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「地域包括ケア」は幻想か

2022年06月23日(木)

コロナ前は、あれほど叫ばれていた「地域包括ケア」

でもコロナが始まったら、僕以外誰も使わない言葉。

果たして、この言葉は幻想か、はたまた、目標か。

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日本医事新報 2022年6月号 尼崎発 町医者で行こう! 連載


「地域包括ケア」は幻想か    長尾和宏   →こちら



忘れられたスローガン  


2年半に及ぶコロナ禍ですっかり忘れられたスローガンのひとつが「地域包括ケア」ではないだろうか。命を救う医療にばかり目が行って、生活やリハビリや食事や移動の自由など人間の尊厳がすっかり忘れられてしまった感がある。ダイアモンドプリンセス号から得られた教訓は、感染者の8割は軽症ないし無症状であり、重症化リスクは年齢であった。


極言すれば、コロナは高齢者問題と相当重なるところが大きい。高齢者というと当然ながら要介護者や認知症という視点を無視できないはずだ。しかしなぜかそのような視点、つまりコロナは高齢者の問題であるという前提を忘れてしまったように感じる。オミクロン株はまだ収束していないが、そろそろ「地域包括ケア」という大切なスローガンを思い出す時ではないだろうか。  


いまだに家族の面会も許されていない病院や介護施設がたくさんある。そんな状況の中、自宅に帰ってくる高齢者が増えている。在宅患者数も在宅看取り数もコロナ禍が拍車をかけた格好になっている。療養の場を自宅にうつすと、多職種によるさまざまな介入が必要となる。まずはケアマネがケア会議を招集して療養方針や人生会議を行う。オンラインで行ってもいい。 つまり医師とケアマネという医療保険と介護保険の二本立てで高齢者を支えないといけない時代になってきた。


療養方針、介護サービスの利用、そして人生の最終段階の医療について「人生会議」を繰り返すことが大切である。そういえば、この「人生会議」もすっかり忘れられたスローガンのひとつである。現在、どれだけの在宅患者さんが人生会議というプロセスを踏んでいるのだろうか。



介護施設の医療機能は?


オミクロン株で浮彫りになった課題はたくさんある。感染法上の問題、保健所の機能、かかりつけ医の役割、認知症の感染者の取り扱い、そして介護施設における感染者の取り扱いなど課題山積である。


 当初は介護施設における感染者も感染症専門病院に入院していた。しかし医療崩壊した地域では第五波あたりから「施設の陽性者は施設内で診て下さい」に変わってきている。大阪府では一時、保健所幹部が「施設の感染者はそこでお看取りを」と発言して騒ぎになったが吉村知事は即座に発言を訂正したようなこともあった。お看取りは保健所が決めることではなく本人や家族の意思を尊重した人生会議というプロセスを経て行われるべきだ。


本来、特別養護老人ホームには嘱託医が、老人保健施設には管理医師がいるはずだが、コロナ対応をしない医師も多い。そこで市町村医師会を中心としたコロナ往診チームが自然発生的に生まれた地域も多い。それにより「早期診断、早期治療」で救われた命もたくさんある。地域包括ケアで救えた命が沢山あった。介護スタッフも続々と応援に入った施設がたくさんあり、いまや施設への外部からの支援が当たり前になってきた。それまでは密室的であった介護施設が、一部とはいえ地域に開かれたことは予期せぬ副産物ではないか。


もはや医療を必要としない安定した寝たきり患者などいない。どんな患者さんでも大なり小なり医療を必要とする。つまり、コロナ禍を契機に特別養護老人ホームや老人保健施設における医療機能や地域包括ケア機能が論じられるようになった。


一方、介護施設に医療機能を持たせた療養形態として「介護医療院」が用意されている。現在、4万床あるそうだが今後も増加が予想されている。従来の介護施設に加えて介護医療院も含めた地域包括ケアの在り方が今後の課題であろう。  



医学教育における地域包括ケア  


医学教育や医師国家試験における地域包括ケアの扱いは、どうなっているのだろうか。地域医療実習として開業医に在宅医療の研修に来るなど十年ほど前から着実に進んできている。しかし、今回のようなパンデミック下においては「実習の自粛」であった。あるいは、3.11のような大規模災害時も地域包括ケアを身をもって学ぶ絶好の機会であろう。


