡単に調理して配膳できる、とは僕には思えない。


2)個別接種は非効率かつ危険

  開業医の半分が個別接種をするそうだけど、大丈夫かな。

  やはりどう考えても、集団接種しかないのではないか。

  安全性、効率性、緊急対応、廃棄ロス、どの点からも

  集団接種しか考えなれない。

  スタッフが多いほど安全。

  広い場所なら多くのスタッフがいるので救命士や薬剤師も安心して打てる。

  個別接種はあまりもも非効率で、事故や間違いがあり得るのではないか。


3)個別接種すべき人は限られている

  車椅子に乗せて連れて来られる人や認知症の人は個別接種の対象でいい。

  1時間に1人の割合で自宅を回って打つ人もいるが、あまり多くはない。

  個別接種は、どうやっても集団接種に行けない人を対象にすべきと思う。


4)寝たきりの人にも打つの?

  よく「寝たきりの100歳にも打つの?」と聞かれる。

  そもそも、後期高齢者への有効性や安全性のデータはない、と思う。

  まして、要介護5で予後不良な人にはきつすぎるのでお勧めしない。


5)2回目接種の後の副反応の問い合わせが何よりも心配

  幸運なことに、初日、アナフィラキシーやアレルギーは無かった。

  僕が心配なのは、2回目接種後、2~3日後の発熱や倦怠感への対応だ。

  場合によっては、コロナ対応よりも大変な作業になるのではないか。

  だから、6000回目となる7月7日以降は「副反応対応」のために空けている。



以下は気になる記事だ。「無関係」とはいえ、気になる。


ファイザー製ワクチン接種後に新たに57人死亡、

累計85人に...厚労省検討会「重大な懸念ない」  →こちら


正直、良いことをしているのか、悪いことをしているのか自信がない。

疑いながらも、国策に乘るのが義務であると勝手に解釈しているだけ。


こんな辛い仕事はない。

分からないことをする。


これは、本当に辛い。

しかし国策なので医師として協力しないわけにはいかない。


今日から、42日間、ひたすらスタッフ一同、頑張るしかない。

かりつけ医としての役割を無事に果たせることを祈るだけ。


FLINKさんはじめ、外部スタッフ20名の協力も欠かせない。

キャンナスさんからの温かい援助に心から感謝申し上げる。


信じられないかもしれないが、裏のテントでは発熱外来も同時並行。

そう、本日、表のテント2つと裏のテントを完全に入れ替えたのだ。


4000人以上の発熱対応と、300人以上のコロナ患者さん対応と

6000回のワクチン接種をする診療所はほかにあるのだろうか?


ある意味、無謀な挑戦、かもしれない。

失敗したら、世間に叩かれて、終わり。



毎日、全国の皆様から沢山の差し入れや手紙などが届き、励まされる。

この場をお借りして深く御礼を申し上げるとともに、頑張ろうと思う。


6月1日は「開業26周年記念日」である。

来院者には拙書をプレゼントしている。


想えば遠くに来たものだ。

あっと言う間の四半世紀。


皆既月食はテレビで観た。

次を観ることは無いかも。



PS)

コロナチャンネル #383


悩ましい! 認知症の人のワクチンをどうするか?  →こちら



コロナ対策にもワクチン施策にも、「認知症」という視点が

完全に抜け落ちていることに気が付かない政治と日本医師会。



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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

長尾先生、本当に、ご苦労さまです。としか言えなくて、申し訳ありませんが、くれぐれも、健康にお気を付けて!

Posted by 小澤和夫 at 2021年05月28日 10:11 | 返信

ワクチン個別接種は細かいところに
気を配らなければならず、また何か事故が
あってはならないので現場は大変ですね。
お疲れ様です。
ワクチンを接種したい人は打てばいいと思いますが、
ワクチンの問題点は全く報道されない
と言っても過言でない。メディア、政府による情報統制
を感じます。健康な人に打つのがワクチン。
安全でなければならないと思います。
自分の体に影響を及ぼすもの。人々がネガティブな
情報にもきちんとアクセスでき、それを踏まえた
上で打つか打たないか個人が決められるような
公明正大な世の中であって欲しいと思います。
欧州では、3月に医師と科学者たちが
欧州医薬品局に誓願を提出しました。
「遺伝子ワクチンの承認停止要請の請願書」
は公開されています。
ワクチンの内容に見る「本当の危険性」
その書簡の全文です。残念ながらこの記事の
件名でGoogle などで検索しても出てきません。
検閲をしないサイトでなければでてきません。
DuckDuckgoです。このような不公平な
、不味いことは隠す、大本営発表と変わらないのではないでしょうか。

Posted by ポトス at 2021年05月28日 12:43 | 返信

今宝塚に「けったいな町医者」を観にいき帰りの電車の中です。
在宅現場は色んな人生がみえて病院や施設で働くより世界が広く
感動しました。
私は看護師で今私のしたい看護と現場のギャプに日々悩みます。怒りがたくさん。
だけど文句しかいえない自分がちっぽけだと思いました。
自分の人生だから
やりたいようにやる。
先生〜絶対生涯現役!
長生きしてね。
先生のブログを励みに尼崎の地で私も頑張ります。

Posted by Taiyo at 2021年05月28日 01:13 | 返信

激務ご苦労様です!
お医者さんによっては、ワクチン自体を拒否されているところもあります。
それどころか、ワクチンを打った人は、来院拒否までされています。
心の師匠もワクチンは打たないとおっしゃっています。