本来は、今回のようなパンデミック時や大規模災害時にこそ学ぶべきことが多いと思うが、時代の流れでそうはならない。残念である。  しかし、今後の在宅医療需要の増加を想定した時、医学教育や新臨床研修医制度のなかで、在宅医療や地域包括ケアをしっかり教育することは、必ずや国家の利益になると確信している。問題は教育スタッフであるが、現場で活躍中の実地医家を存分に活用すべきだ。一部の医学部では、臨床講師などの称号を与えて教育者のモチベーションをあげているが、さらに推し進めるべきだろう。  


開業医の再教育も大切だ。しかし鉄は熱いうちに打て、ではないが、学生時代や研修医時代にしっかりたたみ込むことが最も大切だと思う。ちなみに、筆者はいまだに約40年前に無医村で経験した在宅医療(当時は学生なので家庭訪問と呼んでいた)が強烈なモチベーションになり、地域包括ケアを中心とした諸活動を続けている。


当時の村の福祉担当者や保健師や民生委員さんたちとの意見交換や懇親会の様子を、今でもはっきりと覚えている。  地域包括ケアの理念がよく分からない、という医師が少なくない。たしかに2000年以前の医学教育には全く無かったものだ。しかし、日本の医療のロードマップを俯瞰した時、地域包括ケアという概念以外に方法が見あたらない。そんなものに関わりたくない、という医師もいるが、もはや地域包括ケアに関わらずに医業を続けることは困難であろう。 つまり地域包括ケアは決して、机上の空論でも理想論でも幻想でもない。多死社会のピークである2040年問題を乗り切るための土台である。



地域包括ケアの本質とは  


では、地域包括ケアの本質とはなんだろう?実はこれは難しい命題である。ある人は生活支援だと、またある人は認知症の人を地域で支えることだと、またある人は終末期医療や看取りだという。おそらくすべて正しいのだろう。  


確実に言えることは、従来の「疾病モデル」では今後も進む高齢化と多死社会は乗り越えられないことだ。そこで「生活モデル」での医療が提言されて久しいが、そのためには多職種連携が必須である。コロナ禍でリモートワークやオンライン会議などの利便性も得ることができた。今後の地域包括ケアにはICTを最大限活用することがなにより大切だ。転んでもタダでは起きない、災いを福に転じる知恵を得た。


筆者は、地域包括ケアの本質は、医師を含めた多職種が「価値観を共有すること」ではないかと考える。人間の価値観は年をとればとるほどに多様化するものだ。そして当事者と家族と第三者では多様性が大きくなる。 これまでは患者の想いと家族の想いと多職種の想いは、往々にしてバラバラであった。そこで、ケア会議や人生会議を繰り返すことで価値感や方向性が明確になり、みなさんで共有できるようになるのではないだろうか。


終末期医療や看取りはその先にある結果にすぎず、決して地域包括ケアの目的ではない。一番大切なことは限りある命をその人が満足して生き切ることを支援することではないだろうか。


「地域包括ケアのいい教科書はないのか?」とよく聞かれる。実は日本医事新報社から刊行された「医師にとっての地域包括ケア 疑問・トラブル解決Q&A60」がある。素晴らしい執筆陣により地域包括ケアが多面的に語られている。コロナ禍にすっかり隠れてしまった感があるが、今からでも遅くはない。是非、手にとって頂きたい。多職種による勉強会では、いい教科書になるはずだ。(QRコード参照)    



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



地域包括ケアを推進してきた、盟友の

長純一先生が末期がんになっちまった。→こちら


石巻の開成仮設診療所に行ったのが、10年前のことだ。

石巻市長選に出る時にお話しして以来会えていないが。



よろしければ、彼のメッセージを聞いてください。→こちら


実は、「ストレス」の一端は僕にあるのではないか。


3.11の後、佐久に留まるか、石巻に行くかの相談を受けた時に、

「石巻に行って頑張って。市長になってね」と言ったのは僕だった。


ごめんなさい。




PS)

コロナチャンネル #774_


日本版CDC......今さら創ってどうすんの!?  →こちら





関本剛先生に続いて、後輩が病に伏して、元気が出ない。


でも、頑張って歌い切るしかない。


心を込めて歌います。



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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

長尾先生


長純一先生 はじめまして。
誠実なお人柄が伝わりました。
切なくなりましたが
在宅医療を受ける長先生は
受けることで 後輩たちを
育てているのではないかと
思いました。


こんなに誠実な先生が なぜ
と感情的に思ってしまいますが
長先生の在宅医療にたずさわる
方々は この経験を魂に刻むと
思います。お会いしたことの無い
私でさえ 今 涙が出ています。


知事選の記事を検索しました。

「議会や 専門家の意見も 無視
する 村井知事 に対し
いのちを守ることを 最優先に
対話を基本に「県民とともに」
進んで行きたいと 立候補 」


村井知事が当選したニュースを見た時
宮城県は 終わったな と思ったことを
思い出しました。

結果的に 村井知事は
水道民営化 しました。
(竹中平蔵の 外国企業に売却)


宮城県の水道水は 恐くて
飲めなくなると思います。


外国企業が利益を求めるのは
分かりきった事で
簡単には 元には戻せません。
(中国が日本の土地を買っている
のと同じで 簡単には手放さないです)


水道民営化して 安くなった国は
ひとつも 無いです。
水道水にフッ素を入れる事も可能に。


宮城県の方々は なぜ。

なぜ 正しい道を
選ばなかったのでしょうか。

Posted by 長尾先生が大好き at 2022年06月23日 06:00 | 返信

こんにちは。

 地域包括ケアは、私のような素人が見ると、
包括しすぎて発散し、とらえどころがない感じです。
 歳をとっていても、そうでなくとも、もっている
体や心を使って安心して暮らす。そんなふうに思って
います。

 昨日、私はブレインフォグを実感しました。おととい、
採血をしたのですが、診療室にいたときから頭が重くなり、
考えがまとまらなかったです。考えることを続けられない。
時間にして15分。止血5分込みだったのですが。
 しかも、夜、寝付けない。あ、これは交感神経を刺激され
たな、注射だなと気づき、イベちゃん12mg1錠を服用。

 おかげで、よく寝付けました。ありがとうございます。

では。

Posted by たまねこ53号 at 2022年06月23日 06:34 | 返信

先生おはようございます。
地域包括ケア。。。
無理だと思いますよもう日本には地域包括ケアはなくなると思います。
地域包括ケアとは他職種との連携です。
コロナは重特な感染症の現在、利用者に全く接触しないで多職種が利用者を援助できれば良いですが、接触がコロナ感染に関係するとなれば地域も反対します。そうなれば最低限の訪問接触になります。
それはもう地域包括ケアの崩壊です。
私は将来は皆、隔離され病院に詰め込まれ長期入院し亡くなる方が増えていくと思います。
そう昔と同じになると思います。
家族もコロナのためと言えば納得しないとならない。
特に地方は誰か感染したら噂が広まります。
地方から閉塞し昔のように閉じ込め型になりますよ。
精神科患者もね。
田舎は人に干渉しないと言うことはしない。
色んな噂の渦のなかで生きます。
コロナに在宅患者が感染したとなれば施設に入れろ、病院に入れろ、周りに迷惑かけるなと町の人から苦情か来ます
だから地域包括ケアなんて幻だと思います。
残念ですがこれが現実。
先生1日頑張ってください。

Posted by かおなし at 2022年06月23日 06:59 | 返信

#774「コロナ検証」に想う。
長尾先生おっしゃられるように、このクニは「検証」そのものに慣れてない、好きでない。10年前の新型ウイルス時の教訓として「感染症情報管理システム」が5年かけて完成していたらしいがなぜか忘れられ、今回急ごしらえで作られたらしいが、発生届の入力からして混乱したらしい。

思えば「大東亜戦争の総括・検証」もやられなかった。「一億総ざんげ」とされアキヒト大元帥ら国家指導部をみずから断罪することもできなかった。占領軍の「極東裁判」にゆだねられた。「満州事変」や「沖縄戦」の総括・検証もやったことがない。「朝鮮統治」や「南北分断」の回顧もない。南半球の「フォークランド戦争の総括」はくわしいのに、「ないないづくし」「なりゆきまかせ」で、「責任」の所在や追及もない。「満州国建設」の岸ら戦犯がかんたんに宰相になり「日米新安保」強行するのを許したりする。