Posted by Unknown at 2021年05月28日 01:22 | 返信

ワクチンのことはとてもデリケートな話ですね。 打つか否かは個人の自由としながらも報道は、打つ方向に先導
されています。  副作用のこと 亡くなった方のこといろいろ考えると頭が混乱します。
皆が打てばそれで解決というわけにはいきそうもありませんしね。   長尾先生は人間としての葛藤 日本の
医師会に加入している医者としての葛藤と 心の中はきっと我々の想像以上に悩まれているだろうと想像します。
今この時点でオリンピックなんてなんで言えるんだろう・・・。オリンピックを安全にできるような指導者がいたら今の騒ぎは起きていないと思うのですが・・・。

Posted by 宝塚のスミレ at 2021年05月28日 02:43 | 返信

先生、お疲れ様です。
良い事か、悪い事か、何年後かに結果が出るのでしょうね❔でも先生達には関係ない事です、
与えられたお仕事に従っただけですもの。
7月7日が何もなく過ぎます様に、七夕様です。
高級料理の様なコロナワクチン、手のかかる気難し屋さんなのですね。
打ち手が食べる人なんですね。
私は6月中旬に予約です、それまで迷いまくります。
6月1日は「開業26周年懸念日」なのですね、
おめでとうございます。あっとゆう間の26年であったと思います
又次の1年も充実したお仕事が出来ます様にお元気でお過ごしください。

Posted by 長尾先生大好き大好き。 at 2021年05月28日 06:27 | 返信

宣言で「人流の抑制」が言われながら、「ワクチン人流」の小渦・大渦が全国でどんどん広がっている。
折りから緊急事態宣言の再々延長。「ワクチンは不要不急」の立場からは、なんとも不可思議な風景。

今年2月大阪北部の小学生が、あごマスク状態で倒れ死亡した。5分持久走の最中だったという。
「体育授業でのマスク着用」について「外しても・付けても可」。児童の判断に任せたらしい。
毎夕街角広場でフィットネス・デモレーションをやっていると、小学1・2年生たちが「鬼ごっこ」。
全員マスクして追っかけっこ。例外は小生だけ。「公道・公園ノーマスク」は通行人にも皆無。

この1年余、行き交う街の人から指弾されたことはない。新1年生も、お友達だ。
「鬼ごっこ」は、小学低学年生にとって素晴らしい「身体鍛錬」。
こちらは、脳梗塞後の身。マスクは、大気の贈りもの・呼吸を阻害し、全身の臓器を自壊させるもの。
自然界のウイルスを防げるはずはない。「鼻うがい」で弱毒化し、緩慢な共生で折り合いをつけるしかない。

小学生が「マスク」で殺されることがあってはならない!
小学生に「自己責任」をとらせてはならない!
小学生諸君! あほな大人の言うことは聞かなくていいんだよ。

Posted by 鍵山いさお at 2021年05月28日 10:17 | 返信

ワクチン接種で大変な時に、ここで言うのもなんなんですが、東京オリンピックで選手たちのお土産にコンドームが配られると聞いてビックリしました。コロナ禍で、ソーシャルデイスタンスが大事な時に超濃厚接触の行為を支援するような品物をお土産に選ぶ神経、狂っています。組織委員会の人々の頭、おかしいですよね。、日本製のコンドームはお土産にするほどのものだったなんて初めて知りましたが。日本製のうちわとかならわかるけれど、本当に理解出来ません。もうこんな、わけわからないオリンピックなんてウンザリです。東京オリンピック、選手たちにはお気の毒ですが、もうドロドロの欲まみれのゲスなものになってしまっています。こんなのオリンピックとは言えません。顔洗って出直してこい!と言いたい。ところで、ワクチン接種の一回目でアナフィラキシーが出たら二回目は打ちませんが、副反応が酷かった場合も打たない方がいいのでしょうか。二回目の方が副反応が強くでるといわれていますが、一回目の副反応が強くなければみんな打っているみたいなのですが、どうなんでしょうか。疑問です。長尾先生の見解をお聞かせいただけたらと思います。本人次第でいいのでしょうか。

Posted by 遠い声 at 2021年05月28日 10:20 | 返信

マスメディアはワクチン接種で重篤化・死亡した事例の徹底取材をして詳細を記事にすべきだと思います。
仮にもジャーナリズムの精神があるのであれば、真実を国民に伝えるべきです。どういう人が死亡ハイリスクなのか?
死亡した85人の方々の遺族はまさか自分の家族がワクチン接種後に死ぬとは思っていなかったはずです。
厚労省のような腐りきった組織の木で鼻を括ったような大本営発表を信用してはなりません。
個人的にはこの国の感染予防対策はワクチンしかない状況なので、ワクチン接種を勧める方針には賛成ですが、ワクチン接種を受ける人は情報を収集して自分の頭でよく考え、持病のある方はかかりつけ医に必ず相談した上で、接種するかどうかを決める
国民全員が接種する必要はなくて7割以上で十分なのです。少しでもリスクのある人は接種を控えるべきでしょう。
遺伝子ワクチンは人類に初めて接種する未知のワクチンで、任意接種の希望者は人体実験に参加しているのです。
しかしさざ波程度で医療が逼迫してしまう我が国では、国民の7割以上がこの人体実験に参加する必要を迫られる訳です。

Posted by マッドネス at 2021年05月28日 10:21 | 返信

Taiyoさんのコメントで、はじめて宝塚で「けったいな町医者」を上映していると分かりました。
6月3日までには見たいと思います。
宝塚市の阪急売布駅前のシネピピアです。「痛くない死に方」も見たいのですけど。

匿名からTaiyoへの返信 at 2021年05月29日 01:31 | 返信

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