コロナ対策の検証も「やった感」だけで薄っぺらでだれも読む国民はいない。この30年、実質賃金は下がり続け、「G7」から日本が脱落し韓国が取って代わることが噂されている。「落日」は避けようがない。いや「落日30年」、「ナンバーワンとしての日本」という流行り言葉もだれも知らない。

昨今の安保環境から「国債で軍拡」をがなり立てる有象無象が多い。国際憲章のモデルとも言うべき日本国憲法の理念も、プーチン一人にかき回されているといっても、見向きもしない「戦後日本」の惨状が哀しい。

Posted by 鍵山いさお at 2022年06月23日 09:49 | 返信

高齢の義父は千葉で一人暮らしですが、先日、車の運転中に具合が悪くなり警察に保護され、車はもう危険ということでレッカー移動して免許を手放すことにしたのですが、その時に警察の方、レッカーの業者の方がとても親切でした。遠方ですぐに駆けつけられない夫に代わって、レッカーの業者の方は、車の手続きの書類手配など寄り添ってれたり、車が無くなったので買い物や病院などの運転は、役場の人がしてくださり、お隣に住む全く他人のおばさんは、毎日 元気かどうか確認してくださって 何かあれば電話してくださるので とても助かっています。社会のシステムは不備があっても いい人はたくさんいて、大切に感謝しながらそれぞれの役割の中で自分の良心に従っていて そんな方が増えていけばいいなと思っています。私も人の役に立てるように頑張りたいです。

Posted by るん at 2022年06月23日 10:14 | 返信

インターネットがなければ
出会うことも知ることもなかったかもしれない方々に
今日も出会うことが出来ました。
長尾先生が繋いで下さった、画面の向こうの長先生
これまでのご尽力やご苦労を知らない身で
長先生にも周りで支える皆さまにも、かける言葉が見つかりません。
Youtubeのチャンネル登録して、今後のご発信を見守ります。

長尾先生、今日も明日も声出して、土曜は思いの丈を響かせて下さいネ。

Posted by taco at 2022年06月23日 10:28 | 返信

敬愛する長尾先生
先生が推進する地域包括ケアはまさに理想的な地域医療ですね。長尾先生が全国に居たらいいのになぁ。笑
より良い高齢化社会を迎えれれば、生まれてから亡くなるまで安心だなぁと思います。若い時はあまり老いることを考えないような気がするので、人生会議も先生から初めてききましたし、安心安全で老いる、亡くなる、人間の尊厳をしっかり守ってくれるシステムがあれば言葉は変ですが、良い意味で老いるのも易い世の中になりますね。長尾先生のいつも、ヒトへの優しい想いが伝わるお話でした。是非コロナ明けして、このようなことが充実してほしいなぁ。先生達の尽力に感謝いたします!後輩さん病に伏しておられるのですね。。お辛いかと思います。エールを贈るつもりで25日は熱唱されてくださいエイエイオー!今日もお勤めご苦労様です!

Posted by ぽん吉 at 2022年06月23日 04:03 | 返信

お疲れ様です!
今日も暑い中、尼崎を駆け巡られて
いらっしゃるのでしょうか…
ご無理されていらっしゃらないかな…
とか 色々思うわけですが

ほっといてくれーって
言われそう 笑笑

ところで
さっき、
尼崎市のニュースが飛び込んできました!
【発表】兵庫・尼崎市 全市民の住民基本台帳の個人情報が流出したおそれ

臨時特別給付金の支給などを請け負った業者が、個人情報入りのUSBメモリーをかばんに入れて持ち帰り、飲食店に立ち寄った際、そのかばんを紛失したということだ

馬鹿な!
USBメモリーを大体持ち出すだなんて😣
ふと、意図的なんじゃないのかとか 

心がひん曲がって来ています😂




長先生のお話になりますが
動画拝聴いたしました
医療の領域を動かすに
どうしても、政治家の力での施策が必要なのですね

長先生、信頼の置ける長尾先生にお背中をポンっ!と、押して欲しかったんですよね
選挙に立候補されることはご自身で決められていらっしゃった…
それは、そうだと思います🥹
でも、とっても怖かったんじゃないでしょうか…

最後はやっぱり何につけても自立されていて頼りになる
先生の一声は
心強いものだったんだって思います

先生の責任なんかじゃないです
そう言って欲しかったんです
長先生…。

長先生も素晴らしい
長尾先生の周りにはそんないいお仲間先生が
沢山いらっしゃるんだろうな
まだまだ、頑張って欲しいです!
また、お祈りしますから…。





チキンジョージもうすぐですね😆


ドキドキっ!

先生、今日もお疲れ様でした…。

明日も良い一日になりますように

Posted by 匿名 at 2022年06月23日 07:23 | 返信

長尾先生、お疲れ様です。
地域包括ケアですか。基本的には「意識改革」が必要な事でしょう。
人間、自分の「得意ジャンル」しかやりたくないものでしょうし。
今回のコロナ禍で意外にハッキリしたのは「専門知」と「総合知」の差だと思います。案外、医療職の方が「専門知」で視野が狭かった様に思います。
地域包括ケア、私が思うには「医師が」「病院が」「看護師さんが」ではなく、会話や発想の主語が「その人が」を主語にしたケアの在り方に意識が変われるかどうか、だと思います。反対に意識や関心さえあれば、実は結構出来ることだとも思います。
医療職や介護職が物事の関心を広く持つ必要があるでしょう。ですから、地域包括ケア、この場合は各自の「総合知」が必要だろうと思います。

Posted by グッビオのオオカミ at 2022年06月23日 11:00 | 返信

地域包括ケアとは、日本におけるプライマリーヘルスヘアの一形体なのか? プライマリーヘルスケア(PHC)は居住国のような発展途上国ではポピュラーな概念。医療関係者なら必ず学校で習うし。医者が絶対的に足りないので地域医療助手や看護師、個人経営の薬局スタッフ、地域ヘルスボランティア、果ては伝統的祈祷師までがPHCの構成員。PHCに欠かせない地域住民の参画にはヘルスボランティアがその地域の声を届ける役割をする。
日本の地域包括ケアとは介護保険、在宅医療のシステムの事だと私は思っていた。包括が何を意味するのかはよくわからず、PHCの重要な要素であるはずの地域住民の参画については、少なくとも西宮市では余りあるようには見えず、地域のニーズについて行政側に要求として上げているのかは知る由もない。ニーズを知り、伝える役割を担うべきなのは誰? ケアマネさん? 訪問看護ステーション? 在宅医? 長尾先生はコロナ禍でそれを実践された。いやコロナだけじゃなく、他の医療活動についても、患者側の、地域の真の声に耳を傾け、それを色んな方法で伝える事を実践されているように見える。1人1人の患者さんを人間として丸ごと引き受け、継続的に責任を持って取り組まれているからこそ出来るのだろう。

Posted by Yoko Oda Thapa at 2022年06月24日 02:18 | 返信

アメリカのCDCは製薬会社などのマーケティング機関となっています。CDCを退官して製薬会社の幹部として天下りするのが公認ルートのようです。
コロナ以前から私はCDCの信頼を無くしていました。理由はフッ素を飲料水に混ぜる政策を今でも勧め、20世紀の公衆衛生の勝利と今でもうたっています。フッ素の健康への害は多々ですが、研究を阻止することにより、データが無いから安全と言い続けていました。近年やっと政府機関の研究で胎児のIQを下げることが証明されました。それでも安全で効果があると言い続けています。このパターンはコロナワクチンにも受け継がれています。正しいことも言っているのかもしれませんが、どれが嘘でどれが真実か見分けるのは大変です。
もし日本でCDCを作るなら、企業との関連を断つことが重要だと思いますが、実際問題として不可能でしょうね。

Posted by まゆ at 2022年06月24日 03:00 | 返信

コロナ禍が、始まった頃「正義の味方」と言う番組でホンコンさんとか、若い人たちが「日本にもCDCが合ったらよかったのに」と言うと木村盛世先生が「さあどうでしょうかね?日本にCDCを作ると、今の「専門家会議」のメンバーと変わらないんじゃないかと思う。現場を知らない学歴の高い人達の天下り先になるのが落ちに思えます」と仰って、皆シーンとしました。
日本が責任者がいない。太平洋戦争でも誰が言い出して、赤紙が来て徴兵されて、無理やり鉄砲を持たされて「前進」と言われて前進した人は鉄砲で撃たれた死んだ。「あんたの亭主は、正直に前進して打たれて死んだんや。わしは一歩後退したんで助かったんや」と戦争直後に近所の知り合いに言われて「猛り狂ったんや」とお婆さんが言っていました。お婆さんは「今の仁川競馬場が、戦争中は川崎航空の工場だったのでアメリカのB29に機関銃で狙われて、危機一髪防空壕に飛び込んで死を免れた。アメリカ兵は、笑いながら機関銃を打っているのがはっきり見えた」と言っていました。阪神大震災のショックで2日後心臓発作で亡くなりました。ゲゲゲの鬼太郎の作者水木茂さんも、インドネシアで「前進せよ」と言われて前進せず、皆で帰還したら「何で死ななかった?なんで生きて帰ってきた!」と言われたとテレビで言っていました。日本は昔から責任者が分からないのです。
日本は、大統領制の韓国や台湾などに生産力が劣っていると昨日のテレビで言っていました。フィリピンやロシアや大統領制でもかかえって恐ろしい国もありますけど。

Posted by にゃんにゃん at 2022年06月24日 11:08 | 返信

23日、久しぶりに集合形式の『地域ケア会議』があったので、朝、この記事を読んで、とても意義深く感じました。
先生、ありがとうございました!

Posted by つぅちゃん at 2022年06月25日 02:41 | 返信

長尾先生、お疲れ様です。


高台の展望から、街の様子や日々の変化、人々の暮らしの纏まりを一望します。頂きに登り詰めれば、その先は青空しかなく静かに陽が降り注いでいるのが見える。
名前の残るお城の城主は今や不在で、誰が街の中のわたしを眺めているのかも、今は知る由も無い。

姿を持たない社と名前を消した主人が、この先に壊される事も奪われる事もなく、今もまた静かに天と人にお仕えしている。


地域包括ケアは幻想では無いけれど、不思議と専門性が立ち上がるほど細々と砕けた分裂感も伴って幻想の様に感じてしまいます。
でも展望台から街を見下ろすと、空から、光や雨が降りてきて等しく人々の生活全体を包み込んでいるのを感じます。


長先生の動画の紹介もありがとうございました。
人に仕える本当に心優しい方だと伝わります。


今日も、お疲れ様でした。

Posted by 白夢 at 2022年06月28日 01:42 | 返信

長尾先生、おはようございます。

長先生のメッセージのリンク、ありがとうございました。
長先生がされてきたこと、これからのビジョン、本当に素晴らしいと思いました。

長尾先生の書かれていたこと、長先生のいくつかの動画を見させて頂いた中で、思い出したことがあります。

若い頃、日本での事務方でしたが、NGOにいたことがありました。
貧困等の問題を長く抱えていた地域の人々が共に話し合い、問題を共有していく中で、持っている力にも気づきが与えられる。解決に向けた方向が見え始める。中長期的なビジョンを描けるようになる…というプロセス、それを思い出しました。
違っていたら申し訳ないのですが、先生たちが取り組んでおられる地域包括ケアというのは、そういうことなのかな…と思いました。

閉塞感に包まれている日本の各地において、だからこそ今、みんなで取り組んだり、話し合ったりすることが、最も大切なこと…とも思いました。改めて自分に出来ることを考えていきたいです。

長先生がお子さんを思われるお気持ちに涙が溢れました…。ご成長される中で、長先生が愛された地域の中に、きっとお父さんの思いを感じることが出来るのでは…と思い、陰ながらお祈りさせて頂こうと思います。

ご家族の皆様はじめ、ご関係者、地域の方々など、皆様の上に、豊かな慰めが注がれますように心からお祈りさせて頂きます。

長尾先生、新しく始まるこの1年の1日1日の歩みが守られますように、心からお祈りしています。
いつも本当にありがとうございます。

Posted by えりおばさん at 2022年06月30日 09:52 | 返信

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